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最強チートで無双してるのに、美人で可愛くてスタイル抜群な三人のヒロインから“キモいセクハラ野郎”と罵られ続ける俺の異世界冒険記  作者: トワイライト
第1章 異世界転移&チート持ち──確かにハーレムだけど、想像してたやつと全然違った件

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第21話 高級酒場で美人三人組と賭け──三日でSランクになればパーティ加入

 ダンジョンの入口から伸びる石畳の道を四人は歩いていた。


 探索を終えたばかりの体にはほどよい疲れが残っていたが、街へ戻る足取りは自然と軽い。


 やがて夕暮れの城門が見えてくる。


 帰還した冒険者や行商人の列に混ざって門をくぐると、街には料理の香りと酒場の笑い声が広がっていた。


 その賑やかな光景を眺めながら、カナタは満足そうに肩を回した。


「今日、楽しかったな」


 軽い調子でそう言うと、前を歩いていた三人の足がわずかに止まりかけた。


 そして次の瞬間、ほとんど同時に声が返ってくる。


「最悪よ!」


 エステルが勢いよく振り向き、眉を吊り上げたまま言い放つ。


「今日だけで十分です」


 セラフィナも淡々と続ける。声は穏やかだが、その言葉に含まれている意味はかなり冷たい。


 リヴィアは何も言わなかったが、ちらりとカナタを一瞥したあと、興味を失ったようにまた前を向いて歩き出した。


 あまりにも綺麗に否定され、カナタは一瞬だけ言葉を失う。


「え、そんな……」


 三人は特に気にする様子もなく、そのまま通りを進んでいく。


 契約の一日パーティはすでに終わり、あとは自然に解散するだけだ。


 そんな空気が三人の背中からはっきりと伝わってきていた。


 カナタは少し考えたあと、ふと思いついたように口を開く。


「じゃあ、最後に夜ご飯奢らせてよ」


 三人の足がぴたりと止まった。


 ゆっくり振り向いたエステルが、疑うような目でカナタを見る。


「まだ付き合わないといけないの?」


 その声にははっきりとした警戒が混じっていた。


 セラフィナも小さくため息をつく。


「……なぜそうなるんでしょうか」


 リヴィアは腕を組んだまま、何も言わずにカナタを見ている。


 三人の視線を一斉に受けながらも、カナタはどこか気楽な様子のまま肩をすくめた。


「いやいや、本当にこれで最後だから」


 三人の反応を探るように視線を順番に向けながら、続ける。


「今日一日付き合ってくれたお礼ってことで、飯くらい奢らせてよ」


 通りの向こうでは酒場の扉が開き、笑い声と音楽が流れ出していた。


 夕方の街はこれから夜に向けて一番賑わう時間だ。


 その空気の中で、三人はしばらく黙ったままカナタを見ていた。


 そしてエステルが小さく眉をひそめる。


「……本当にそれで終わり?」


 カナタは即座に頷いた。


「うん。これで本当に最後」


 そう言いながら、どこか期待したような笑みを浮かべる。


 三人はまだ完全には信用していない様子だったが、それでもその場で断るかどうか、わずかに迷っている空気が流れていた。


「いい高級酒場知ってるんだけどな……」


 カナタがわざと独り言のように呟いた言葉だった。


「……高級?」


 エステルの目がわずかに光る。


 カナタはそれを見て、心の中で小さく笑った。


 エステルは美味しい食事や甘い物、綺麗な店の雰囲気に弱いタイプで、

 それは昨日のレストランでもその反応ははっきりしていた。


 少しだけ興味を引かれた様子のエステルは腕を組みながらカナタを見る。


「……で?」


「いや、別に無理にとは言わないけど、

 街でも結構評判の店で、料理も酒もいいらしいんだよな」


 さりげなく情報を追加する。


 エステルの視線がほんの少し揺れた。


 その様子を見ていたリヴィアが、横から冷たい目を向ける。


「……エステル」


 その視線は明らかに「やめておけ」と言っていた。


 だがエステルは少しだけ唇を尖らせながら言う。


「なによ」


「本当にこれで終わりね!」


 カナタを睨みながら念を押すように言った。


 その言葉に、リヴィアは小さく息を吐く。

 完全に呆れている顔だった。


 セラフィナはそんな二人のやり取りを静かに見ていたが、やがて少しだけ眉を寄せる。


「……少し心配になってきました」


(よし、それじゃあ店探すか……)


 【SEARCH:ハイエンド酒場】

 ▷ 名称:蒼灯の酒場そうとうのさかば

 ▷ 場所:高級街エリア東端

 ▷ 推定所要時間:徒歩約4分

 ▷ 入店:可能


 カナタの目の前に、望んでいた高級酒場の検索結果が淡く光るウィンドウとして表示された。


(お、いい感じの場所あるんだな)


