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困っている人をほっとけないカルロスの伝説の始まり  ―うわさでは荒くれ者僧侶と呼ばれています―  作者: ぶっくん


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18/21

第18話 幽霊劇団の特別公演

その夜、カルロスの「指導」の下、幽霊劇団の特別公演が開かれた。


ギグルスは、カルロスが書いた(かなり無理やりな)台本に沿って、町の人々の日常の悩みをコミカルに演じた。


市場の魚が空を泳ぐ代わりに、カルロスが大げさに驚いて見せ、噴水のゼリーでは弟子たちが「おいしい!」と叫びながら食べる真似をした。


最初は困惑していた観客たちも、次第に笑い声を上げ始めた。

特に、町長の靴下が踊るシーンでは大爆笑が起こった。


公演の最後、ギグルスは深々とお辞儀をした。

その姿は次第に光り輝き、透明になっていく。


「ありがとう……」

ギグルスの声がかすかに響いた。

「ようやく、ちゃんと笑いを取れた気がする」


幽霊は晴れやかな笑顔で、光の粒子となって消えていった。


町は元の平穏を取り戻した。

いや、以前よりも活気づいていた。


町長は約束の「たっぷりの食事」を振る舞い、カルロスたちはひさしぶりのごちそうに舌鼓を打った。


「師匠」

弟子の一人が尋ねた。

「あの幽霊、結局泣かせませんでしたね?」


カルロスは満腹でごろりと横になり、満足そうに笑った。


「ああ、でもな。最後にあいつ、嬉し泣きしてただろ?」


弟子たちは顔を見合わせ、またため息をついた。


しかし、その目には、少しだけ尊敬の色が宿っていた。


翌朝、カルロスたちは再び旅立った。


町の人々に感謝され、見送られながら。


地平線の向こうには、また新たな町の灯りが見え始めていた。


そして、おそらくそこにも、どこか変わった形で助けを必要とする誰かが待っているのだ。


カルロスは背中の大剣の柄を軽く叩き、口元に笑みを浮かべた。


愉快な幽霊も、泣き虫の悪霊も、困っている者がいれば、どこへだって行く。


荒くれ者僧侶カルロスの伝説は、今日も、少しだけ優しい笑いを加えられながら、書き足されていくのだった。

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