黒蝕.8
「零解捌封」
鏡無の背に八つの水晶が現れた。
「なんじゃ…?」
ルクリエルには鏡無の能力が大まかに伝わっていた。
(鏡無の能力は物質の封印のはず。何を封印した?)
ルクリエルはエクスカリバーの部品が封印されたかと思ったが、エクスカリバーは問題なく動いた。
「考えても無駄じゃ!」
エクスカリバーは巨大エネルギ砲を鏡無に放った。
『神器・エターナルコネクション』
『繋の超越者』ルクリエル・スニレイクの神器。
神経のように細かく、大樹の根のように広く物質に絡みつく。
そして、ルクリエルの能力、触れた物体を好きに動かす能力によって神器を介して巨大な城さえもルクリエルの意のままに動かす事ができる。
「光鏡、闇鏡」
二つの札を盾として、光線を防ぐ。
しかし、それだけでは防ぎきれない。
「合わされ!」
二つの札が重なり合い、エネルギーが放出される。
「これが、万封院 鏡無の力。二つの異なる属性の札を扱う。瞬時に魂の出力を切り替え放つか。言葉では説明できても、恐ろしいな…。」
ルクリエルは改めて鏡無の強大さを思い知る。
「じゃが、物量では負けん。この戦いはまだまだこれからじゃ!」
ルクリエルはエクスカリバーを動かして、腕を振り下ろす。
「天明の護符、暗命の護符!」
二つの札が衝突して爆発して腕を押し戻す。
天明の護符
光の魂の力を集めて札として放つ。
暗命の護符
闇の魂の力を集めて札として放つ。
しかし、護符を炸裂させる時に、集めた魂の力は100%還元されない。
どうしても漏れが生まれてしまう。
しかし、二つの相反する属性が合わさる時、札は形を保てず魂の力を全て吐き出して消滅する。
この時はほぼ全てのエネルギーを攻撃に利用できる。
この技を使えるのはただ鏡無のみ。
「壱解漆封」
鏡無の力がより大きくなった。
「っ!どういう事じゃ!?まさか、奴は自分の力を封印しているのか?」
「ちょっと違うね。
極楽浄土!」
複数の天明の護符が円を描き、その円の中心から光線が放たれる。
「ぬわっ!」
エクスカリバーが反りかえる。
(馬鹿な…!この巨体を?)
「この手応えなら、あと1、2個くらいを解放すればいいかな。」
『神器・万封の水晶』
『無の超越者』万封院 鏡無の神器。
鏡無が封印した物は、この水晶の中に格納される。
封印を解除するには魂を水晶に注ぎ込む必要がある。
たが、鏡無自身が封印を解除する時ならば、使われた魂は鏡無自身に還元される。
封印可能対象は一定以下の大きさの物、魂の影響が一定以下のもの。
そして、この水晶は『無』でさえも格納する事が可能。
無の超越者の力で、無を有であるように振る舞わせた事により、一時的に無は形を得る。
ここでは無の力を封印し、有の力として鏡無の力を向上させている。
「弐解陸封」
鏡無の力が更に上がる。
「神鎖!」
エクスカリバーの右腕を天命の護符が締め付ける。
「っ!?」
「獄門!」
そして左腕は暗命の護符がその動きを奪った。
「ぶつかれ!」
鏡無はそれぞれの腕を衝突させる。
そしてその時、それぞれの札が合わさり、両腕を破壊する。
「馬鹿なっ!」
「終わりだ。
極楽浄土
裏極楽浄土!」
白黒二つの光線がエクスカリバーの躯体に放たれる。
そして、光線が重なり爆発を起こした。
「涅槃寂静…!」
エクスカリバーは粉々に吹き飛んだ。
ルクリエルは瓦礫の中から這い出た。
「これが、差か…」
ルクリエルは諦めて、寝そべる。
「万封院 鏡無。なんて奴じゃ。」
鏡無の能力は実は最初、もっと強かったんですけども。
流石に強すぎんだろという事で弱体化されました。
勝てる奴がほとんど思いつかなかったんです。




