黒蝕.5
「竜技・氷蒼華!」
シリウスは槍に氷を纏わせ、バクラに攻撃を仕掛ける。
「バーニングスラッシュ!」
バクラの持つ大剣がそれを打ち砕く。
シリウスは吹き飛ばされる。
「っ!」
シリウスの槍を掴んでいた手が痛む。
(こいつ、力強いな…)
「貴様やるな。この一撃を受け切るとは。」
バクラは余裕を見せている。
「そんなんで倒れる程、雑に鍛錬してないさ。」
シリウスもそれに対抗する。
「そう来なくては!」
バクラは一気に距離を詰め、大剣を振り下ろす。
シリウスはそれをかわす。
振り下ろされた大剣は床を砕く。
「竜技・氷蒼華!」
隙を狙ってシリウスは技を繰り出した。
「っ!」
槍と大剣がぶつかり合う。
シリウスは力を加えて押し込む。
「なんのっ!」
バクラは力を振り絞ってシリウスを押し戻した。
「マジか…!」
「バーニングブラスト!」
バクラが大剣を振り下ろすと炎が飛び出す。
シリウスはそれを紙一重でかわし、素早く間合いに入る。
シリウスは猛攻を仕掛け、バクラは防戦一方になる。
「バーニングサイクロン!」
大剣を一回転に振り回し、その軌跡に沿うように炎が噴き出す。
シリウスは飛び上がってそれを避けた。
「竜技・天雷!」
雷がバクラに落ちる。
「っ!」
その攻撃を受けてなお、バクラは大剣をシリウスに向ける。
シリウスはそれを後ろに飛んで避けた。
(やり辛い…。俺の攻撃を悉く避ける。まるで俺が何をするのか事前に分かっているかのように…)
「厄介な能力だな。」
「竜技・竜閃!」
バクラに真空波が飛んでくる。
「っ!」
バクラはのけぞる。
シリウスはその隙にバクラを蹴り上げる。
「はぁ!」
そして飛び上がったバクラを叩き落とした。
「…効くな…!」
バクラはそう言いながら立ち上がった。
「こいつ…マジか…!」
シリウスはバクラのタフさに驚いていた。
「あんた、よく耐えるなぁ。」
「当然!俺は女王様の騎士!この程度で倒れる訳にはいかない!」
「…!」
シリウスはバクラの気迫に気圧されそうになる。
「バーニング…!」
バクラの動きが急に止まった。
「…?」
シリウスは困惑する。
「そうか…セルファとキルシカがやられたか…」
(今なら、もしかしたら…)
「セルファ、キルシカ…追い出せ」
「おーい、本当に死んでないわよね?」
禮は恐る恐るセルファの様子を見る。
その時、セルファが急に起き上がった。
「なっ!?」
そして、禮を城外に投げ飛ばした。
キルシカも同様に泥阿を城外へと突き飛ばす。
「嘘っ!?」
「これで…王女様に敵対する者は城内にいない。俺も城外へと…より広い戦いの場を…」
「何を言って…!」
そして、シリウスは死角から城外に投げられる。
(…!?…誰…?)
シリウスは魂で気配を探ることはできる。
しかし、不意のしかも死角からでは対処しきれなかった。
シリウスは外の大地に足をつける。
城の方を見る。
さっき自分が投げ出された時、壁ごと突き破られた。
その穴からは大きな力の放出が見える。
「なんだ…一体何が…?」




