僕には守りたいものがあるの その為なら、僕も戦うことになるよ
…翌日です。
「…おはようです。」
「うむ、最初に寝ただけあり最初に起きたか。」
…早寝早起きは重要なのです。
「おはようございます。ってあ!稚夏様、もう起きていらっしゃたんですね。失礼いたしました。」
…若菜も起きて来たのです。…偉い子です。…他の妖精も、少し見習ってほしいものですね。
「…蘭、起きてです。」
…まあ取り敢えず、蘭は先に起こしておこうです。
「…起きてですっ!」
…私は蘭を無理やりにでも起こすために、雷魔法を使ってやったのです。
「何にゃにょにゃ。にゃむにゃむ。」
…にゃんにゃんうるさいですね。
「はろー!」
…桜が朝から元気に、起きてったのです。
「…蘭、起きてです。」
「にゃんでにゃあだく。」
…何言ってるか分からないです。
「稚夏、おはようございますわね。」
…美希も起きたのです。…どうして蘭自身が起きないのです!?
「おひゃようごじゃいまひゅう。」
…蘭がやっと起き上がったです。
「何でボクだけおこしゅにょでにゅきゅん。」
「…いつまでも寝ボケてるからです。」
…本当に美希の妹なのですか?
「はみゅにゃんと、いゆにゅう。」
…何語なのです?
「うるさいわね。…はっおはよっ。」
「おはようございます。」
「ざーっす。」
…猫の3人が起きたのです。…寝ているのはもうあと1人ですね。
「…加奈も起きるといいですよ。」
「え?おう!おはよっ!」
…元気ですね。
「…蘭起こしてたら、全員起きちゃったです。」
「まあ構わん。というより、もう少し早く出たかったのだが。」
「…なら和?が起こせば良かったではないですか。」
…本当に、何と呼べばいいのです?
「わ、私は…。まあ良い、行こう。」
「…今行ってもムリだと思うですよ。…アイテム奪う役、蘭に任せたですが…。」
…今の蘭じゃムリですよね。
「うちゅできゅりゅきに。」
…何喋ってるかも分からないですし。
「蘭は、いつもしっかりしてるんですけれど…。どうしても、朝には弱いんですのよね。」
「この状態で行うのは、不可能とすら思えます。」
…若菜もそう思うですよね。
「じゃあ、ご飯。」
…和に戻ってそう言ったです。
「あの、葵もお腹空いちゃった…です。」
「わたくしが買って参りましょうか?」
…買わせたくはないです。…奢って貰うのは嫌いです。
「あっそう言えば、お家じゃないんでした。葵、いらないです。買って貰いたくないんです。」
…葵は私と同じですね。
「食べる。欲しい。」
…和はそんな葵の様子など気にも留めず、お腹を押さえて若菜に財布を渡したです。
「これで、買え。違う、怒る。」
「了承いたしました。しかし信じられない人に、気軽に財布など渡しちゃいけませんからね。」
…若菜は部屋を出て行ったのです。
「あのそれよりもさ、結局どうなんだ?私達は何をすればいいんだ?」
…何しましょうです。
「犬として、おとりおにゃぐしゅ。」
…蘭は聞いていたようで、多少言語に障害があるけど答えてくれたのです。…犬が、なのですか。…では私は、どうするのです?
「私はどうするんですの?」
「姉しゃみゅう…はっ!姉様と稚夏は走りぬけて、扉を開けておいて頂戴。」
…ですか。…了解なのです。
「蘭が戻りましたわね。」
「って、あたしは!?」
…加奈、いたですか。…気付かなかったのです。
「私は?」
「…由里は私と来てです。」
…魔法の使い方を知らないなら、由里は何も出来ないだろうです。
「加奈は…、桜の護衛を頼むわ。」
「雑だな、まあ分かったぜ。」
…加奈は力だけだし、余り向いていないと思うのですが。
「正直、加奈はいらないのよね。」
「酷いな…あたしだって…。」
…蘭、はっきり言うですね。…蘭らしいのです。
「買って参りました!」
…若菜が戻って来たのです。
「ありがとう。」
…和が財布と肉団子?を受け取ったです。
「…それ、何です?」
「肉団子。」
…やっぱりそうですよね。
「あれ?肉団子をたくさん買えばいいんじゃ、なかったのでしょうか…?」
…知らないですよ。
「…若菜が好きなのですか?」
「私、肉団子、大好き。」
…和が好きなのですか。…よう分からんです。
「食べ、終わる。行く。」
…まあ、蘭が復活したですしね。
「ごちそう、さま。もう、行く。」
…もう食べたですか。…あの量を、もう食べたですか。
「今の時間ならいけそうね、行くわよ。」
…蘭の言葉の途中で、もう門の前に転移してたです。…あれ?…転移を使ったのは蘭のはずです。…喋りながら呪文を唱えるのはムリですよね。…なぜです?
