第22話 白銀の騎士団とともに➁出陣
先程投稿した第22話に、謝って第21話の内容を掲載してしまいました。現在は正しい内容に修正いたしました。
読んでいて「あれ?」と思われた方がいらっしゃいましたら、大変失礼いたしました。あらためて、第22話をよろしくお願いします。
城内広場には、すでに精鋭十騎が整列を始めていた。石畳を打つ蹄の音が、低く響く。
まだ来ないレイのことが心配で、私は何度も城へと目をやる。
そこへ、ようやく待ち人が姿を現した。
腰に剣を携えて、白と青の騎士団服に身を包み、手袋を引き上げながら石の階段を駆け下りてくる。その足取りに迷いはなかった。
まっすぐに澱みなくこちらへ向かってくる彼の姿は、かっこよくて眩しい。
こんなときにもつい見とれてしまう。
久しぶりに見る、彼の白い騎士の姿。
用心棒の黒い暗殺者風もいいけど、やっぱり白い隊服が、風になびく銀の髪とコバルトブルーの瞳によく似合う。
朝の光を浴びて、凛としたその姿は、めちゃくちゃかっこよすぎて、感激で泣いちゃいそう……
ああ……眼福です。
久しぶりにオタクの血が騒いでしまった。
「お待たせ、ミツキ」
……気の利いた言葉が出てこない。
「ん?なんか、ミツキ、顔が緩んでない?」
「え"?」
思わずオタクの喜びが滲み出てしまったかも!慌てて両手で頬を隠す。
レイはニコッと笑って、私の頭をぽんぽんとする。
ん?なんで、このタイミングで頭ぽんぽん?
「まあ、ミツキはそれくらい“ぽよっ”てしてくれてるほうがいいけど」
「は?ぽよ!? 何、それっ」
「こっちの緊張が抜けていいってこと」
そう言って笑った彼は、ふたたび頭をぽんぽんとした。
「これは俺へのお守り」
「は?」
そう言って、彼はソラのほうへと真剣な顔を見せる。まあ、レイがそれで満足してるならいいけど。
「待たせて悪かった」
「いや」
そう短く答えたソラの隣には、白銀の騎士団長が腕組みをして立っていた。三十歳ちょい上で、ガタイのいい大人の男って感じの人。ちょっと強面で声が大きい。
名前はアルベルト=ルドヴィク。左目の上にある、横一文字に引き攣れた古い傷が印象的だ。
ソラは十五歳と若いけれど、この騎士団の副団長の一人だそうだ。もう一人の副団長は、すでに討伐へ向かっている。
「おう、ソラ。こいつが、お前がスカウトしてきたっていう凄腕の兄ちゃんかぁ?」
うわっ、何かといろいろとツッコミどころが……レイ、大丈夫かな!?
レイは涼やかな目で、軽く頭を下げた。
「よろしく頼む」
騎士団長は、レイに顔を近づけて、じぃーっと見る。
顎をさすりながら、何か考えているようだ。
「おまえ……どこかで見たことある顔だな」
でしょうねっ!その人、この王国の近衛騎士団長なんですからぁ~
「まあ、よくある顔ですから」
レイは素知らぬ顔でしれっと言った。
「んなわけあるかっ」
騎士団長は大きな声で即返した。
ですよねー!そんな顔面偏差値高スペックな顔は、そのへんゴロゴロ転がってないです!
「まあ、いいさ。辛口のソラが認めてるんだ。期待しているぜ」
そう言うと騎士団長は踵を返し、先頭の馬にひらりと跨る。
それを合図に、みなそれぞれの馬に続いていく。
もちろん、私も馬に跨る。前にレイに教えてもらっていたから、もうバッチリ一人で乗れる。前回は、大きな鹿の背にも乗って、森の中をハイスピードで駆け抜けたもんね。
私の後ろにレイの馬がつく。彼が傍にいてくれるだけで、心強い。
そして、団長が高らかに声を上げた。
「さあ、お前ら出るぞ。遅れるな!」
「応ッ!」
それを合図に重たい軋みとともに、城門が開く。
蹄が石畳を打ち、精鋭十騎が跳ね橋を一気に駆け抜けた。




