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…守るべきものの為でも、私は戦ったりなんてしないのです

「少し離れてしまいましたけれど、とにかく上の世界に登ることを優先致しましょう。その後、皆様を探せば問題ないではありませんの。…さあ、急ぎましょう。」

 …あっ違ったです。

「…美希が日向の風でバランスを崩し、吹き飛んでしまった訳ではなさそうですね。…誰かが風魔法を使ったのです。」

 …私達2人を狙ってるです?…しかし、風魔法使いなんてこの辺にいるのです?…私も会ったことないのですが。…それに吹き飛ばすってことは、相当高レベルでなければならないのです。…風魔法使いでなく使うのなら、葵級…いやそこまでじゃないけど、かなりなレベルなのです。

「え、あら?何事もなく来れたではありませんの。」

「…ここは何世界です?」

 …何回か来たことがある気がするです。…何世界だったですかね。…忘れてしまったのです。

「私に言われましても、ほとんど華世界フラワーワールドから出たことありませんわ。」

 …そうですよね。

「それよりも、蘭を探しましょう。蘭に会えれば、きっと全部わかりますわ。」

 …探すと言われても、どうするです?

「その辺を歩いていれば、会えるんじゃありませんの?」

 …適当ですね。

「…待つですっ!!…美希、歩いてはダメなのです。」

「え、どうしたんですの?」

 …風魔法使いは何族です?…やはり風魔法使いの仕業に決まってるのです。

「…美希、風魔法使いって何族ですか?」

「私は知りませんわ、土と愛と光しか知りませんもの。」

 …せめて火とか水くらいは知ってて欲しかったのです。

「…鬼が土ですよね。」

「ええ、そうですわよ。」

 …では、鬼とはほぼ真逆?ですか。

「…鳥、だった気がするのです。」

「正解!人魚姫さん☆ふふふふ、でも会ったことないんじゃない?うちの部隊も接触させたことないしさ。何で知ってるの?あっついでに、何で見抜けたのかも教えて欲しいなぁ☆」

 …どこにいるのです?…誰です?

「何ですの?どこから声がしてるんですのよ。」

「君は…鬼で魔王なんだっけ?早く退治されればいいものを。」

 …美希のこと、そう言わないで欲しいのです。

「…どこにいるのです?」

「あれれ~?人魚姫さんも分かんないのかな☆」

 …どこにいるのです?

「ボクはここだよ☆」

 …女の子が降って来たのです。

「初めまして、ボクは堀越亜夢ほりこしあむだよ☆君達、お名前はなんて言うのかな。そこは聞いて無くってさ、ふふふ☆」

 …私達の名前を知らないのです?…人魚姫と言えたのにです?

「訳が分かりませんわ。目的は何ですの?」

「むぅ、僕の質問は無視かぁ。まぁ、答えてあげよう。目的はね、彩世界カラーワールドと華世界で同盟を結ぶこと☆」

 …同盟?彩世界?分からぬです。

「…なぜ私達2人を他の8人と分けたのです?」

「この事は秘密だからね☆別の世界にばれるわけにはいかないんだよ…。ふふふ、ボクのことを信じて☆」

 …ですが、なぜです?

「蘭や桜も一緒じゃいけないんですの?だって私達がいなくなれば、心配なさるじゃありませんの。私達だけじゃ、連絡も取れませんのよ?」

「いや、姫と魔王にだけ伝えようと思ってね☆知ってる人は少ない方がいいの!だから言わないでよ☆」

 …なぜなのです?

「…なぜ、彩世界が華世界と同盟を結ばなければならないのです?」

 …それも、ばれないようにです。

「うーんと、攻め込まれてピンチだからってことでお願いするよ☆」

 …理由も言えぬですか。

「…考えておくですよ。…それよりも、蘭達のところに戻してです。」

「そっか、ふふふ。考えとくってのを、信じておくね…。じゃあ☆」

 …また吹き飛ばされ、8人のところで止まったのです。

「姉様達、どこ行ってんのよ。」

「少しよろけてしまいましたわ。風が強かったんですもの。」

「え?そう、そんなことないと思うけど…。んー、まあいいわ。姉様、これから皆で塔に行きたいわ。いいかしら?」

 …塔って、美希たちが住んでるあの塔ですか?…あそこに他人を連れて行こうとするなんて、蘭にしては珍しいですね。

「私は構いませんけれど、蘭…どうしたんですの?」

 …美希も思ったですか。

「どうもしないわ。早く行きましょう。」

 …あれ?歩くのですか?