「ちょっと行ってくるわ。」
…!?…何なのです?…何も見えなくなったのです。…それに、またです。…蘭は喋ってたですのに、蘭の魔法が発動したです。…使ったのは蘭ですよね?…これは闇魔法です。…妖精は光が得意のはずです。…いくら蘭でも、闇を使うのはきついのではないですか?
「ただいまっ、ふふっ。」
…光が見えるようになると、蘭は雫型の宝石が付いたネックレスを見せて来たのです。
「おい人間よ、なぜ我の視界を封じたのだ。」
…紙にも通じるレベルのですか。…短時間の目隠しでも、結構なレベルが必要ですね。
「桜、葵、日向!お願い、作戦実行よ。」
…蘭の声で、葵と日向と犬(桜)が走り出したのです。
「稚夏、行きますわよ!」
「…はいです。」
…私は由里の手を引きながら、急いで美希について行ったのです。
「日向様っ!!早くお通り下さいっ!!」
…若菜が叫んだのです。
「若菜、違うっすよ。うちよりも、葵の方がヤバそうっすから!」
…確かにそうですね。…葵が大変そうですね。
「葵、もう大丈夫だと思います。効果が続くですから。日向さん、通りましょう!」
「了解っす。」
…葵と日向が、急いでこっちへ走って来たのです。
「通って下さいまし!」
…美希が、門を抑える手に力を入れたのです。
「加奈と和はもう行って!姉様と稚夏の手伝いを頼むわ。」
「蘭様、わたくし達も通りましょう。」
…加奈と和が通って、一緒に門を押さえてくれたです。…そして遠くから飛んできて、蘭と若菜も通ったです。…あとは桜だけですね。
「桜、注意しながら来て。」
「ワン!」
…桜の言葉は分からないですが、多分了解的なものなのだと思うです。
「皆様、門の陰にお隠れになって下さい。桜様が来たら、一斉に力を入れて一気にお閉め下さいね。」
…桜、大変そうですね。
「ワン!!」
…桜が近付いて来たです。
「いいわね?」
…蘭が言ったとき、丁度桜が通ったのです。…桜が入ると、一気に扉を閉めたのです。
「何、よ、ここ。はうぅ。」
…今まで門を抑えるのに夢中で気付かなかったけど、私達がいる場所は崖のような場所だったです。…今気づいて今怯えだす辺りとか、由里は可愛いですね。
「悪世界から落ちたら、どこに行くのか分からないのよ。落ちないように気を付けてね?」
…蘭、由里を怖がらせるために言ったですね。
「誰もこの下からは帰って来れないのよ。」
…雪様とか普通に、この下から上がってくるですよ。…てか葵もやったですよ。
「葵、それは酷いと思うです。嘘はいけません。」
…あっ、こっちの葵じゃないですよ?そんな怪物みたいなことをするのは。
「そうでございますよ!」
「何で言うのよ。ふん、まあいいわ!早く飛びましょ!」
…蘭、飛んで上がるつもりなのですか?
「あたし、飛べねーんだけど。」
「私も飛べん!」
…なせ桜は胸を張って言うです?
「うちら猫は、ある程度の高さは行けると思いやす。ジャンプっすけどね。」
…ジャンプするのですか。…この高さをですか。
「逃がさないよ。可哀想だけどここで、死んで貰うよ。」
…ランプを持った少女が現れたです。…雄哉の力の限界です?
「ふふふ、残念だったな。私的には、お前の方がずっと可哀想だがなあ。」
…桜、何かあるのですか?
「な、何よ。何で可哀想なんだよ。」
「この場で死ぬのは、どちらかしらねぇ?」
…分かったです。…蘭も桜も何の考えもないです。…だから何とか誤魔化そうとしてるのですね。
「は?あ、あんたらがこの私を、たお、倒せると思ってるよ!?」
…倒せると思ってるよって言ったですよ。…動揺しているのですか?…明らか過ぎて、罠にしか見えないですが。…だって、文がおかしいですよ。
「触らなくても殺してやれるさ。くくくくく。」
「私だってね、もう正体がばれちゃったもの。その上力も回復したし、貴方達なんて怖くも何ともないのよ。ふふふふ。」
…まあここまですれば、てか捕まった時点でばれてる確定ですからね。
「ほりゃ、毒食わば皿までって言うじゃにゃいでしゅか。」
…だから何です?
