中島
「お供え出来る物なんて、持って無いな。ごめんなさい。明日は、美味しい果物をお供えします。」
手を合わせて挨拶を済ませると、ひゅぅーっと風が通り過ぎて行った。
「あはは、これは毎日参拝しないとだね。」
「ねぇクロ、もう少しこの島を歩いてみようよ。」
エゾマツやブナの木、ポプラにイチョウの木もあって、まるで北海道の神社に居るようだな。リスがドングリを頬張りながら僕達を見ていた。
それ程大きな島ではなかったので、すぐに一周して祠まで戻って来た。
「あはは、……うんうん……」
クロは高いポプラの枝の上で一匹のカラスと何やら話しているようだ。
ふと祠を見ると白いキツネがこちらを見ていた。僕が気付いた事で満足したのか、頷く様な仕草の後、山の方に消えていった。
「この祠の神様かな?」
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「アック、なかなか面白い所だね。」
「カラスと何を話していたの?」
「あはは。いや、あの子達ね、迷い人らしいんだよ。」
「迷い人って何なのさ。」
「地球の魂がね、この星に共鳴して引き寄せられる事があるんだ。神さまが連れて来る事もあるんだけど、あの子達は気が付けばこの迷宮に居たんだって。」
「帰りたくて、困ってるってことかい?」
「いやいや、そうでもない。素晴らしい所だと言っていたからね。」
「そうなんだ。」
「そのうちアックも話をしてみるといいよ。」
「僕にはカラスの言葉は分からないよ?」
「あはは、これは良い修練が出来そうだ。さてさて、そろそろ帰るとしよう。」
数匹のカラスが鳴いているけれど、やはり『カーカー』としか聞こえない。カラス語は難しそうだな。




