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最強チートで無双してるのに、美人で可愛くてスタイル抜群な三人のヒロインから“キモいセクハラ野郎”と罵られ続ける俺の異世界冒険記  作者: トワイライト
第1章 異世界転移&チート持ち──確かにハーレムだけど、想像してたやつと全然違った件

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第30話 超高級ホテル宿泊、そしてパーティ方針決定──ヒロインたちは当然不満

 冒険者ギルドの前の広場。夕方の通りにはまだ人の往来が多く、依頼を終えた冒険者たちの声があちこちで響いていた。


 約束通り三十分後、カナタはギルド前で三人の姿を見つける。リヴィア、エステル、セラフィナの三人もこちらに気づき、ゆっくりと歩いてきた。


「じゃあ行くか」


 カナタが軽い調子で言うと、そのままくるりと背を向けて歩き出す。三人も特に反対する様子もなく、その後ろをついて通りへ出た。


 夕方の街はまだ賑やかで、露店の呼び声や冒険者たちの笑い声が混ざり合っている。


「で、どこ行くの?」


 横を歩きながらエステルが聞く。腕を組んだまま、疑うような視線をカナタへ向けていた。


「グランド・ヴェルディア」


 カナタが何気なく答えた瞬間、エステルの足がぴたりと止まる。


「え!?」


 思わず声を上げ、慌ててカナタの隣へ追いつく。


「あんたそんなところに泊まってたの!?」


 信じられないものを見るような顔だった。グランド・ヴェルディアといえば、この街で一番高級だと言われているホテルだ。


 冒険者でも上位ランクの者しか泊まれない場所である。


 その反応を見ながら、カナタは肩をすくめる。


「そうだけど?」


 まるで特別なことでもないような口調だった。


 横で聞いていたリヴィアもわずかに目を細める。


「……あそこは確か……随分いいところに泊まってるのね」


「そうそう」


 カナタは軽く頷きながら続けた。


「今日からみんなもそこだよ」


 一瞬、三人の表情が止まる。次の瞬間、エステルの顔にぱっと明るさが浮かんだ。


「え、本当に!?」


 思わず声が弾む。しかしすぐに何かに気づいたように表情が引き締まった。


「でもあんたと同じ部屋じゃないでしょうね!?」


 エステルは疑いの目でカナタを睨みつける。


 カナタは即答した。


「分かってるって。二部屋取ってるよ」


 その言葉を聞いた瞬間、エステルの肩の力が一気に抜けた。


「よかったぁ……」


 露骨に安心した声だった。


 その様子を見て、リヴィアが小さく息を吐く。


「ほんとこの子は……」


 隣でセラフィナも穏やかな顔で頷いた。


「単純ですね」


 しばらく歩いた先で、四人の前に巨大な建物が姿を現した。


 石造りの外壁は夕方の光を受けて淡く輝き、整えられた広い入口には金属装飾の門が構えられている。

 

