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最強チートで無双してるのに、美人で可愛くてスタイル抜群な三人のヒロインから“キモいセクハラ野郎”と罵られ続ける俺の異世界冒険記  作者: トワイライト
第2章 海の街セレナ・マール編――ヒロイン三人とわちゃわちゃ・いちゃいちゃ冒険

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第41話 UNO決着の夜――罰ゲーム膝枕で大騒ぎ

 UNOの勝負は終盤に差しかかっていた。


 テーブルの上には何度も重ねられたカードが広がり、山札もかなり減っている。豪華な馬車の中は夜の静けさに包まれていたが、このテーブルの周りだけは妙に緊張した空気が漂っていた。


 すでにカナタとリヴィアは上がっており、残っているのはエステルとセラフィナの二人だけである。


 エステルは手札をじっと睨みながら唇を噛む。残りはわずかだった。対するセラフィナは落ち着いた表情のまま、静かにカードを持っている。


 やがてエステルの番が回ってきた。


「これ!」


 勢いよくカードをテーブルへ叩きつける。


 カードが場に置かれ、エステルの手札は――残り一枚。


 エステルは満足そうに腕を組み、勝ち誇ったように笑った。しかしその瞬間、テーブルの向かい側から穏やかな声が聞こえた。


「エステルさん」


 セラフィナが静かに口を開く。


「UNO言ってませんよ」


 一瞬、空気が止まる。


 エステルの表情が固まった。


「……え?」


 そしてすぐに顔をしかめる。


「言ったわよ!」


 慌てたように言い返す。


 しかしカナタがあっさり言った。


「言ってない」


 リヴィアも腕を組んだまま淡々と続ける。


「言ってないわね」


 二人の証言は一致していた。


 エステルの顔から血の気が引く。


「うそでしょ……」


 テーブルの中央に置かれた山札が、妙に存在感を放っている。ルールはさっき説明されたばかりだった。UNOを言い忘れた場合――


 セラフィナが静かに山札を指差す。


「二枚ですね」


 エステルはしばらく動かなかったが、やがて観念したように肩を落とす。


「……最悪」


 UNOの勝負はその後も続いたが、エステルの形勢は完全に崩れていた。


 UNOを言い忘れて二枚引かされた影響は大きく、手札はなかなか減らない。対してセラフィナは落ち着いた様子でカードを出し続け、静かにゲームを進めていく。


 やがて、セラフィナの番が回ってきた。


 彼女は手札を一度だけ確認すると、静かに一枚のカードをテーブルへ置く。


「終わりです」


 その言葉と同時に、手札がなくなった。


 セラフィナの勝利である。


 テーブルの上に沈黙が落ちる。


 エステルはしばらく固まっていたが、やがて力なく机に突っ伏した。


「……うそでしょ」


 これで順位は決まった。


 一位、カナタ。


 二位、リヴィア。


 三位、セラフィナ。


 そして――最下位。


 エステル。


 カナタが椅子の背にもたれながら、にやりと笑う。


「じゃあ罰ゲームだな」


 エステルがゆっくり顔を上げる。その表情は明らかに警戒していた。


「……何させる気よ」


 カナタは少しだけ考えるように顎へ手を当て、それから楽しそうに口を開く。


「膝枕」


 一瞬、空気が止まる。


 次の瞬間。


「はぁ!?」


 エステルが勢いよく机を叩いた。


 カナタはまったく悪びれた様子もなく肩をすくめる。


「罰ゲームだからしょうがないだろ」


 エステルは信じられないという顔で、すぐに左右を見る。


「ちょっと!止めなさいよ!」


 リヴィアとセラフィナへ助けを求める視線だった。


 しかしリヴィアは腕を組んだまま淡々と言う。


「罰ゲームだから」


 セラフィナも穏やかに頷いた。


「ルールですから」


 その言葉を聞いた瞬間、エステルの額に青筋が浮かぶ。


「あんたたち覚えておきなさいよ!」


 しばらくの口論の末、結局エステルは観念するしかなかった。


 ソファーの上に、エステルが不機嫌そうな顔で腰を下ろす。足を前に伸ばし、膝を軽く叩くようにして座り直した。


 白く伸びた素足がソファーの上にすらりと伸び、膝から太ももへかけて滑らかな曲線を描いている。細く引き締まった脚は健康的な艶を帯び、思わず視線を引き寄せる綺麗な形をしていた。


