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最強チートで無双してるのに、美人で可愛くてスタイル抜群な三人のヒロインから“キモいセクハラ野郎”と罵られ続ける俺の異世界冒険記  作者: トワイライト
第1章 異世界転移&チート持ち──確かにハーレムだけど、想像してたやつと全然違った件

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第33話 神経衰弱最終決戦──三人のヒロインが本気でカナタを潰しにきた結果

 ゲームは終盤に差しかかっており、場には静かな緊張が流れていた。


 現在の手番はカナタである。


 カナタは軽く指を鳴らしてから、一枚のカードをめくった。


「ダイヤの9」


 赤い数字を確認すると、カナタは腕を組んで少し考える。


「ダイヤの9はさっき出てたよな……たしか……こいつか?」


 テーブルの中央付近のカードへ手を伸ばしかけた、そのときだった。


「もうひとつ右ですよ」


 穏やかな声が横から差し込む。


 カナタの手がぴたりと止まった。


「え?」


 視線を向けると、セラフィナがいつもの柔らかな笑顔でこちらを見ている。


 カナタが指していたカードをちらりと見て、落ち着いた声で言った。


「それ違います」


 断言だった。


 カナタは少し眉をひそめる。


「ほんと?」


 疑い半分の声だったが、セラフィナは迷いなく頷いた。


「はい」


 あまりにも即答である。


 カナタはカードを見つめながら少し悩むように唸った。


「うーん……」


 そして小さく肩をすくめる。


「それでもやっぱこっち」


 最初に狙っていたカードをそのままめくった。


 次の瞬間、同じ数字が並ぶ。


「お、当たりだ」


 ぴたりと揃ったダイヤの9を見て、カナタがにやりと笑う。


 その横で、ほんの小さく舌打ちが聞こえた。


 カナタはすぐにそちらを向く。


「今チッて言った?」


 セラフィナは何事もなかったように微笑んでいた。


 カナタは肩をすくめながらカードを自分の前へ引き寄せる。


「セラフィナちゃん嘘つくなんてひどくない?」


 からかうような口調だった。


 しかしセラフィナは表情を崩さないまま、静かに言い返す。


「“ちゃん”やめてください」


 声は穏やかだったが、その視線はほんの少しだけ冷たかった。


 * * *


「はい、終了」


 カナタはカードを自分の前へ引き寄せながら軽く言った。テーブルの上にはもう裏向きのカードは残っていない。ゲームは完全に終わりである。


 カナタは椅子にもたれながら三人を見回す。


「じゃあ手持ちのカード数えて」


 その言葉に、四人はそれぞれ自分の前に積み上がったカードの山へ手を伸ばした。ぱらぱらと音を立てながら枚数を確認していく。しばらくして結果が出た。


 カナタが軽く口にする。


「俺は二十枚」


 エステルが数え終えて顔を上げる。


「十四枚」


 セラフィナも静かにカードを揃えながら言った。


「私は十枚ですね」


 最後にリヴィアがカードを見下ろしたまま、小さく息を吐く。


「……八枚」


 結果ははっきりしていた。


 最下位はリヴィアである。


 少しの沈黙のあと、リヴィアがゆっくり顔を上げた。


「ちょっと待って」


 静かな声だったが、その目は鋭くカナタを射抜いている。


「絶対イカサマしたでしょ」


 断言だった。


 カナタはすぐに肩をすくめる。


「してない」


 あまりにも即答である。


 リヴィアの視線はさらに冷たくなった。


「あなた、いつもそうやって嘘ばっかりついてきたわ」


 淡々とした口調だが、完全に信用していない声音だった。


 カナタはくすりと笑う。


「それならもう一戦やる?」


 軽い調子の提案だった。


 その瞬間、エステルが勢いよく身を乗り出す。


「絶対最下位にしてやる」


 拳を握りながら宣言する。


 その隣で、セラフィナも穏やかな笑顔のまま口を開いた。


「ボコボコにしましょう」


 口調は静かだったが、言っている内容はかなり物騒だった。


 二回目の神経衰弱は、すぐに始まった。カードは再びシャッフルされ、同じようにテーブルの上へ並べ直される。


 四人の視線が一斉に盤面へ向き、さきほどよりも明らかに空気が張り詰めていた。エステルもリヴィアも、さっきより真剣な表情でカードを見つめている。


 しかしゲームの流れは、思ったほど長くは続かなかった。


 数分後には裏向きのカードはほとんどなくなり、テーブルの上にはわずかな枚数しか残っていない。最後のペアを揃えたのは、やはりカナタだった。


「はい、終了」


 カナタがカードを自分の山へ加えながら軽く言う。テーブルの中央にはもう一枚も残っていない。


