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最強チートで無双してるのに、美人で可愛くてスタイル抜群な三人のヒロインから“キモいセクハラ野郎”と罵られ続ける俺の異世界冒険記  作者: トワイライト
第1章 異世界転移&チート持ち──確かにハーレムだけど、想像してたやつと全然違った件

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第24話 ネクロディアス踏破開始──チートで最恐ダンジョンを爆速攻略

 あれからしばらくの時間が経った。


 赤い絨毯の敷かれた長い廊下を、カナタは相変わらず宙に浮いたまま進み続けている。


 途中で何度かモンスターが現れたが、どれも大した敵ではなかった。


 半透明のゴーストや骸骨のようなアンデッドが突然現れては襲いかかってくるものの、カナタにとっては手を軽く振るだけで消し飛ぶ程度の相手ばかりだ。


 問題は敵ではなく、とにかく長い廊下そのものだった。


 進んでも進んでも同じような赤い絨毯の通路が続き、壁のろうそくがぼんやりと揺れているだけの景色が延々と続いている。まるで終わりのない迷路の中を歩いているようだった。


 カナタはしばらく無言で進んだあと、小さくため息をつく。


「……長すぎだろ」


 カナタがチートを使うと、視界の前に半透明のウィンドウが展開された。


 【DATA】

 攻略予測時間:2年3ヶ月


 表示された数字を見て、カナタは思わず眉をひそめた。


「いや、長すぎどころの話じゃないだろ」


 三日でSランクになる賭けを思い出す。二年三ヶ月など論外だ。普通の冒険者なら、それでもありえない速度かもしれないが、今の状況では話にならない。


 カナタは少し考えたあと、ふと思いついたように呟いた。


「マップを出して」


 するとウィンドウがすぐに反応し、視界の前に巨大な立体マップのような図が浮かび上がった。


 ネクロディアスダンジョンの内部構造が光の線で描かれ、廊下や部屋の位置が複雑に広がっているのが分かる。外から見たただの館とは比べ物にならないほど巨大な構造だった。


「やっぱり完全に異空間だな」


 カナタはマップを眺めながら続けて指示を出す。


「レアアイテムの場所と、強いモンスターのいる場所を表示して」


 するとマップの各所に小さな光が浮かび上がった。


 青い光、赤い光、金色の光。


 それぞれの場所が強調され、重要なポイントが一目で分かるようになっていく。


「なるほどね」


 カナタはその光る地点を見ながら、口元に軽く笑みを浮かべた。


「遠回りする必要はないってことか」


 そのとき、カナタの姿がふっと消え、一瞬のうちにまったく別の場所へと現れた。


 転移した先は広大な空間だった。天井の高さは先ほどの廊下とは比べものにならないほど高く、暗闇の奥へと消えている。


 床は黒い石でできた広場のようになっており、周囲には巨大な柱がいくつも並んでいた。まるで古代の神殿の中庭のような空間だ。


 カナタはゆっくりと周囲を見回す。


「ここがマーカーの場所か」


 その瞬間だった。


 広場の奥の暗闇の中で、何か巨大なものが動く。骨が擦れ合うような不気味な音が響き、次の瞬間、巨大な影がゆっくりと姿を現した。


「……うわ」


 カナタが思わず小さく呟く。


 現れたのは、骨だけで構成されたドラゴンだった。肉も皮もなく、巨大な白い骨格だけが組み上がった異様な姿。空洞の眼窩(がんか)の奥では、青白い炎のような光が揺れている。


 スケルトンドラゴン。


 その姿を確認すると、視界の前にウィンドウが展開された。


 【DATA】

 ▷ 名前:ネクロスケルトンドラゴン

 ▷ 種族:ネクロダンジョン生成ドラゴン

 ▷ ランク:測定不可

 ▷ 特徴:呪いのブレスを使用


 表示が終わるのとほぼ同時だった。


 ドラゴンの頭が大きく持ち上がり、口の奥に黒い霧のようなものが集まり始める。


「おいおい、いきなりそれかよ」


 ドラゴンの顎が開き、黒い霧状のブレスが広場全体を覆うように吐き出される。

 

 それは炎でも氷でもない。触れた生命そのものを蝕むような、禍々しい呪いの霧だった。


 普通の冒険者なら、もう死んでいた。


 カナタはそのブレスを見ながら、呆れたように呟く。


「何回も言うけど、こんなの普通の人間がどうやって攻略するんだよ。」


 カナタは軽く片手を持ち上げ、(てのひら)をドラゴンへ向ける。


「まあ俺には関係ないけどな」


 その瞬間、圧倒的な魔力が放たれた。


 空間が一瞬だけ震え、次の瞬間にはネクロスケルトンドラゴンの骨の体が粉々に砕け散る。巨大な骨の塊は抵抗する暇もなく崩れ、黒い広場の床にばらばらと散らばった。


 広場の中央の空間がふっと揺らぎ、黒い石の床の上にいくつもの物体が現れる。


「お、宝箱か」


 現れたのは金属で補強された重厚な宝箱だった。ひとつではない。三つ、四つと複数の宝箱が並び、まるで最初からそこに置かれていたかのように静かに存在している。


 カナタはそのうちの一つへ近づくと、特に警戒する様子もなく蓋を開けた。


 カナタの視界の前にウィンドウが展開される。


 【DATA】

 ▷ 名前:ネクロヴォイドスタッフ

 ▷ 種別:魔導杖

 ▷ 効果:空間魔法増幅


 宝箱の中には黒い杖が収められていた。柄の部分には複雑な魔法陣のような模様が刻まれ、先端には紫色の宝石が埋め込まれている。魔力が溢れ出ているのが感じられる、高位の魔導具だ。


