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Return Common ~普通に戻るために~  作者: supak (maluco)
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17/22

2人と1人

19

「玲子、本当にこっちなの?」

「ええ、こっちよ。」

凛が不思議に思ったのは風上を倒したあと玲子が道を迷うことなく進んでいたからだ――ただ一直線に目的の場所に向かうかのごとく――

「何を感じてるの?」

「わからない。でもこっちに行けって言われているような気がするの。」

2人は白く重々しい扉の前にたどり着いた。

すると扉は2人を歓迎するようにゆっくりと開いた。


「やっぱり玲子、凛。君たちか。」

「まさかあなたがそっち側の人間になっているとは思わなかったわ。」

始めの言葉は目を瞑ったままの勇斗、それに返答したのは玲子。

「な、なんで!?なんで勇斗が解放軍の味方なんてしてるの!?」

その言葉を聞いた勇斗はゆっくりと目を開けた。

「どうしてだろうね。僕もあの時殺されると思ってたから、今生きてるのが不思議で仕方がないよ。」

「それで、相手が私たちだからって通してくれるわけじゃないのよね?」

「そうだね。ここは通せないかな。」

「…そう!」

玲子はその言葉を聞くと雷帝を顕現させた。

「それが風上を倒した玲子の新しい力か。」

「ええ、あなたが失った帝のブレスレットの力よ。」

「ほう。どうして僕が炎帝のブレスレットをなくしたことを知ってるのかな?」

「それはこういうことよ!」

玲子は勢いよく左腕を振った。するとそこにあったのは炎帝のブレスレットだった。

「なるほど。僕から去ってどこに行ったかと思てたけど玲子の元に行ったのか、フレア。」

炎のブレスレットが光り、そこから赤く長い髪の少女が現れた。

「あぁ、さすがマスターだな。教えてもいないのに私の名前を知っているってことは無帝にアクセスして無事に意識を戻せたのか。」

「あぁ、そうだ。」

「ということは私の今より強いってことだよね?」

「あぁ、今のままだと全く歯が立たないだろうな。」

「なら仕方がないね。」

玲子は両手のブレスレットに力を込めた。

「ん?」

勇斗が不思議そうに見ているのに対してフレアはゆっくりと消えながら笑っていた。

玲子の体は炎に包まれ、その炎の周りを雷が覆った。

その炎と雷が消えるとそこにいたのは雷と炎の顕現を纏った玲子だった。

「なんと、顕現をふたつ纏うとは、さすが玲子だな。」

勇斗の表情にはかなりの余裕が見て取れた。

「なら俺も帝を超える力を見せよう。」

勇斗は両手を広げた。その両手からは透明の球体が出現しみるみる大きくなっていき、勇斗の体を包み込み眩い光を発した。


20

眩い光が消えるとそこにいたのは裾が膝の長さまである漆黒のコートを羽織り金の環を両腕につけている勇斗だった。そしてその腰には片手剣があった。

「準備できたよ。」

今まで目をつぶっていた勇斗が目をパッと開いた。

途端に衝撃波が部屋全体に広がった。

「うっ…」

玲子と凛は咄嗟に腕で顔をかばった。そして凛が言う。

「なにあれ…」

「それは、まさかエンペラーフォームなのか?」

「その通りだよフレア。」

勇斗は口元がほほ笑んでいた。

「まさかエンペラーフォームをコントロールできるとはな…」

「どういうこと?」

これを言ったのは玲子。

「エンペラーフォームは顕現のさらに上の状態だ。顕現が纏うだけなのに対してエンペラーフォームは帝を自分に上乗せする。つまり使用者が帝の力に耐えられなければ帝に体ごと持っていかれる。ちなみに私は今まで成功しているのを見たことがなかった。」

「そんな…私の2顕現より強いってこと?」

フレアは「うーん」と少し考えて言った。

「おそらく玲子一人なら勝てないかもな。」

「なら私もいたらどうかな?」

後ろから凛が出てきてイザヴェルを発動した。

それには勇斗も驚いた様子だった。



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