 カナタはウィンドウを閉じて、三人を見ながら言った。


「じゃあ行くか」


 三人は一瞬顔を見合わせる。


 そして結局、そのままカナタの後ろについて歩き出した。


 夕暮れの街の灯りの中を、四人は次の目的地へ向かって進んでいく。


 高級街の外れにある酒場「蒼灯の酒場」は、通りの喧騒から少し離れた場所に静かに佇んでいた。


 扉を開けると柔らかな灯りに照らされた落ち着いた空間が広がり、木の内装と上品な料理の香りが静かに漂っている。


 四人は奥の席へ案内され、やがて肉料理やシチュー、焼きたてのパンが運ばれてきた。


 エステルも最初こそ警戒していたが、一口食べると表情をわずかに変え、そのまま無言で食べ続けていた。


 そんな三人の様子を見ながらカナタは椅子に背を預け、思いついたように口を開く。


「なあ」


 三人の視線がわずかに上がる。


「みんななんで冒険者やってるの?」


 突然の質問で、一瞬だけ静かな間が生まれる。


 最初に口を開いたのはリヴィアだった。

 彼女は食事の手を止め、淡々とした声で言う。


「強くなりたいから」


 続いて、エステルが長い金髪を揺らしながら、フォークを持ったまま口を挟んだ。


「私はお金よ」


 最後にセラフィナがゆっくりと口を開く。


「私は……二人と一緒にいたいからです」


 穏やかな声だった。


 特別な理由を誇るような言い方でもなく、ただ当たり前のことを言うように続ける。


「この二人となら、どこへ行っても大丈夫だと思っていますから」


 リヴィアとエステルが一瞬だけ視線をそらす。


 カナタはその言葉を聞いて、少しだけ驚いたようにセラフィナを見る。


「セラフィナって本当にいい子だね……」


 思わず出た言葉でいつもの軽口ではなく、ただ素直にそう思っただけの言葉だった。


 しかし次の瞬間、セラフィナは表情を変えず淡々と言った。


「あなたに言われても何とも思いません」


 カナタは一瞬だけ苦笑しながら肩をすくめた。


「でもさ、もし俺がこのパーティに入ったら、みんなの目的ってわりと簡単に叶えられると思うんだよな」


 三人の視線が一斉にカナタへ向いた。


「強くなるのも、金を稼ぐのも、パーティで動くのも俺がいれば早いと思うけど」


 カナタは特に自慢するでもなく言う。


 その言葉を聞いて、エステルがすぐに眉をひそめた。


「何でもいいって訳じゃないの。

 あんたといるとストレスでマイナスになるわ!」


 エステルは腕を組んだまま、はっきりと言い切った。


 リヴィアも食事をしながら静かに頷き、セラフィナも静かに言葉を添える。


「……同感です。残念ですが、その評価は変わりません」


 三人の答えは完全に一致していた。


 カナタは一瞬だけ言葉を失い、天井を見上げる。


(なんで俺の評価はこんなに低いんだ……?)


 * * *


 食事もある程度進み、テーブルの上の皿が少しずつ空になり始めた頃だった。

 落ち着いた酒場の空気の中で、カナタはふと何かを思いついたように口を開いた。


「最後に賭けしよう」


 その一言で、三人の視線が同時にカナタへ向く。


「しない」


 エステルが即答し、リヴィアも静かに頷く。


 セラフィナも落ち着いた声で続けた。


「その提案に付き合う理由がありません」


 三人とも完全に拒否する気だった。

 だがカナタは特に気にした様子もなく、いつものように続ける。


「俺が三日でSランクになったら、このパーティに入れてよ。

 無理だったら……みんなの願いごと一つ、何でも叶える」


 一瞬だけ空気が止まった。


「……は?」


 エステルが一瞬固まる。


「三日で!? あんた今Fランクよね!?」


 エステルは腕を組んだまま考え込む。

 どう見ても無理な条件だが、願いごとを何でも一つ叶えるという言葉が頭の中で引っかかる。


 その様子を見て、リヴィアが低く言う。


「エステル、やめなさい」


 セラフィナも静かに続けた。


「関わらない方が賢明です」


 だがエステルはしばらく黙ったあと、ふっと鼻で笑った。


「いいわ! その賭け、乗った!」


 リヴィアとセラフィナの視線が一斉にエステルへ向いた。


「エステル……」


「……責任はあなたが取ってくださいね」


 二人は完全に他人事の顔で、エステルはすぐに反論する。


「ちょっと待ってよ! 二人とも本気でこいつがSランクになれると思ってるの?」


 店内の灯りの下で、カナタはどこか楽しそうにそのやり取りを眺めていた。


 食事を終え、四人は酒場「蒼灯の酒場」を出た。


 外に出ると、すでに夜の空気が街を包んでいる。


「じゃあ三日後、また会いに行くから」


 その言葉を聞いた瞬間、エステルが思いきり顔をしかめた。


「本気でやる気なの?」


「うん」


 カナタは迷いなく頷く。


 エステルは一瞬だけカナタの顔を見て、それから鼻で笑った。


「じゃあさ、100億円用意して来てね!」


 エステルはどこか冗談半分の声で言う。


 三日でSランクなど、普通の冒険者なら絶対に不可能だ。


 リヴィアもセラフィナも特に否定はしない。二人とも同じことを思っていた。


 ――どうせ無理だ。


 だがカナタだけは違った。


(まあ、チートがあるし。どうせなんとかなるだろ)


 夜の街の灯りの中、四人はそこで別れ、それぞれ別の方向へ歩き出した。

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