 上階へと伸びる建物はこの街の他の建物よりも明らかに背が高く、堂々とした存在感を放っていた。


「……でかいね」


 思わずリヴィアが呟く。普段は感情をあまり表に出さない彼女だが、さすがに少し目を見開いていた。


 その隣でセラフィナが静かに頷く。


「この街で一番大きなホテルです」


 落ち着いた声でそう言いながら、建物の上階を見上げた。エステルも口を半開きにして建物を見上げている。


「ほんとにここ……?」


「そうだよ」


 カナタは特に気にした様子もなく答え、そのまま入口へ向かって歩き出す。三人は一瞬顔を見合わせたが、結局その後をついていくしかなかった。


 扉をくぐると、外とはまた違う空気が広がる。


 高い天井からは大きな魔導照明が柔らかな光を落とし、床は磨き上げられた石で鏡のように光っていた。


 壁には落ち着いた色の装飾と絵画が並び、静かな音楽のように人の気配が流れている。


 エステルが思わず周囲を見回す。


「すご……」


 声は自然と小さくなっていた。


 リヴィアも歩きながら視線をゆっくりと動かし、ロビーの広さや装飾を静かに観察している。


 セラフィナも落ち着いた様子ではあるが、やはりどこか興味深そうに周囲を見ていた。


「こっち」


 カナタは慣れた様子でロビーを横切り、奥の設備へと向かう。そこには透明な壁で囲われた昇降装置が設置されていた。


 エステルが足を止める。


「……これなに?」


「魔導エレベーター」


 カナタがあっさり答え、扉を開けて中へ入る。三人も続いて乗り込むと、内部の床に刻まれた魔法陣が淡く光った。


 次の瞬間、体がふっと持ち上がるような感覚と共に装置が静かに動き出す。


「えっ……」


 エステルが思わず壁に手をつく。


「こんなのあるんだ……」


 窓越しにロビーがゆっくりと下がっていき、代わりに上階の廊下が近づいてくる。魔力で動く昇降装置は音もなく滑らかに上昇し、やがて四人を上階へと運んでいった。


 魔導エレベーターが静かに止まり、扉が開くと廊下が現れた。


 床には厚い絨毯が敷かれ、壁には落ち着いた色の照明が等間隔に灯っている。


 足音がほとんど響かない静かな通路を、カナタは迷いなく歩き出した。三人も後ろからついていく。


 しばらく進むと、カナタがある扉の前で立ち止まった。


「ここがみんなの部屋」


 あっさり言われた言葉に、三人が同時にその扉を見る。


 セラフィナが少し驚いたように首を傾げた。


「どうしてこんなによくしてくださるんですか?」


 そして少し困ったように続ける。


「私たち、まだ何もしてませんよ」


 まだ正式に何か働いたわけでもないのに、高級ホテルの部屋を用意されていることが不思議なのだろう。


 カナタは特に気にした様子もなく肩をすくめた。


「みんなと楽しく過ごしたいから」


 あまりにも軽い理由だった。


 その答えを聞いたリヴィアが小さく息を吐く。


「……変な人ね」


 呆れたような声だったが、特に強く否定するわけでもない。


 カナタはポケットから小さなカードを取り出すと、それを三人の前に差し出した。


「はいこれ。部屋のカードキー。これで扉開くから」


 セラフィナが受け取り、カードを軽く眺める。金属の縁がついた小さな板で、表面には魔法陣のような模様が刻まれていた。


 カナタはそのまま続ける。


「荷物置いたら俺の部屋に来て」


 そして親指で隣の扉を指す。


「隣が俺の部屋だから」


 その瞬間、エステルの表情が一気に険しくなった。


「なんで行かないといけないのよ!」


 腕を組みながら睨みつける。


 カナタはまったく気にした様子もなく答えた。


「これからのこと考えないと」


 パーティになった以上、今後の方針くらいは決めておく必要がある、という当たり前の理由である。


 エステルがまだ何か言い返そうと口を開きかけたが、その前にカナタは軽く手を振った。


「じゃ」


 それだけ言うと、隣の部屋の扉へ歩いていく。カードキーをかざすと扉が静かに開き、カナタはそのまま部屋の中へ消えていった。


 廊下には三人だけが残る。


 エステルがむっとした顔で扉を睨む。


「ほんと勝手なやつ……」


 そう呟きながらも、三人は結局、与えられた部屋の扉へと向き直った。


 それから少しして、カナタの部屋の前に三人の姿が現れた。


 セラフィナが軽くノックすると、すぐに中から声が返ってくる。


「どうぞ」


 扉を開けると、三人は順番に中へ入った。


「お邪魔します」


 部屋の中は思っていたよりも広く、落ち着いた色合いの家具が整然と配置されている。


 窓際には大きなソファーとテーブルが置かれ、壁際には棚や机がきちんと並び、床も埃一つないほど綺麗に整えられていた。高級ホテルらしく、上品で静かな空気が部屋全体に漂っている。


 その様子を見回しながら、リヴィアがぽつりと呟いた。


「意外と部屋はきれいなんだ」


 何気ない一言だったが、カナタはすぐに反応する。


「意外って何だよ意外って」


 少しむっとしたような顔で言い返す。


 するとセラフィナが穏やかな表情のまま続けた。


「もっと適当かと思ってました」


 丁寧な口調ではあるが、内容はなかなか遠慮がない。


 カナタは肩をすくめる。


「まあ魔法でちょいちょいとやれば」


 そう言って指を軽く振る。


「きれいになるからね」


 まるで掃除など大した手間ではないと言わんばかりの軽さだった。


 その瞬間、エステルの眉がぴくりと動く。


「それムカつく!」


 思わず声を上げ、腕を組みながらカナタを睨んだ。


 カナタはそんな反応を面白そうに見ながら、ソファーの方へ歩いていく。


「まあまあ、座りなよ」


 軽い調子でそう言い、カナタはテーブルの向こう側のソファーにどさっと腰を下ろした。


 三人も少し遅れて部屋の中央へ進み、ソファーへと視線を向ける。広い窓から夕方の光が差し込み、部屋の中は落ち着いた暖かい色に染まっていた。


 三人は窓際のソファーに腰を下ろした。


 広い部屋の中央に置かれた低いテーブルを囲むように、それぞれソファーに腰を下ろす。


 エステルは腕を組み、リヴィアは落ち着いた姿勢で座り、セラフィナは背筋を伸ばして静かにカナタの方を見ていた。


 カナタはテーブルに肘をつき、軽く手を叩く。


「さて」


 場を仕切るように口を開いた。


「これから俺達のパーティは冒険に行きます」


 その言葉が出た瞬間、エステルが即座に反応する。


「なんであんたが決めるのよ!」


 ソファーから身を乗り出し、勢いよくカナタを指差した。


 カナタは特に気にした様子もなく肩をすくめる。


「いや、だってさ」


 軽い口調で続けた。


「リヴィアは強くなりたいんでしょ?」


 リヴィアが無言でカナタを見る。否定はしない。


 カナタは次にエステルへ視線を向ける。


「エステルはお金が欲しい」


 エステルの眉がぴくりと動く。


「それは……そうだけど」


 少し悔しそうに答えた。


 カナタはそのままセラフィナを見る。


「セラフィナは、みんなと一緒にいたい」


 セラフィナは少し驚いたように目を瞬かせたが、小さく頷いた。


 カナタは両手を広げる。


「ほら」


 そしてさらっと言う。


「俺がパーティ入った時点で、もう全部叶ってるじゃん」


 一瞬、三人の表情が止まる。


 リヴィアは無言、エステルは眉をひそめ、セラフィナは微妙な顔をしていた。


 カナタはその様子を気にすることもなく話を続け、軽く指を立てる。


「だからさ……俺の目標も叶えないと」


 エステルが呆れたように聞き返す。


「……あんたの目標ってなによ」


 カナタはあっさりと言い切った。


「冒険に行きたい」


 そのあまりにも単純な理屈に、セラフィナが静かに口を開いた。


「どういう理屈ですか」


 丁寧な声だったが、完全に困惑している。


 数秒の沈黙が落ちる。


 そしてリヴィアが小さく息を吐いた。


「……やっぱりこいつは駄目かもね」


 冷静な結論だった。


 ソファーで、カナタだけが楽しそうに笑っていた。

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