「で、どうするの?私達のこと、逃がしてくれるわよね?だって貴方だって、こんなところで死にたくないでしょう?」
…可愛い姿して、妖精のイメージを壊すようなセリフ言わないでほしいですね。…せめて人間の状態で言ったのならば、少女のイメージを壊すだけだったですのに。
「意味分かんないよ。わわ私が、死ぬわけないよ。」
「…死なないのですか?…凄いのですね。」
…不死の存在なのですか?
「死ななくはないよ。な、ななな…よ。」
…何を言っているのです?…しかし様子的に、誰かと通信してるですね。…隠そうと頑張ってる感じがするのです。
「心優しい私は、お前に選択肢を与えよう。1、私達と一緒に平和を目指す。2、悪の世界に戻る。3、ここで死ぬ。」
「悪の世界って言わないでよ!」
…桜の言葉に、ランプの少女はすぐ反論したのです。
「悪世界って名前だけど、悪の世界なんかじゃないよっ!?だって雄哉が私達の為に、作ってくれたんだよ?あんたらは、平和なんて目指してないよ。最低、サイテー、さいってえ!!正義の味方を名乗っといて、闘いながら街を破壊してるやつくらい最低よ!」
…基準が分からないのです。…でも、桜が悪いのです。
「…悪の世界は嫌なのですね?…なら共に、雄哉を助けようです。…戦いなんて、やめようです。…私達は本来、戦うべきではないのですよ。…協力するべきなのです。」
「そんなのムリよ。私が変わっても、何も変わらないよ。」
…なのですか?
「そんなことないわ。あなたが変われば、皆も変わるよ。皆が変われば、世界も変わるんだよ。1人1人が変わろうとすることが大事なんだもん。ほんとに悪い人なんて、どこにもいないんだからね。」
…由里は、偉いですね。…そんな考えを持ってるですか。
「そうでございますよ。誰もが戦いたくないと思っているならば、戦いなんて起こらないはずでしょう?」
…若菜も、優しくそう言ったのです。…あくまでも、優しくです。
「ムリ、よ。ムリなのよ。戦いはなくならないよ。この世界に、人がいる限りはよ。ムリなんだよ。」
…ランプの少女は、呪文を唱え始めたのです。
「長い、こりゃ不味い奴かもしれないな。」
…桜は妙に冷静に言ったです。…どういうつもりなのです?
「…自爆です。」
…辺り一帯を、自分事消し飛ばす気です。
「葵が止めて見せます。ごめんなさいですね?」
…葵も呪文を唱え始めたのです。
「わたくし達は飛びましょう。」
…追いて行くつもりなのですか?
「追いてきゃしないわよ。1人ずつ減ってて、最終的にメインキャラだけになるみたいなことしないわ。だって加奈のこと起こしたし、桜のこと助けたじゃない。」
…蘭、私は喋ってないのですが。…心を読まないで欲しいのです。…せっかく『顔に書いてあるよ』がないように、無表情を心掛けているですのに。
「飛べる人は早く向かって!飛べない人は私達、妖精が連れて行くわ。早くっ!」
…私は長い間飛んでれるですが、遅いんですよね。…驚いちゃうくらいの遅さでゆっくりと動くですから、逃げるには向かぬですよ。
「…ほい。」
…一応人魚になって、飛び始めたのです。…が、やっぱ遅いです。…泳いでるんですし、水中用なのですよ。…あと、横になら動けるですよ?
「稚夏も、届け終わったら迎えに来るわ。全く飛べない人を優先するから、のんびりでも上ってて頂戴ね…。」
…蘭も苦笑い気味ですし。…のんびり過ぎるのですよ。
「稚夏、手伝いますわ。掴まって下さいまし。」
「…美希…、ありがとうです。…お願いです。」
…美希に引き上げて貰うことにしたのです。…私だって落ちはしないから、美希の力でも軽々とあげられるという事ですか。
「あっ姉様、稚夏は頼むわよ。」
…私と美希が上っていると、横を日向が超高速で飛び越えていったのです。
「凄いスピード、風が強くなってしまいましたわね。」
…一応一旦止まったですが美希はバランスを崩してしまったのか、私達は横へ飛ばされてしまったのです。…ああ、少しずつ落ちてもいるですね。




