黒蝕.1
「はぁ…はぁ…」
激しく乱れた大地は戦闘の存在証明。
1人が立ち上がれず跪く形になっている。
跪いているのはヨタ、ヴァーデンの配下。
「殺していいんだっけ?」
そこに歩み寄る者がいる。
メアリーだ。
そして、傍にはヴェインがいた。
(ヴァーデン様を呼ばねば…!)
ヨタは笛を吹こうとする。
「ダメだよ」
ヴェインが笛を掴んで、それを阻止する。
「ヴァーデンを呼ぶのもダメだし、この女を殺すのもダメだ」
ヴェインがそう言った。
「彼女にはメッセンジャーになってもらわないと」
「メッセンジャーだと…?」
ヨタは不審そうにヴェインを見る。
「我々はスニレイク王国の者だ。我々はヴァーデン・ヴェルハイムを討伐する。」
「なっ!?」
「では、頼んだよ」
そうして、ヴェイン達は姿を消した。
同刻、スニレイク王国では…
「何っ、ヴァーデンが!?」
「えぇ、こちらに攻めてくると」
かつての魔王、ヴァーデンが攻め込んで来るとの兵士から知らせがあった。
「女王様、どうしますか?」
側近が女王に尋ねる。
「攻めてくる前に潰す。ちょうどセントに作ってもらったのじゃ、存分に使ってやろう。」
女王はそう答えた。
女王に報告した兵士は城から急いで出た。
「ふぅ、危ない」
皮膚が溶け落ち、その正体を露わにする。
「全身を作るのは楽じゃないんだよ。」
ヴェインに拾われた芸人はシャルーダという名をつけられた。
「まぁ、これでヴァーデンって奴とスニレイク王国の戦は間違いないな」
シャルーダはケラケラと笑う。
ヴァーデンの住む古城、そこにヴァーデンが帰還する。
「ヴァーデン様…」
傷だらけのヨタがヴァーデンを迎えた。
「ヨタ…何があった!?」
それを見て、ヴァーデンが問う。
「スニレイク王国の、刺客が」
「スニレイク王国だと…?」
「奴は自身を王国の者だと。そしてヴァーデン様を討伐すると…」
「…なるほど」
「ヴァーデン様、逃げましょう。王国の王女は超越者です。いくらヴァーデン様と言えど…」
ヨタはヴァーデンを必死に説得する。
「心配はいらん。俺はお前1人残してこの世を去るつもりはない。だが、お前を傷つけた者を許すつもりもない!」
「ヴァーデン様…」
「今に見てろ、ヨタ。俺がお前を傷つけたスニレイク王国を破壊してくれる!」
ヴェイン達の本拠地、鏡面世界。
闇の眷属がそこに集結する。
「あーら、前の任務失敗した悪い子がいるわぁ」
コルティアとコルティカを見てルーニアが揶揄う。
「…」
コルティアは黙っている。
「まぁ、そう言うなルーニア。何せあの雪樂達と戦ったのだから生きのびただけ優秀だろう。」
ヴェインは落ち着かせるように言った。
「あんたがそう言うならいいけど。」
ルーニアはどこか面白くなさそうにそっぽを向いた。
「さて、今回はメアリー、エリィ、シャルーダの3人に頑張ってもらおう。」
同じく、この鏡面世界に呼び出された3人は誇らしげにヴェインの言葉を受け止めた。
「ヴァーデンとスニレイク王国の戦争が激化した時、私が無差別攻撃を起こす。私は少なくともヴァーデンを、できればルクリエルもなんとか無力化したいが、厳しいね。だからルクリエルは君たちにとどめは頼みたい。」
「3人も要るのか?」
エリィがそう聞いた。
「ルクリエルの能力は単純だが、かなり厄介だ。数の多さで安心はできないほどにね。油断はしない方がいい。」
「ルクリエルの能力は?」
「それはね…」
決戦の時。
スニレイク王国の軍団がヴァーデンの古城へと攻め入ろうとしている。
古城からヴァーデンとヨタはそれを眺めている。
スニレイク王国の兵士は十万は下らない。
それに対してヴァーデン達は2人で迎え撃つ。
戦争というにはあまりにも数が違いすぎる。
だが、かつてこの地域を征服していたかつての魔王。
ルクリエルはその脅威を軽視しなかった。
持てる力を全て用いてヴァーデンを打ち滅ぼす。
そのために、自身の力を使うことも厭わなかった。
スニレイク王国軍の背後に巨大な何かが鎮座している。
スニレイク王国は成立後1000年無敗を誇る大国。
それを可能にするのは圧倒的な兵士、聖職者、魔術師などの戦力が一因である。
しかし、最も大きな要因はルクリエルが操る守護神。
巨大な城をそのまま操り、敵を屠ってきた最終兵器。
『不倶戴天討滅機城エクスカリバー』
今ここで、超越者同士が睨み合う。
開戦の時は近い。
自分はスマホで文字打ってるんですけど、成立後1000年が成立後あわわわになったのは少し面白かった。
不倶戴天を討滅する機城です。




