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自称普通の高校生は食堂を始める

 家に住み始めてから半月が経った。

 近所付き合いも程々に上手く行っていると思う。

 最初は奇異の目で見られていたネコだったが、毎朝、隣近所の玄関まで掃き掃除をさせて、顔を合わせれば挨拶を徹底させた結果だ。

 最近では挨拶も返してもらえ、少しだけ話したりするようになったみたいだ。天気の話は鉄板だな。




「タロウさんは食堂とか始める気は無いのですか?」

 アーキンドゥさんに今月の支払いを渡しに行った時にこんなことを聞かれた。

 はて?と思ったが、どうやら毎日、朝昼晩と自炊しているのだが、その料理の匂いが隣近所まで行き渡り興味を持たれているらしい。

 それと、最初はガリガリだったネコも半月の内に少しふっくらとしてきたのも興味を持たれているみたいだ。



 食堂か……

 この世界で出される料理と比べても俺の作る料理のほうが絶対美味いって自身はあるけれども、これを仕事と考えたらまた少し違ってくるような気がする。

 忘れがちになってしまうのだが、俺は普通の高校生だ。

 家を買って、毎月の支払い金貨二十枚(日本円で約二十万円)を稼ぐために毎日山へ森へと入り狩りをして獲物を仕留めて、その場で解体して、捌いて素材をアーキンドゥ商店に卸しているごくごく普通の高校生だ。

 そんな普通の高校生が食堂を経営する。ハードルが高すぎる気がする。


 それと大事なことなんだが、食堂を経営してしまうと狩りに行く時間が今以上に厳しくなる。

 これでは本末転倒のような気がする。




 そんな不安をアーキンドゥさんに相談してみる。


「なるほど、なるほど、それは難しい所ですよね。素材が入荷出来なくなるのは私も困りますからね」


 うんうんと頷きながらアーキンドゥさんも考え込む。ただ、「いや、それでも私も食べてみたい」とか小声でつぶやいて居なかったらもっと良かったと思う。


「一日フルに営業するのではなく、試験的に時間を限定させて営業するのはどうでしょう?」


 アーキンドゥさんの提案に否定は無く、時間限定でお試し感覚で食堂をやってみることになった。




 さぁ、食堂オープンするぞ!って言って直ぐにオープン出来るわけじゃない。

 店舗スペースはあるものの、飲食スペースの掃除はしているものの、テーブルとイスが無い。

 食器もない。ナイフやらフォークやらも無い。

 つまりは、全然オープン出来る状況ですら無い。


 この世界の食堂はメニューなんて選択肢は無く、その日の日替わり定食っぽいものオンリーだ。

 なので、作る分には非常に楽だと思う。

 配膳なんかはネコがいるのでコイツにやらせてもいいだろう。

 もし、獣人がどうとか言うやつはお引き取り願えばいい。あくまでお試しでの営業だからね。

 ご近所さんとの付き合いが上手く行けばそれだけで成功とも言えるんだし。



 オープンを一週間後に決めて、店の内装を揃えるべく俺とネコは動き始めた。

 て、言っても買ってきて配置するだけなんだけどね。

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