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母がいない間だけ、幼馴染が俺の料理を食べに来る  作者: bonta
近いようで、遠い距離

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69/80

ゲームセンターでの一時

 音楽ゲームの音が鳴り響く、駅近くのゲームセンター。クレーンゲームやメダルゲーム等の人気エリアをすり抜けて、ビデオゲームコーナーの一角に向かう。


「ゲーセンには来たりするの?」

「いや、基本家でしかやらないな」

 慣れている私と違い、脇阪くんの方はあまりこういう場所にはこないらしい。少しだけ勝った気分だ。


「私はたまに来るかな。好きなキャラのフィギュア取りに来たり、電車待ってる時の暇つぶしに来たりするね」

「なるほどな、実際取れんの?」

 お?オタクだって引いたりしないのか。理解があって助かるね。


「あんまり得意じゃないから、取れない時もあるのさ、そういう時は涙を飲んで帰るのさ⋯⋯ほら、あれとか結構お金使ったのに取れなかったんだよね⋯⋯」

 我が高校が基本バイト禁止じゃなければ、バイトでもして稼ぐというのに。融通が利かないよね!


「学業に支障がない範囲ならバイトは出来る筈だぞ」

 ⋯⋯それはそう。実は成績が一定値を超えていれば、バイトは出来るシステムである。


「それって、私にとっては実質の禁止じゃん?」

 融通が利かないよね!私達のようなお馬鹿さんはバイト禁止でしょ!?


「勉強を頑張る選択肢はないのかよ⋯⋯」

 脇阪くんが呆れた表情をしている。勉強は頑張りたくないけど、お金は欲しい!

「だから今回は頑張ろうと思ってね!成績上がれば先生からバイト許可も下りるでしょ!」

「動機が不純すぎないか?」

 いやいや、こんな考えの子なんていくらでもいると思うけど?黙ってバイトしてないだけでも褒めてほしいレベル。


「バイト出来るようになったら、ゲーセンでバイトも良いかもね。その時は遊びに来てよ。一緒に格ゲーしよう」

「バイト中に遊ぼうとするな」

 いやいや、女子高生の店員さんが対戦してくれるって需要ありそうじゃない?なんか儲かりそう!


「よし、対戦しよっか!脇阪くん、鞄返して」

 話を一旦切り上げて、脇阪くんから鞄を渡してもらう。そこから取り出したるは、マイゲームパッドである。


「おいおい、コントローラー持ち歩いてんのか?」

 今度は 少し驚いた表情をしているけど、パッドは軽いからね、持ってるとこういう時に便利なのだ。

「やる気あるでしょ?」

「褒めて良いのか分からんな⋯⋯」


「さあ!勝負と行こうか!私が勝ったら何してもらおっかなぁ?」

「戦う前から勝った気でいるのか?三流だな」

 そうして対面の台に脇阪くんが座る。何を言われようが問題ない。私はこのゲームを自慢できるレベルではやり込んでいるのだ。最高ランクは一番上のランクから四番目のハイマスター!負ける訳には行かない!


 小銭を入れ、画面に目を向ける。目の前にはチャレンジャーの文字。さぁ、ここから始まるのは一方的な蹂躙だ!!


『Are you OK?』

 掛け声とともに残り少ないヒットポイントが吹き飛ぶ。左上を見ると、相手を無傷で倒したときに起きるパーフェクトKOの文字。つまり圧勝だった。


「フッ⋯⋯こんなもんですか」

「いや、負けてるのお前なんだけど」

 ⋯⋯言い方を変えねばならない。吹き飛んだのは私のキャラである。つまり惨敗という事である!まぁ始まる前の展開として、こうなるような気も多少していたけども!


「いやいや!おかしいってこれ!私結構このゲームやってるんだけど!?」

 最初のうちは、ラウンドの取って取られての繰り返し、一方的な展開はなかったのに。


「そう言われても、俺もやってるからな」

 五戦ほどやっていたら、もはやボコボコだ。甘えた行動は全て返され、暴れのタイミングは全て読まれ、最終的には処理である。


「嗜む程度だって言ってたじゃん!最高ランクは!?」

「アルマスだけど⋯⋯」

 アルティメットマスター。私の最高ランクのハイマスターの更に二つ上のランク。上位5パーセントに入るレベルである。


「それで嗜んでるって言うのは嘘じゃん!詐欺師だ詐欺師!」

「そんな事言われてもな、これくらいやってれば⋯⋯」

 そう話していたら、脇阪くんは何かハッとしたように口を紡ぐ。


「どうしたの?」

「いや、これくらい普通っていうのは、俺の感性だと思ってな。前にこれで注意されたんだよ。俺の普通は、ちょっとズレてるらしい」

「それはそう!アルマスって凄い事なのに、大した事ないって言われるとちょっと腹立つ!」

 教えてくれた子に感謝しておこう。


「ちなみに教えてくれたその子が実は夏希だったりして?」

 茶化すつもりで聞いたんだけど。


「⋯⋯⋯まぁ、そうだな」

「ふーーん?そうなんだぁ、へぇー」

 それはそれは、なんとも素敵な展開ですなぁ。


「何が言いたいんだよ?」

「べっつにー?夏希は脇阪くんの事ちゃんと見てるなって思ってさ」

「それについては俺も思う。あいつの観察眼凄いよな」

 いやぁ、私的には、脇阪くんにだけだと思うけどなぁ?


「ニヤつくな気持ち悪い。それと、もう辞めとくか?」

 おっと表情に出てたか、カプ厨としてはこの展開だけでかなり満足だけど⋯⋯


「負けっぱなしじゃ終われないよね!もうちょっとやらせてよ!」

 ゲーマーとしては、このままじゃ終われないよね!百円を筐体に入れて、今度は自分がチャレンジャーとして画面を見る。


「ほう、良い意気込みだな」

「あ、キャラは変えてね!メインキャラには勝てないから!」

「急にダサいなお前⋯⋯」

 一時間だけ、そう考えていたけど、この時間はもう少し長くなりそうだった。

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