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天来  作者:
超越者達
92/101

黒蝕.9

鏡無はルクリエルの方へと歩み寄る。

「王女様、お怪我はありませんか?」

ニヤニヤとしながら鏡無はルクリエルにそう言った。

「意地悪…!」

ルクリエルは鏡無を睨みつけた。

「ふふっ」

鏡無は息が漏れる程度の笑みをこぼす。

(さて、こちらは片付いた。あとは、エルノアの方か…)

そうして、鏡無は古城の方を見る。


「ヨタ、離れてろ。巻き込まれる。」

「はい…」

ヨタはヴァーデンの指示に従ってその場から離れた。

「ダーク・デストロイヤー!」

ヴァーデンの持つ黒い物質が巨人を形作る。

エルノアはヴァーデンに球体をかざす。

「喰らえ!」

黒い巨人は鉄槌を下す。

エルノアはそれを軽々と避けた。

「ダーク・インパクト!」

巨人は巨大な球体へと姿を変え、地面に叩きつけられた。

衝撃が大きく広がり、轟音が鳴り響く。


『神器・インフィニティダーク』

『限の超越者』ヴァーデン・ヴェルハイムの神器。

ヴァーデンに与えられた暗黒物質で、使用者の意思で動かす事ができる。

限の超越者の力によって暗黒物質は無限に広げる事ができる。


「ちょっと、無茶しすぎじゃない?」

あの攻撃も避けていたエルノアがそう言った。

「貴様に準備をさせる訳にはいかない。」

「それも叶わなかったね。」

エルノアの持つ球体は7割程度、黒く染まっている。

「準備完了だ」

色が反転した球体が出現し、エルノアの手から離れ宙に浮いた。


『神器・太極図』

『陰陽の超越者』エルノアの神器。

太極図は最初に相手の魂を測り、光の属性と闇の属性の割合を示す。

そして光の割合が多い場合、自身に光属性に対する耐性を与えて、闇属性の攻撃を強化する。

逆の場合でも同様にする。

与えられる耐性の強度は、魂を極に振り切った物と同等のものとなる。

つまり、最大限の耐性が与えられる。

そして、攻撃の強化も同様である。


(俺の魂は闇の要素が強い。無意識にでも俺の攻撃は闇属性を帯びる。だが、今奴は極黒の盾を持っているのと同じ状態。こちらの攻撃でダメージを与えるのは難しい。)

エルノアは詠唱を始めている。

「ディバインアロー」

凄まじい光がヴァーデンに注ぎ込まれる。

ヴァーデンの暗黒物質は容易く削られていく。

(加えてエルノアは極白の剣を持っている。奴の攻撃は俺に対して有効打を得やすい。この状況では攻撃面、防御面においてエルノアに分がある。)

「ダーク・ボルケーノ!」

暗黒物質が地面から萌芽する。

エルノアは上空に打ち上げられた。

「だが、勝負はそれだけでは決まらないだろう!」

「ダーク・インパクト!」

巨大な塊をエルノアの上から叩き落とす。

砂煙が空高く舞う。

ヴァーデンは地面に着地する。

「早くしろ、そんな事ではお前は死なんだろ。」

砂煙の中からエルノアが現れた。

「やるじゃないか。前より強くなったかい?」

エルノアにはかすり傷程度のように見えた。

「化け物め…!」


エルノア…

類稀なる最初から超越者としてこの世に生まれた異質なる存在。

その魂は光と闇の割合が完全に等しい。

超越者として絶大な力を持っていた数多の魔王でさえ彼の前では赤子に同じ。

唯一、彼の首に手が届いたのはベテルギウスとヴェインのみ…


「ヴァーデン、止めるんだ。君じゃ僕には勝てない。」

「かつてお前と戦った時も、今も…この力の差など分かってる。」

「なら…」

「だが、俺はヨタを守らなければならない。貴様に負ける訳にはいかない!」

「馬鹿が…!」

ヴァーデンは圧倒的な量の暗黒物質を創り出した。

「エルノア!俺はお前を超えるぞ!」

その時、太陽の光が遮られた。

「…!?」

2人の動きが止まる。

気づけば、闇が2人を飲み込んでいく。

「ヴェイン…!」

エルノアはその存在を確認した。

1000年前、自身でさえ抑えきれなかった闇を。

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