「魔法をほとんど封印されちゃってるのよ。だから悪いけど、歩いて貰うわ。」

 …心を読むのをやめてほしいのです。…それに魔法が封印されてるんじゃ、テレパシーでもなくて普通に読んだのです?

「…!!ち、稚夏ぅ。」

 …由里に呼ばれたのです。

「…どうしたです?」

「ここ、落ちちゃいそうだわ。大丈夫なのよね…。」

 …可愛いですね。…しかし魔法が封印されている(らしい)今は、落ちたら本当にきついかもです。…まあきっと、勇者パワーで何とかなるんじゃないですか?

「…気を付けて歩けば大丈夫です。」

「ふぇ!?あうぅ。」

 …可愛いですね。

「マジで今回ヤバくね?うちらを狙ってるんっしょ?じゃあさ…あ…あ…。」

 …日向、どうしたです!?

「すぃー!よく悪世界ダークワールドから出られましたなー。」

 …いちごがなぜです!?

ーさっさと逃げて下さいな。私だって、攻撃しなくちゃならないんですぞ。王様の命令に従うふりをしながらも、雄哉の命令に従いたんですな。だから、早く逃げて下さいな。追いかけてるってことに、させて下さいなー

 …いちごのテレパシーです?…見た感じ、私と桜と若菜に送ったですね?…いちご、ありがとうです。…逃げさせて貰うのです。

「蘭、闘う必要はないっ!逃げるぞっ!!」

「皆様!急いで走って下さいっ!」

 …桜と若菜が叫んだのです。

「逃げて頂戴。私は大丈夫よ。」

「いいえっ!蘭様も共にお逃げくださいっ!!」

 …蘭は、あのいちごと闘うつもりなのですか?

「…蘭、逃げようです。」

「稚夏だって言ってますし、きっと何かお考えですのよ。逃げることに致しましょう。」

 …美希、ありがとうです。

「…どうしてなの?うぅ、まあ逃げることにするわ。」

 …蘭も分からないのですか。…そうですよね。…いちごに逃げろって言われたから、なんて分かるはずがないですよね。

 …!!…どこかから呪文が聞こえるです。…誰です!?…誰が唱えてるです?

「ほい。」

 …和が掛け声?と共に手を挙げると、私達の体が宙に浮いたのです。…和の魔法だったのですか。

「気、付けて。」

 …え、はやぁ、早いですぅ。…少し怖いです。

『ぎゃあ~!!』

 …何人か悲鳴上げてるですよ。

「へい。」

 …大丈夫なのですか!?…私達を放り投げよったですよ!?

「すぃー!待ちなさいなー!」

 …いちご、演技なのですよね。…超怖いんですけど。

「はいよ。」

『いやぁ~っ!!』

 …ふう、えっと、ここは華世界ですか。

「華世界なら安全だと思うけど、あいつは分からないわ。一応塔まで行きましょう。」

 …蘭の転移魔法が発動し、塔の前に出たのです。…魔法使えてるえではないですか。…それに蘭の手から光は出たのに、蘭が話している途中に発動したのです。…どうやって呪文を唱えたというんです?…おかしいですね。

「おー!かっけー!!あたし、まおうとか見んの初めてなんだよ。」

「そこに魔王はいませんわよ?だって、そこの魔王は私ですもの。」

 …加奈は知らなかったのですか?

「え、マジで?それ、うちも知らなかったんすけど。」

「そうなの?まあとにかく、話は中でしましょうよ。」

 …蘭はどうして、そんなに塔にいれたがってるのです?…何があるのです?

「うわっ凄ぇ!」

 …入っていきなり、桜が叫んだのです。…どうしたのです?

「ゆかたんの限定版フィギュアじゃん!私の力を使っても手に入らなかったのに。うおぉ、凄ぇな。へぇ、彩芽もある。私凄くね?」

 …最終的に『私凄くね』ってところとか、桜らしいのです。

「ね!凄いでしょ!凄いでしょう!さすが桜ね、すぐ気付いてくれたわ。そのゆかたん、頑張ったのよ。あややんだって、開店日の開店時間にサク咲クショップまで行ってきたんだから。」

 …蘭、いきなりテンションあがったですね。…もしかして、それを見せたくて塔に呼んだのですか?

