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最弱雷属性?触れたら詰むんだが?〜接触特化で最強になった俺、近づいた瞬間に全てを終わらせます〜  作者: ゆる弥


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9.ボルトレール

 やれんのか、俺?


 ゴブリン二体を前に悔しい思いをしていた。自分が試験で勝ったニイナに助けられ、こんな二体くらいは一人でどうにかしろという。


 このぐらいどうにかできねぇと冒険者ってのは務まらねぇんだな。だったら、できるのかじゃなくて、やるしかねぇ。


 近いゴブリンがもっているのは鉄製の棍棒。なら、あれが使えるはずだ。


雷防らいぼう


 体から三十センチ離した所に雷の壁を作る。こうすると、鉄類は全て地面へと吸い込まれている。磁場も操っているというわけ。


「グゲェ!」


 気持ち悪い声を上げて襲い掛かってきた手前のゴブリン。

 後ろのゴブリンマジシャンと俺の間にゴブリンが来るように移動する。

 射線に味方が入っていれば攻撃できないだろう。


 そう思ってのことだが、案の定。攻撃はしてこない。

 味方に当たったら困るからだろう。

 この立ち位置を維持したまま戦った方がいい。


 ゴブリンがこん棒を振り上げて渾身の力で振り下ろしてくるが、俺の体を避けるように地面へと突き刺さった。今のうちにゴブリンへと肉薄する。


 振りかぶって殴りかかる。

 ゴブリンは棍棒で受け止め、横へと移動する。


 後ろからの援護を受けようとしているようだ。

 こんなにゴブリンってのは知恵がまわるんだなぁと感心してしまった。

 だが、させねぇ。


 移動した先へと俺も移動する。

 射線を気にしながら戦っているのは相手も同じようだ。

 なんとかして魔法を打たせるつもりだ。


 まずは、目の前のゴブリンをと思っていた。


 ──ボウッ


 視線の上で何かが揺らめいた。

 咄嗟にバックステップすると、先ほどいたところへまた炎が落ちて来た。

 上から放って狙ってきたようだ。


 ゴブリンってこんなことができるのか?

 

 知恵のある魔物ってのは、やっかいだな。


「よく避けたわね。そうやって全体を把握しながら戦いなさい?」


 ニイナが後ろから檄を飛ばしてくる。

 

 そんなことわかってんだよ。

 それが難しいんだっての。


「うっす!」


 とにかく、目の前のコイツを倒さねぇと。

 ……本当に先に倒さなきゃならねぇのか?

 別に後でもいいんじゃねぇ?


 先にマジシャン倒した方がやりやすいと思うんだが。そうとわかれば、魔法の試しも兼ねてだけど、あれを使いますか。


「ふぅぅぅ。イメージ……」


 稲妻が、マジシャンの元へと俺を導いてくれるイメージを固める。一直線に雷のレールが引かれ。その道筋にそって稲妻に引っ張られるイメージで構築。


「ボルトレール」


 ──バチィィィ


 稲妻がマジシャンの元へと伸びていく。その後を追うように、体がもっていかれる。魔法的には成功したようだ。


 ただ、どうやって止まるのかは考えていない。そのため、雷のような速さでゴブリンマジシャンへ。気が付いた時には、かざした手がゴブリンマジシャンの首にかかっていた。


「えっ?」


 俺も驚いたのだが、それ以上にゴブリンマジシャンは目を見開いて驚愕の表情を浮かべていた。言いたいことはわかる。こんな移動方法、俺も見たことがない。


 ただ、これは補助的な魔法に過ぎない。だが、うまく使えたためしがなかった。ぶっつけ本番で成功して、胸を撫でおろす。


 勢いをそのままに、ゴブリンの首を掴んだまま後方の木へ衝突する。

 凄まじい破裂音が響き渡った後に、木の倒木した音が鳴り響く。

 そして、自分でやっておきながら意味が分からなかった。


「どういうこと?」


 一瞬で百メートルほどの距離を移動したということだろう。

 けど、これは連発できなそうだ。


 なぜなら、足が痙攣しているから。

 さっきの移動で足がやられた。

 だが、とりあえずはこれでゴブリンマジシャンを倒せる。


「ライトニング」


 魔力をちょっと多めに流して雷を体へ送る。

 少し震えて、動かなくなった。

 これで、残りはアイツだけだ。


 油断せずに行く。


「帯電」


 地面を蹴り上げる。

 雷を纏ったまま、ゴブリンへと肉薄する。

 棍棒でガードの構えをしているようだ。


 だけど、棍棒ってのは鋼鉄で作られた武器だ。

 それを地面へ付けられなければ。雷は受け流せない。

 

 腕を振り上げて殴りかかるフリをする。

 ゴブリンは、横一文字に棍棒を使いガードする。


 俺の思惑通りじゃねぇか!

 いいねぇ!


 棍棒を掴み、雷をゴブリンへと流していく。

 バチッという音と共に、ゴブリンは一部黒くなっていた。

 なんとか、二体倒せたようだ。


「ふんっ。この程度当然ね。ただ、ゴブリンマジシャンを倒した後、動きが鈍くなったわね?」


「魔法を使った反動で、足が震えて使えなくなったんだ」


「そんな諸刃の剣。大丈夫? まぁ、今回は倒せたからいいけど……」


 ニイナは先が思いやられると言わんばかりにため息を吐いて、腰に両手を当ててアセイを睨んでいる。この次どうするか聞きたいのかもしれない。


「ゴウキ、足はもう駄目か?」


 アセイが俺の足の様子を見ながら聞いてくれた。


「わかんないですけど、少し休めば大丈夫だと思います」


「そうか、それなら少し開けたところで休憩しよう」


 ゴブリンは二体倒した。ギルド組合から出ている依頼は、五体の討伐だ。最初の二体でここまで疲労がたまるのは予想外だ。


「引き返しますか?」


「ふむ。……某がどうこうというより、ゴウキがどうしたいのか。そこが重要だろう」


 そういうことなら、少し休んで行こうかな。


「このまま続行しましょう。もし無理そうなら声掛けますんで」


「わかった。三十分くらい休憩だな」


 アセイの合図で一旦休憩することとなった。

 

 切り株へと座っていると自分の足の様子が気になる。


「ふぅぅぅ。まぁ、ちょっとはやるじゃない?」


 近寄ってきて、そうコメントしてくれた。

 

 少しは認めてくれたのか?

 

 まだ獣道は続いている。

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