黒蝕.3
「天明の護符!」
禮は光り輝く札を投げ込む。
「アイスストーム!」
セルファは氷の弾丸を放つ。
しかし、弾丸は禮に届かない。
(まただ、時々弾丸が当たらない時がある。あいつの能力か?)
城が大きく揺れる。
「っ!王女様も戦ってるのか。」
「草薙の剣!」
光の剣を禮が振り下ろす。
「っと!」
銃でそれを防いだ。
(敵の扱う武器は二丁拳銃。弾丸は当たると凍る。でも、私の能力と相性が悪そうね。)
「減算!」
セルファが弾丸をまた打ち込む。
しかし、それは届かない。
「なら…」
セルファは禮の頭上に飛び上がった。
「これでどうよ!」
氷の弾丸は当たった。
「っ!」
弾丸を庇って、禮の左腕が凍りつく。
(やっぱりだ、相手の能力はある方向にしか作用しない。軸を入れ替えてしまえば攻撃は通る。)
「神鎖!」
札を巻きつけて拘束しようとする。
「甘いね!」
セルファは素早くそれをかわす。
「天明の護符!」
「ふふっ」
投げつけられた札に弾丸を打ち込む。
「君なかなかやるねぇ。」
「それはどうも!」
複数の札が円を描くように動く。
「極楽浄土!」
光線が放たれた。
「そうくるか!ブリザードバレッド!」
それに応えるように無数の弾丸を打ち込む。
技のぶつかり合いが収まり、2人は再度向かい合う。
(技の強さは同じくらいか…でも、僕にはとっておきがある!)
セルファは禮の方へと走る。
「!?」
禮が戸惑っている隙にセルファは弾丸を打ち込む。
「光鏡!」
札を盾にして弾丸を防ぐ。
「終わりだ!」
セルファの銃の形状が変化する。
「二丁拳銃より強い氷の弾丸を放てるマグナムだ!
アブソリュート・ゼロ!」
光線のように見える弾丸の軌跡が、この技の威力を物語っている。
勝負は決したかのように思えた。
「…いない!?」
しかし、目の前にいたはずの禮がいなかった。
「油断したわね。」
「!」
禮はセルファの背後にいた。
セルファは禮の能力の一端を知っただけ、禮が一時的に時を止められることを知らなかった。
「あなたは私の能力を看破したつもりだろうけど、甘かったわね。」
セルファの頭に天明の護符をつけてそれを炸裂させる。
「っ!」
セルファは吹き飛ばされた。
「…流石に、死んでないわよね。」




