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最弱雷属性?触れたら詰むんだが?〜接触特化で最強になった俺、近づいた瞬間に全てを終わらせます〜  作者: ゆる弥


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8.初依頼

 喧騒の中、冒険者ギルドへ足を踏み入れると一瞬空気が張り詰め、視線を一身に浴びていた。だが、それをアセイとニイナは気にすることもなく受付へと並ぶ。


 すると、不思議なことにしまっていた受付の窓口が一つ開いてピンクの髪の受付嬢が手を上げている。


「ローグさんこちらへー」


 俺は、思わず「えっ?」っと声を出してしまったが、前の先輩二人はどこ吹く風。当然のようにその窓口へ行くと口を開いた。


「今日は新人教育に来た。コイツはゴウキっていう。Fランクでギルドカードを頼む」


「畏まりましたー。所属はローグでFランクですねぇ。名前がゴウキさんっと。……はい。できました。これが冒険者タグになります。首からさげてくださいねー」


 受付嬢が渡してきたものをアセイが受け取ると、それをそのまま渡された。皆が首から下げているのは何だろうと思っていたけど、冒険者を意味するタグだったんだ。


 シルバーの金属に大きくFと彫られている。これは、目立つな。早くランクを上げたいところだ。


「で、依頼どうします?」


「ふむ。Eランクを三つほど」


「アセイさん、そんなスパルタじゃ新人君やめちゃいますよー?」


 そんなことを言われてもアセイは変える気がなさそうだ。


「こやつは大丈夫。心配ご無用」


 その言葉に「ふーん」というだけでなんだか端末を操作して依頼を探しているようだ。新人にちょうどいい依頼なんかがあるんだろうか。


「Eランクですと、北のリョクル森林でのゴブリンの駆除五体。東のベリラ池周辺に生息しているハレン草の採取。あとは、Bar「アンダーヘル」で用心棒三日間。ローグさんだとこの辺が妥当ではないでしょうか?」


「えー? アンダーヘルー?」


 嫌そうな声を上げたのはニイナだった。なんかそんなに嫌な思い出でもあるんだろうか。アセイさんはチラリとニイナを見たが、肩をすくめて口を開いた。


「それでいい。受注はゴウキだけで」


「はい。畏まりましたー。お二人は付き添いですねぇ?」


「そうだ」


 アセイさんは慣れた様子でそう話しているが、俺は疑問符が頭に浮かんでいる。どこに行って何をするのかさっぱりわからないんだが?


「あの、どうすれば?」


「某が後で説明する。では、出立だ」


 アセイは急ぐように受付を後にすると、ギルドを出て行った。もしかして、一日で終わらせようとしているのか?


「ねぇ。アセイさん。私アンダーヘル行きたくない」


「ワガママは許されない」


「むう」


 頬を膨らませているニイナは不貞腐れながら一番後ろに下がった。どうしたのかと思ったが、なんのことはない。地面に八つ当たりしながら歩いてきた。


 コイツ。子供か?


「あのー。アセイさん、ニイナはなぜあんなに嫌がっているんです?」


 近寄って小さな声で聞いてみた。


「ただ、酔っ払いに絡まれる。それが嫌なだけ。気にするな」


 あー。なるほどなぁ。酔っ払いに絡まれるのは俺も嫌かもなぁ。まぁ、でも魔法を使わないってことなら、俺に勝ち目はあるかもな。


 王都を出ると、北へと向かって歩いているようだ。これからするのはゴブリンの討伐ってことか。初めての魔物相手だ。上等だぜ。


 森の中が目視できるところまで歩いてきた。


「あんた、ゴブリンなんかにやられないでよー。やられたら笑ってあげる」


「初めてだが、まぁなんとかなるだろう。人型なら」


 そう。人型ならなんとなく戦える気がしているんだ。雷も触れれば効くだろうしな。ニヤニヤが止まらないニイナはどうしても俺をバカにしたいらしい。


 だが、実際ゴブリンはどういう生き物なのかという前知識がないからなぁ。


 森へと足を踏み入れる。薄暗い森の中は視界があまりよくない。木漏れ日で所々明るいが、隠れるにはもってこいの場所だろう。


 虫の鳴らす音と、鳥のさえずりが聞こえる。木々の擦れる音も聞こえてくるため、何かいる気配を感じろと言うのは中々難しいかもしれない。


「この獣道を行く。ゴウキ先頭な」


「うすっ」


 かろうじて道と認識できるような細い道を行くという。王都を北へ抜ける時、こういう道を通っていくんだとか。アセイさんに聞いたところ、この道中にゴブリンが出るので、駆除の依頼が出ているというわけらしい。


 右左をキョロキョロしながら敵が来ないかどうかの様子を窺う。

 少し緊張しているみたいだな。

 心拍が早い。


 ──ガサッ


 草の擦れる音がして左右を見るが、何もいない?


 と思った瞬間、頭を後ろから抑え込まれた。

 後ろにいたのは、ニイナだ。

 普段の腹いせか?

 だとしたら、今じゃねぇだろが!


「何しやがる!」


「バカ! 上から来てんのよっ!」


 ニイナがナイフで応戦しているようだ。

 上からの奇襲攻撃。

 気付かなかった。


 顔を上げるとゴブリンが目の前に。

 四つん這いになっていたので、そのまま腰へとタックルする。

 そして、殴る。


 怯むことなくゴブリンは棍棒を振ってきた。

 腕で受け止めるが、激痛が走る。


「ぐっ! クソがっ! ライトニング!」


 手をかざして雷撃を放つが、棍棒を地面に打ち付けて雷を受け流している。こんな対処法もあるのか。


「効かねぇのかよ!」

 

 俺は、ゴブリンも倒せねぇのか?

 愕然として、俯いてしまう。


「ちょっと! 自分の戦い方しなさいよ! バカッ!」


 ケツを蹴られて気付いた。

 なんで、また遠距離攻撃で倒そうとしているんだ。

 近づくことにビビったのか?


 情けねぇ。

 弱いのは知ってんだよ。

 それを乗り越える為にここまで来たんだろうが!


「帯電」


 地面を蹴り上げる。

 弾けた音を置き去りにし。

 木々が一瞬で通り過ぎ、ゴブリンに肉薄する。

 

 腕を振り上げたところで、横から蹴りが飛んできた。

 もろに腹に食らう。


 横へ吹き飛ばされて。

 意味が分からず怒鳴る。


「ニイナ! 何すんだ!」


 言葉を発した瞬間。

 炎の塊が先ほどまでいたところに着弾した。


「油断しすぎ! ゴブリンマジシャンもいるみたいね!」


 自分の愚かさを呪うばかりだ。

 魔法の放たれた方向へ視線を向ける。

 木の上から杖で狙っているゴブリンがいた。


 あれがゴブリンマジシャン……。


「この程度、一人でどうにかしなさいよ?」


 ニイナの見下ろす視線は恐ろしく冷たく。


 俺の心を焦らせた。

 やれんのか、俺?

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