「……ほら」


 そして嫌そうに言う。


「早くしなさいよ!」


 カナタはその様子を見て、嬉しそうに口元を緩めた。


「はいはい」


 軽い返事をしながらソファーへ近づくと、そのまま横になり、迷いなく頭をエステルの膝へ乗せる。


 ふわりと柔らかい感触が後頭部に伝わった。


「おお」


 思わず声が漏れる。


 エステルの太ももは思った以上に柔らかく、クッションのような弾力がある。素足の肌から直接伝わる温もりが心地よく、ほんのりとした体温がはっきり感じられた。顔との距離も近く、少し動けばすぐにエステルの体に触れそうな距離である。


「これいいな」


 カナタは満足そうに呟く。


 その上で、エステルは腕を組みながら露骨に不機嫌な顔をしていた。眉はきつく寄り、口元も完全にへの字になっている。


「……」


 しばらく黙ったままカナタを見下ろしていたが、やがて苛立ったように言う。


「さっさと終わりなさい」


 声は完全に怒っていた。


 しかしカナタはそんなことなど気にした様子もなく、エステルの膝の上でのんびりと頭を預けたまま、満足そうに天井を眺めていた。


 カナタはふと、視線を少しだけ上に動かした。


 すると、自然と視界に入ってくるものがある。


 エステルの体だ。


 膝枕の体勢のまま見上げると、視界の先にはエステルの胸元がしっかりと入ってくる。寝間着越しでもはっきり分かるその存在感は、下から見ると普段よりもずっと強調されて見えた。


 カナタは思わず呟く。


「下から見ると絶景だな」


 一瞬の沈黙。


 次の瞬間、エステルの顔がみるみる赤くなる。


「上向くな!」


 慌てたように怒鳴り、カナタの顔を睨みつける。膝枕をしている側なのに、完全に余裕がない様子だった。


 その様子を、向かいの席から二人が静かに見ていた。


 リヴィアが小さく息を吐く。


「エステルが負けてよかったわね」


 ぼそりと呟くように言う。


 セラフィナも穏やかな顔のまま続けた。


「もし私たちだったら、あんな感じになっていたんですね」


 二人の視線は自然とエステルへ向く。


 エステルはその言葉を聞いた瞬間、さらに顔を赤くした。


「な、何よその目!」


 怒ったように二人を睨む。


 だが膝の上にはカナタの頭があり、体勢は完全に膝枕のままだった。逃げようにも動けばカナタが落ちるため、余計に動きづらい。


「とにかく上見るな!」


 エステルはもう一度カナタへ怒鳴る。


 エステルに「上を見るな」と怒鳴られたカナタは、仕方なさそうに肩をすくめると視線を下へ向けた。


「はいはい」


 素直に言われた通り顔を下へ向ける。


 しかし――


 視界に入ってくるのは、すぐ目の前にあるエステルの太ももだった。膝枕の体勢のまま顔を下に向ければ、当然そこにあるのは柔らかな太ももである。


 素足の肌がすぐ目の前にあり、さっきまで頭を乗せていた感触もまだ残っている。


 カナタは少し感心したように呟いた。


「これはこれでいいな」


 その言葉を聞いた瞬間、エステルの眉がぴくりと動く。


「は?」


 カナタは視線をそのままに続ける。


「近くで見ると結構――」


 言いかけたところで、エステルの顔が一気に険しくなる。


「それはやりすぎ!」


 次の瞬間だった。


 エステルが勢いよく膝を立てる。


 それまで膝に乗っていたカナタの頭が、ばいんと跳ね上がった。


「うわっ!?」


 カナタの体はそのまま勢いよくソファーから転げ落ちる。


 どさっ、と鈍い音がリビングの床に響いた。


 エステルは勢いよく立ち上がると、顔を真っ赤にしながらカナタを睨みつける。


「絶対に許さない!」


 怒りのこもった声だった。


 そしてそのままくるりと背を向けると、ずかずかと寝室の方へ歩いていく。


「もう寝る!」


 勢いよく扉を開け、そのまま寝室へ消えていった。


 リビングには、床に転がったカナタと、ソファーに座ったままのリヴィアとセラフィナが残る。


 しばらくの沈黙。


 やがてリヴィアが小さく息を吐いた。


「自業自得ね」


 セラフィナも静かに頷く。


「そうですね」


 こうして、夜の馬車で行われたUNOの罰ゲームは、少し騒がしい形で幕を閉じたのだった。

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