 だがカナタはそれをちらりと見ただけで、あまり興味なさそうに呟く。


「まあ俺にはいらないか」


 そう言いながら、とりあえずアイテムだけは回収しておく。


 続いて隣の宝箱を開けると、再びウィンドウが浮かび上がった。


 【DATA】

 ▷ 名前:ネクロノクスグリモワール

 ▷ 種別:魔導書

 ▷ 効果:禁呪魔法の記録


 中に入っていたのは分厚い黒い本だった。表紙には見慣れない文字が刻まれており、ページの端からは微かに黒い魔力が滲み出ている。


「禁呪の魔導書か……物騒だな」


 カナタは軽く本をめくってみるが、すぐに閉じてインベントリーへ仕舞う。


 そして三つ目の宝箱を開ける。


 【DATA】

 ▷ 名前:ノクスリベレイター

 ▷ 種別:ブレスレット

 ▷ 効果:呪い耐性付与


 宝箱の中には黒銀色のブレスレットが入っていた。シンプルな装飾だが、表面には細かい紋様が刻まれており、淡い魔力が静かに流れているのが分かる。


「呪い耐性ね」


 カナタはそれも回収すると、再び空中に表示されているダンジョンマップへ視線を向けた。


 マップにはまだいくつもの光るマーカーが残っている。


「さて、次はどこに行こうかな」


 カナタがそう呟いた瞬間、姿がふっと消えた。


 そして再び現れた場所は、先ほどとはまったく違う空間だった。


 そこは広大な戦場のような場所だった。床は黒く乾いた石で覆われており、周囲には崩れた柱や割れた石壁の残骸が散乱している。


 まるで古代の戦場がそのままダンジョンの中に作られたような荒れた空間だ。


 カナタは宙に浮いたまま周囲を見回す。


「ここが次のマーカーか」


 その瞬間、広場の中央に立つ巨大な影がゆっくりと動いた。


「……でっか」


 そこに立っていたのは、黒い鎧をまとった巨大な騎士だった。身長は軽く十メートルはある。


 全身を覆う鎧の隙間からは黒い霧のような魔力が漏れ出し、兜の奥では青白い光が不気味に揺れていた。手には人間の体ほどもある巨大な剣が握られている。


 デスナイト。


 その姿を確認したとき、カナタの視界にウィンドウが展開された。


 【DATA】

 ▷ 名前:ネクロデスナイト

 ▷ 種族:ネクロダンジョン生成アンデッド騎士

 ▷ ランク:測定不可

 ▷ 特徴:死霊召喚能力


「また測定不可かよ」


 カナタがそう呟いた瞬間、ネクロデスナイトの周囲に黒い魔法陣が浮かび上がった。次の瞬間、地面から次々と影のようなモンスターが湧き出してくる。


 十体、二十体、三十体。


 瞬く間に大量のモンスターが周囲を埋め尽くした。


 視界の前にウィンドウが表示される。


 【DATA】

 ▷ 名前:モンスターA

 ▷ ランク:測定不可


「雑魚まで測定不可ってどういうダンジョンだよ……」


 カナタが呆れたように言ったその瞬間、ネクロデスナイトが巨大な剣を振り上げた。


 次の瞬間、剣が振り下ろされる。


 しかし刃は届いていない。


 空間そのものが裂けるように、五本の斬撃が一直線に飛んできた。


 普通の冒険者なら、その場で体が切り裂かれて終わりだろう。


 だがカナタの前で、その斬撃はぴたりと止まった。まるで見えない壁にぶつかったかのように、空中で弾かれて消える。


「まあ、このダンジョンならそれぐらいできるよな」


 カナタが軽く手を上げると、膨大な魔力が解き放たれた。


 周囲を埋め尽くしていたモンスターは一瞬で消し飛び、巨大なネクロデスナイトの鎧も同時に砕け散る。


 十メートルの巨体は抵抗する暇もなく崩れ落ち、戦場には再び静寂だけが残った。


 するとその場の空間がわずかに揺らぎ、黒い石の地面の上に宝箱がいくつか出現する。


「また宝箱か」


 カナタは軽くそう呟くと、順番に蓋を開け、中身をさっと回収していく。


「次行くか」


 カナタの姿がふっと消え、現れたのは、また別の広い空間だった。


 現れたモンスターを軽く片手で消し飛ばしながら、カナタは空中に表示されているダンジョンマップへ視線を向ける。


 マップの上にはまだいくつもの光るマーカーが残っていた。


「こういうの回ればいいんだな」


 そう呟くと、再びカナタの姿が消え、次のマーカー地点へテレポート。


 現れたモンスターを一撃で消し飛ばす。宝箱が出現する。中身をさっと回収。


 そしてまた転移。


 強いモンスターの出現。攻撃を受ける前に撃破。宝箱回収。


 さらに転移。


 同じような戦闘が続くが、どれも長くは続かない。ネクロディアスダンジョンのモンスターは確かに強力だった。


 普通の冒険者なら、相手にすることすらできない。だがカナタにとっては、ただの作業のようなものだった。


 転移。撃破。回収。


 転移。撃破。回収。


 その繰り返し。


 マップ上に表示されていた光るマーカーが、一つ、また一つと消えていく。


 ダンジョン攻略の速度は、最初とは比べ物にならないほど跳ね上がっていた。


 そして、最後に残っていた一つのマーカーへ、カナタはテレポートする。


 次の瞬間、目の前に巨大な扉が現れた。


 【DATA】

 ▷ 区域:最深部

 ▷ 内容:ボス部屋


 表示された内容を見て、カナタは少しだけ眉を上げた。


「もうボスか」


 そう呟きながら、カナタはゆっくりと巨大な扉の前に立つ。


 ネクロディアスダンジョン。


 その最深部だった。

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