28話 グレイVSロイ
「あ~あ、負けちゃったよ~」
「残念だったね、ルカ」
ルカは簡単に負けてしまったが、本人自体はあまり気にした様子もなく軽い感じにみんなのいるところまで戻ってきていた。
「どんまいだな、ルカ、まぁ、俺なら学年主席なんかイチコロだぜ!」
「ふ~ん」
グレイはグッと親指をあげルカに向かってそう言い放つが適当に流されてしまう。まぁ当然のことだろうほとんどのものがグレイの本当の実力を知らないのだから、
「ククッ、グレイあとはお前だけじゃないか?」
「おお、ラッシュ、なんか久しぶりに話した感じだな、って!あと俺だけ!」
「気づいてなかったのか、グレイの相手はあのロイってやつだぞ」
「へぇ~、あいつか、さっきなんか突っかかってきたけど軽く倒してやるか」
グレイは意気込み既に準備を整え終えているロイの待つフィールドへと向かっていった
「頑張れよグレイ!」
「お兄さん、負けないでよ」
「グレイ、相手は学年3位で手ごわいですが頑張ってくださいです」
「お兄ちゃん!カッコいいところ見せてね」
「ククッ、さぁ、十分プレッシャーもらっただろこれで無様に負けるなよ」
「当然!」
グレイは背後から聞こえるみんなの応援に答えロイのもとにたどり着いた
「ようやく来たか」
「まさか、君と勝負できるとは思わなかったよ。せいぜい頑張ってね」
「俺も、まさか敵意むき出しのあんたと戦うことになるとはな。は!もしかしてこれは運命!だが、相手は男だ。すまないロイくん君の気持ちには答えられないよ」
「ふざけるんじゃない!君は本当に僕を馬鹿にしてくれるね。まぁいいです。Fクラスでなんも努力もせずにSクラスに上がったあなたを僕は倒しますから」
ロイはグレイに敵意をむきだしたまま片手剣を構えもうすでに戦闘態勢に入った
「はぁ~、冗談の通じないやつだな、けど、その意気込みはいいね!ガロス先生試合始めてくれ」
グレイもロイに触発され無手で構えた。
「わかった。じゃあ、両者準備はいいな。では、始め!」
模擬戦のラストの試合が始まった。まずはじめに動き出したのは意外にもグレイ。グレイはまっすぐ直進しロイのところに向かうだがその速度は用心の域を既に超えている。だが、
「その程度のスピード兄さん達に比べればまだまだだよ。」
ロイは完全にグレイの動きを見切りグレイに向かって剣を振り下ろす。しかし、グレイが簡単に受ける訳もなく軽やかに剣戟を交わしそのままロイへと拳を打つ
「どうしたロイ!受けるだけか!」
「なにそんなわけない・・・・・よ!」
ロイはグレイの拳の連撃は剣で受け流し全て無効化している。そしてグレイの挑発の言葉に答えると同時にグレイの拳を剣の腹で受け止めそのまま拳をはじき飛ばした。これによりグレイの状態は大きくのけぞり体制を崩した。このチャンスをロイが見逃すはずもなく
「雷属性 斬雷撃!」
雷をまとった剣でグレイに追撃をかけるその剣の速度は正しく雷と同じ速度だった。
(よし、当たる!)
ロイは口には出していないがこの攻撃は確実にあたり試合終了か最低でもグレイの動きを鈍くできると思っていいたのだがここでグレイはありえない動きを見せた。それは
「なかなか、すごいなロイ!だけどそれじゃあ俺には当たらないぞ」
グレイはロイの攻撃が放たれたと同時に体制を崩したまま両足で虚空を蹴ったのだ。そしてそのままフィールドの端まで飛んでいきロイの一撃を回避したのだ。
「なぁ!」
これにはロイも驚きを隠せない。いや、ラッシュ以外の観客たちはあいた口がふさがらないようであった。この学園でグレイが属性魔法を使えないのはとても有名な話だなぜなら、この学園で属性魔法を使えないものはグレイただひとりなのだから、だが、今の動きはどうだろうか、いまグレイがやったのは空中をけったそれだけだ、だがなぜ魔法の使えないグレイは何もない空中を蹴って移動ができたのだろうか?みんなはそんな疑問で頭の中はいっぱいであろう。だが、グレイにとってこれはとても簡単なことだった。グレイはただ足に『気』を集中させ蹴り出すと同時に放出し、その反動で移動しただけなのだから
「なんだ今のは!」
「それは企業秘密ということで、じゃあそろそろ終わりにしようか!」
「ふざけたことを言うな!まだ僕に一撃も与えられない奴が!」
「なーに、これからは一瞬だそれに無手も終了これからはこれで行く」
そう言いグレイが空中から取り出したのはシルバーウルフの討伐の時に使った黒刀『龍月』である。そしてそれを腰に付け体勢を低くし『龍月』の柄へと手を当て構えた
「ロイ、君が俺の間合いに入ったとき、それは君が負けるときだ」
「何ふざけたことを言っているそんなもの、入らなければいいだけだろう!雷属性 雷弾連撃!」
ロイはその態勢に入ったグレイに対し遠距離魔法で攻撃を加える。雷弾の数は数十個は確実にあるだろう。そしてそれは一斉にグレイのもとへと向かっていった
「やっぱりそうくるか、だけど、残念だそれじゃあ、俺には勝てない。そしてロイ君の攻撃は俺の間合いに入ったこれで前の負けだ!・・・・・・・・・・・・・無属性付加 反射 刀」
グレイは最後にぼそっと誰にも聞こえないように呟いた。その最後の言葉をもしも誰かが聴いていたならばありえないことだた笑っていただろう。なぜなら、無属性魔法に反射などという属性は存在しないのだから
「何をバカなこと言っている。どう見ても僕の勝ちだろう」
「まぁ、見とけそしてしっかり避けろよ!我龍剣刀術居合 五閃」
グレイは迫りくる雷球を5回の剣戟で全てに当てる。だが、雷弾は消えない。なぜならグレイは雷弾を切り伏せたわけではない、先ほど属性付加を行ったことによって『龍月』の性質に反射がついたのだそのため『龍月』に斬られた雷弾は全てロイの元へと戻っていく
「何!この!雷属性 雷壁」
ロイはいきなりのことで驚きはするが雷壁を咄嗟につくり跳ね返ってきた雷弾を防いだのは良かっただろう。しかし、相手が悪かった。
「これで終了」
「くっ」
雷壁を発動するため一瞬目を離したすきに移動してきたグレイにはロイも反応することができず既にロイの首筋には『龍月』が添えられていた
「勝者 グレイ=ゾルディア!」




