魔法なの?
「ふぁっ、はぁーくしょん!!」
「にしし、おはようアック。」
鼻がムズムズする。目を開けるとフサフサした尻尾がドアップで揺れていた。
「随分うなされていたからさ、起こしてあげたんだよ?」
「ふぁ〜っくしゅん!!」
「あははは!」
枕も布団も、そして顔じゅうにクロの毛が積もっている。
「これ面白いんだよ!見て!」
クロが尻尾を一振するとふわぁーと毛が舞い上がる。どうやら抜け毛ではなくて、魔法?
「ふわぁーくしょん!分かったよ!分かったからもうやめてー!」
「あはは!」
外の小川で顔を洗って部屋に戻ると、クロの毛で悲惨になっていた室内は綺麗な状態に戻っていた。
「あれって、魔法なの?」
「魔法ね〜。う~ん…想いが実現したのかな?魔法もあるけどね、あれは違うな。」
「へぇ、魔法じゃないんだ。」
「うんうん。それよりさ、さっき神さまに怒られちゃった!」
「え?なんで?」
「アック、夢で迷子になったでしょ?『ちゃんとここの事をアックに教えてあげなさい。』ってさ!」
「そんなに大変な事だったの?」
「神さまはいつも見てくれてるし、オレも居るから大丈夫なんだけどね。アックに分かり易く説明すると、闇堕ちかな?」
「深淵の迷宮はね、ブルーローズの中で5次元・6次元の体験をする為に作られたんだ。または意図して霊性を下げる時にも使われる。」
「でも、厄介なのは迷宮に囚われてしまう事。助け出すのは簡単なんだけど、見つけ出すのが大変なんだよ。そこで大事なのが自分を存在させる事。自分はここに居ると認識する事。自分の場所、位置が大事!」
「良く分からないけど、どうしたら良いんだい?」
「先ずは、神さまやオレとの繋がりを感じられる様になる事だね。そうすればお互いに繋がりを辿れるから。」




