泥棒猫
我々はこの計画に数ヶ月を費やした。
何度も計画の細部までシミュレーションして欠陥を洗い出し、この達成困難な作戦を実現可能なまでに仕上げたのだ。
失敗は許されなかった。
そしていよいよ決行の時、同志たちは最後の盃を交わす。
「いよいよだな。」
「ああ、必ず成功させる。今日こそ我々の悲願を成就させるのだ!」
「……行くぞ。」
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「コードネーム クロ位置に着いた。オーバー」
「コードネーム 達丸位置に着いた。オーバー」
「コードネーム クロ。オールグリーン。オーバー」
「コードネーム 達丸。対象にポン太接近!プランCに作戦を変更する。オーバー」
「コードネーム クロ。対象まで距離5メートル。指示を待つ。オーバー」
「コードネーム 達丸。パターンE発生!パターンE発生!」
「…これよりパターンZに移行する!!」
「なに!?無茶だ!!死ぬ気か!?」
クロは一気に対象との距離を詰めた。
「確保!!」
『そこまでよ!』
「クソ!罠か!?」
「クロ!アックを連れて逃げるんだ!」
達丸はことちゃんに決死の体当たりを仕掛ける。
『無駄よ!』
「ガッ!!!……ア…ック……。」
稲妻が部屋中に走り、達丸は直撃を喰らって崩れ落ちた。
その一瞬の隙に、クロはアックを抱えて庭へと駆け出す。
『小癪な!』
ことちゃんは稲妻を槍の様に構えて、クロに投げる。
クロは咄嗟に跳び上がってそれを回避するが、アックを抱えていた左腕をやられた。
景色がスローモーションの様に流れ、アックはクロの手から弾かれる。
ゆっくりと、ゆっくりと…でも誰も間に合わなかった。
…チャッポン…
アックは、神さまの水鏡に落ちて…消えた。
『「「 あ… 」」』
「なんじゃ!騒々しい!!」
騒ぎを聞いておばあちゃんが駆け付けた時には、水鏡は既に揺らめいて消えてしまっていた。
やけに月の青い、冬のある夜の出来事であった。




