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8 天使レオのお昼寝と正妻と愛人の寝かしつけ成功お茶会

 「未だに思いますけど、ジャッド様を無理矢理帰国させたあれって、刑事事件にしても良いですよね。拉致ですよ、拉致」

ルイーズが膝で寝てしまったレオをそお〜っとベッドに移動し、イエス!とガッツポーズをしながら言った。


「本当よ。だっていきなり私がいたお店にムキムキのお兄さんたちが現れて、カーペットでぐるぐる巻きにされて強制帰国よ?窒息死するかと思った」


ルイーズの部屋のドアをそっと閉め、隣に位置するリビングで勝利の茶を飲む。


 ルイーズとは、私が隣国から強引に帰国させられた際に、ベルナール邸で初めて会った。


 私が行方不明になったので、というのもおかしいと思うが、とにかくノアは自力で高校を卒業出来ず、それを恥に思った義両親によって、私とは別の隣国に留学させられたらしい。


 そこで身の回りの世話をしていたルイーズと、(奴の視点では恋仲になり、ルイーズの視点では貴族に逆らえず、)孕んだ身で一緒に帰国し、結婚すると宣言したそうだ。


 「あんなことをする家だったなんて……。ジャッド様がおられなかったら、私もレオもどうなっていたか。

私の国ではお貴族様に逆らうなんてあり得なかったので、ノア様に言い寄られた時は凄く困りました。

でも上手く行けば妾になれるし、妾がダメでも男の子なら子供は貴族として生きていける可能性が高い。

だから、貴族の家の子を産んだ功績という名目か、手切れ金のようなお金を得られるので、私のように親なしの貧しい女性には良い選択とされていたんですよね……。

浅慮でしたね、もっと色々な可能性を考えないといけなかったのに……」


「世間ではそれが常識とされていたらそう思うわよ。以前に商談で少し滞在したことがあるだけだから知ったように言うのは失礼かと思うのだけど、あなたの祖国だと貴族男性に逆らったとか言われたら、次の仕事を見つけるのも大変よね」


 ルイーズの祖国に対して、やや失礼だが、奴の留学先に選ばれたのは、発展が遅れていることが理由の一つでもあった筈だ。

あの馬鹿でも卒業出来る学校レベルでないといけないからだ。


勿論その国の下層の学校ではダメだ。ノアの家族は下層という言葉にアレルギーを発症してしまう。丸々国でトップ層の学校を良い成績で卒業という肩書きが必要だった。


 そして広大な砂漠を有して農地が広げづらく、気温差が一日の内でも大きく変動し、純粋に活動のしづらさで経済や教育が遅れている国が選ばれた。


あまり我が国から留学する人がいないので、「マイナーすぎてノアが卒業した学校のレベルは分からないけれど、トップ層で卒業したというのは凄いのではないかな」と周囲に思わせることが出来た。


 「そうなんですよ、あの国は無条件に男だと何でも許されて、女は肩身が狭くて……。貴族の男性は私みたいなメイドに手を出しても火遊びなんて言われて済みますが、女性が同じことをしたら、まあ大変ですよ」


 ルイーズは私をまっすぐに見た。

赤味の強い茶色いふわふわした髪が可愛らしい。大きな茶色い瞳と真っ直ぐな眉は、レオそっくりだ。大変な暮らしを送って来たのに、誰かのせいにしたり道を踏み外したりせず、さっぱりとして優しい。


ルイーズとレオに会えたことだけは奴に感謝しても良いかもしれない。


 「今こうして、男性に縛られず、可愛い息子と穏やかに暮らせて、私は幸せです。ジャッド様には本当に良くしていただいて有難うございます」

頭を下げるジャッドに私はブンブンと首を横に振った。


「いえいえいえ!むしろ私があの腐ったみかんの手綱を握れる器があったら、あなたに迷惑を掛けることはなかったんだもの!それに可愛いレオと優しいルイーズと暮らせて私の方が幸せだわ!有難う!」


 ルイーズと私は衝撃的な出会いと立ち位置の割に仲が良かった。

一つの共通する敵がいると仲間の結束が強くなると言うが、ノアと義母と義父と……共通する敵の一致率が高かった分、私たちの絆は鉄よりも強固だ。


 そして天使レオがいること!ルイーズ、レオを産んでくれて有難うと思わない日はない。

あのふくふくしたほっぺがにこっとすると、頭の中でファンファーレが鳴る。


 赤ちゃんや子供がこんなに可愛かったなんて!私g独裁者ならレオの誕生日だけでなく、レオが寝返りをした祝日とレオがつかまり立ち出来た記念日と祝日で一年が埋まる自信がある。

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