VS勇斗
21
あれは天使の力でも纏っているのか?これが勇斗が凛を見たときに思った正直な感想だ。
そして同時に凛の力が今までのものとは段違いに強くなっているのを感じていた。
「…すごいな。2人ともそこまでの力を身に着けてるとは思わなかった。これは出し惜しみはしていられないかもな。」
そう言いながらも勇斗の顔は笑顔だった。
この笑顔が2人(3人)には不敵な笑みに見えていたのは言うまでもない。
凛と玲子が攻撃の構えを取ると勇斗も腰から剣を抜いた。
そこから数秒間の空白の時間があった。
その静寂を破ったのは玲子だった。
玲子が両手を勇斗に向ける。右手からは雷撃、左手からは炎球が放たれる。
勇斗はそれを右手の剣を床に付け、左手を前に出すだけでかき消した。
凛も黙ってみていたわけではない。玲子が攻撃している間に勇斗の左側に回り込んでいた。
そして玲子に気がとられている隙に勇斗に向かって風の刃を放つ。
勇斗は少し表情を強張らせると、玲子に向けていた左手を凛に向けて振り払った。
それだけで風の刃は消える。
「この攻撃でも傷一つ付けられないなんて…」
凛の言ったことは自分を過大評価していたわけではなかった。
凛と玲子の二人が放った攻撃はそれぞれ今まで戦った相手に使った技の威力を上回る威力
だった。
しかし、現に勇斗はそれを左手を前に出し振り払うだけで消してしまっている。
この攻防だけでも勇斗の実力が自分たちを遥かに上回っていることは理解できていた。
「…でもここであきらめるわけにはいかないのよ!」
玲子はさきほどよりも強い雷撃と炎球を立て続けに勇斗にはなった。たとえ勇斗の方が実力が上だとしてもこれだけ技を受け続ければ少しでも隙ができると考えたからだ。
そしてこの考え方は間違ってはいなかった。勇斗は玲子の攻撃を左手で受け続けている。その間に凛は勇斗の背後に回ることが出来た。
勇斗の背後で凛はさらに新たな技を繰り出した。
部屋全体が黒で覆い尽くされる。そして無数の光の点が現れ点という点から光線が勇斗に向けて放たれる。
流星光線。無数の光の光線で相手を焼き尽くすこの技もアースの一つだ。
しかし、勇斗には傷一つついていなかった。さすがに左手だけでは受けきれずに右手の剣を床に突き刺し、両腕を広げて透明な球状の壁で防いでいる。
流星光線が防がれるのは凛には予測済みだった。流星光線は全方位技だ。わざわざ相手の背後に回る必要はない。それなのに凛が勇斗の背後に回ったのは流星光線を防いでる時間に次の技をためるためだった。
凛が両手を前にだす。凛の両手には目には見えないが無数の分子が集まっていた。
流星光線を受けきったため守りを解除した勇斗は正面に玲子がいないことに気が付いた。そして背後に高エネルギーがあることを感じ振り返った。それと同時に凛の手から無数の分子がエネルギーに変換されて勇斗に放たれる。
分子解放。無数の分子をエネルギーに変換し直線上に放つ。その威力はE= M(質量)×c(光速)²にもなる。
桁違いのエネルギーが勇斗に向かって襲い掛かる。
勇斗は咄嗟に両手を前に出そうとしたが間に合わず分子解放をまともに食らった。




