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自称普通の高校生はぶっ放す

 魔物の大量発生(スタンピード)が始まって既に四時間程。

 現場はひどい状況になっていた。

 外壁の上から見える景色は黒い海だ。

 それは魔物であったり、血溜まりであったり、緑が見えない。

 本来足元に生えている草が全く見えない。


 血臭と腐敗した臭いが充満して直ぐに鼻が麻痺してしまった。


 あちこちに魔術の破壊音と、魔物のうめき声、怪我をした人の悲痛な叫びと武器の打ち付ける音。

 前世の魔物の大量発生(スタンピード)がそこにあった。



 「さてと……」



 ここから更に遠く、魔法をぶっ放しても味方に被害が及ばないであろう場所目掛けて魔法を打ち込む。


 後から気が付いたのだが、日本にはマナが非常に少なく、幼い頃から微々たるマナを運用して小さな魔法を使ってきた俺の魔力操作の技術は俺が思っている以上に上達していて、マナが非常に潤沢なこの世界で同じように魔法を使えばどうなるか。



 結果、自分でも驚きの結果。




 ズガァァァァン!



 自分が予測していた規模以上の魔法が発動された。

 魔術師複数人で発動している複合魔術よりもデカイ火柱が上がっている。

 魔法をぶっ放した本人もビックリだ。ちょっとチビッた。


 しかし、これは行けるかも知れない。

 まだまだ終わりなんて見えないけれど、高い場所から遠くの方へ魔法をガンガン打ち込むだけの簡単なお仕事だ。

 もっと更に遠くへ、より強烈に、全力で魔法をぶち込んでやる!



「俺にプロポーズされたい、素敵な女性はいね゛ぇがぁぁぁっ!」



 たまに佐藤さんの声っぽい頭のおかしい雄叫びが聞こえるけど、生存報告だと思っておくことにしよう。

 魔物の死臭が立ち込める場所で出会った女性と永久の幸せを掴めることを願おう。

 そんなことより、魔法をぶちかます!




 ゴブリン、コボルト、オーク、オーガ、トロール等の二足歩行タイプの魔物。

 ワーム、アント、コックローチ、キラーマンティス、スパイダー等の虫タイプの魔物。

 ボア、ガゼル、ウルフ、ベア、リザード、ドラゴンなんかの四足歩行タイプの魔物。

 様々な種類の魔物が北の森からプッタの街目掛けて行進してくる。

 それをひたすら黙々と、淡々と魔法を打ち込み数を減らしていく。

 砂漠の砂を片手サイズのスコップで取り除いていくような気が遠くなる作業のようだ。


 しかし、魔物の大量発生(スタンピード)も無限ではない。

 いつかは終わる。ただその終わりが果てしなく遠いだけだ。

 根比べ、苦行だ。作業ゲーだ。


 俺が魔法を全力で打ち込み始めてから時間の感覚が曖昧になっていてどれほどの時間が立ったのか解らない。

 最初は無軌道に、思うがまま動いていた冒険者たちの動きもいつの間にか規則性が出てきて順番に休息を取りながら対応している。

 そうだよな。前線で魔物と相対している人達の体力も無限じゃないからキツイよな。

 魔法をただ打ち込み続ける作業と化してきたことで俺の意識も少しそれていたのかも知れない。



 !



 急に北の森から巨大なプレッシャーを持つ何かが現れた。

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