「じゃあ数えるか」


 四人がそれぞれ自分のカードの山を手に取り、ぱらぱらと枚数を確認していく。最初にカナタが言った。


「二十四枚」


 エステルが数え終えて顔を上げる。


「……八枚」


 少し悔しそうな声だった。


 リヴィアも静かにカードを整える。


「十二枚」


 最後にセラフィナが穏やかな声で言う。


「私も八枚ですね」


 結果ははっきりしていた。


 カナタ 二十四枚。


 リヴィア 十二枚。


 エステル 八枚。


 セラフィナ 八枚。


 沈黙が一瞬だけ流れたあと、エステルが机を叩いた。


「こいつ絶対イカサマしてる!」


 勢いのある声だった。


 カナタは呆れたように肩をすくめる。


「またそれ?」


 特に動揺した様子もなく、椅子にもたれながら続けた。


「仮にイカサマしてても見破れないんじゃずっと負けるじゃん」


 淡々とした言い方だった。


 エステルの顔がさらに険しくなる。


「ほんと最低なやつ!」


 怒りのこもった声だった。


 その横で、リヴィアが少し考えるようにカナタを見つめる。


「なんでそんなに強いの?」


 純粋な疑問のような口調だった。


 カナタは軽く顎に手を当てる。


「うーん、才能?」


 適当な答えだった。


 その瞬間、セラフィナが小さくため息をつく。


「どうせ変なスキルですよ」


 カナタは椅子に軽くもたれながら、三人を見回した。


「それじゃあ罰ゲームは、一戦目負けたリヴィアと二戦目負けたエステルとセラフィナだね」


 あっさりとした口調だった。


 その瞬間、エステルが勢いよく身を乗り出す。


「は? なんで私たちも罰ゲームなのよ!」


 納得できないという顔でカナタを睨みつける。


 その隣でセラフィナも静かに首を傾げた。


「そうですよ。同点で最下位なしでいいじゃないですか」


 穏やかな声だが、内容はしっかり抗議だった。


 しかしカナタは気にした様子もなく笑う。


「いや最下位タイだよ」


 あまりにも軽く言い切った。


 しばらく沈黙が流れる。


 そのあと、リヴィアがぽつりと口を開いた。


「私もやりたくない」


 短い言葉だったが、明確な拒否だった。


 カナタはその言葉に少し眉を上げる。


「リヴィアはどう考えても罰ゲームやらないと」


 当然のように言った。


 そして続ける。


「二人はリヴィアを一人にするつもり?」


 その一言で、三人の視線が一斉にカナタへ突き刺さった。


 エステルが吐き捨てるように言う。


「こいつ!」


 完全に敵を見る目だった。


 セラフィナも静かな笑顔のまま続ける。


「卑劣、下劣、卑怯、醜悪、非道」


 淡々と並べられる言葉は、どれも容赦がない。


 カナタは一瞬だけ目を瞬かせ、少し慌てた様子で手を振る。


「せ、セラフィナさん言い過ぎては」


 テーブルを挟んだ睨み合いが続く中、カナタは指を鳴らした。


「それじゃあ……」


 その瞬間、カナタの手元に淡い光がふわりと集まり始める。


 小さな粒のような光がくるくると渦を描き、空中で形を作り始めた。やがて光がまとまり、ぱっと三つの紙袋へと変わる。

 

 紙袋はふわりと空中に現れ、そのままカナタの手の中へ落ちてきた。


 三人の視線が一斉にそこへ集まる。


 カナタは何でもない顔で、その紙袋をテーブルの上へぽんぽんと並べた。


「罰ゲームとして、この服に着替えて」


 あまりにも軽い口調だった。


 カナタは三人へ順番に紙袋を差し出す。


 エステルが受け取りながら、露骨に顔をしかめた。


「気持ち悪」


 短く吐き捨てる。


 リヴィアも袋を手に取りながら眉をひそめた。


「また?」


 完全に警戒している声だった。


 その横でセラフィナが袋の中をちらりと覗き込み、にこりと微笑む。


「着替えさせるのが趣味なんですか?」


 穏やかな声だが、視線は明らかに冷たい。


 カナタは特に気にした様子もなく肩をすくめる。


「向こうの部屋で着替えて。着替え終わったら教えて」


 そう言って、部屋の奥にある扉を指差した。


 エステルは紙袋をじっと睨んだまま、疑いの目をカナタへ向ける。


「変な服じゃないでしょうね!」


 完全に信用していない声だった。


 カナタはにやりと笑う。


「もちろん常識的な範囲だよ」


 その言葉に、三人の表情はまったく信用していない顔のままだった。


 しかし罰ゲームである以上、拒否するわけにもいかない。三人は不満そうな顔をしたまま椅子から立ち上がる。紙袋を抱えたまま、そろって隣の部屋へ向かって歩いていった。

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