「あっそう言えば蘭、甘世界スィートワールド本世界ブックワールドに行って1週間くらい帰って来ないとかもありましたものね。旅行だって、そっちのほうまで行きませんのに。」

 …美希の旅行は、随分と近場なのですね。

「あれはflowerのライブよ。それにしいちゅんとかも、サプライズゲストで出て来たのよ。凄かったんだから、もう超楽しかったわ。」

 …しいちゅんって何なのです?

「えっあれ蘭も行ったのか!?凄かったよな~。」

 …桜と蘭は分からぬです。

「皆様はこちらに来て下さいまし。2人は多分、放っといて大丈夫ですわ。」

「あー、そーしたほーがいーと思うぜ。何言ってるかさっぱり分かんねーし。」

 …加奈の言う通りです。…何言ってるかさっぱり分からぬです。

「あう。」

 …由里が何かを見ていて、動かなかったのです。

「…何を見てるです?」

「ゆっきゅんよね…。いや、何でもないわ。」

 …何なのです?

「由里、ゆっきゅんを知っているのね。」

「え、うん。知ってるわ、ゆっきゅんはそんなに好きじゃないけど…。」

「他の人のもあるわよ、おいで。」

 …由里が蘭に攫われたのです。

「何やってるんすか?」

 …私は由里の救助は諦め、不思議そうにしていた日向と塔を駆け登り美希に追いついたのです。

「こちらの部屋へどうぞ。好きな所に座って貰って結構ですわ。」

 …少し行ったところで、美希は部屋のドアを開けたのです。

「葵、こんなキラキラした石初めて見ました。」

 …葵が椅子についている宝石を、じーっと見つめていたです。

「一つ持ってったらどうですの?私はほどんど使いませんもの。」

 …まあ、1つくらいあげても変わらないですもんね。…別に高級アイテムだって、あげちゃうですよね。…私も欲しいくらいのものですけど。

「欲しい、魔力、回復。」

 …和は効果を知ってるですか。…葵はどうなのです?

「葵は、ピンクのを1つ貰えますか?あの、ごめんなさい。」

「分かりましたわ。」

 …その辺から出した箱を開け、美希はピンクと緑の宝石を取り出したのです。…色と効果を覚えているのですか?

「で、この後どうすんすか?蘭もいないし、うちらは何してればいいんすかね。」

「とりあえず、ご飯を食べませんこと?」

 …確かに、お腹は空いてるですね。

「あたしは腹ペコペコだぜ。悪いが、食べ物が欲しいや。」

「分かりましたわ、誰か持って来て下さいまし。」

 …すると、メイドの(多分)山田さんが来て、小声で何か美希と相談して去って行ったのです。

「少し待ってて下さいね、持って来て下さると思いますわ。」

 …しかし蘭の考え、まだ分からないのです。

「稚夏様はどうお考えですか?」

 …若菜が小声で言ったです。

「…どうとは何です?」

「悪世界への攻撃でございますよ。このままにしておく訳には行かないでしょう?稚夏様だって、今の状況を分かっておられますよね。」

 …考えぬようにしていたから、何の考えもないですよ。

「…しかし、なぜ私に言うです?」

「正直に申し上げますと、他のお方は何もお考えになっていないご様子でしたので…。まあ蘭様がいれば、蘭様にも伺いたいんですがね。」

 …ごめんです。…私も考えていないです。

「…普通に戦って、案外勝てるかもですよ。…案ずるよりも産むが易し!です。」

「しかし、絶対に勝てるという確信がなければ、動かす訳にはいかないでしょう。死者を出してはいけないのですからね。」

 …国民に、誓ったですもんね。…もうあんなのを、繰り返したりしてはいけないのです。

「…私1人で行くですよ。…敵は大勢みたいですし、私の得意分野です。」

 …幻が聞くという事も分かったですし、怖くもなんともないですね。

「そうなさるのなら、誰にも知らせないべきですね。稚夏様の能力ちからなら、稚夏様本人が攻撃されるという心配もございませんし。確かに向いてるかもしれませんね。」

 …若菜、何か思いついたですか?

「食事の用意が出来ましたわよ。食べませんの?」

「…食べるです!」

 …お腹空いたです。

『いただきます。』

 …ああ、いたですか。…蘭と由里はいつの間に来てたです?…それと、桜はどうしたです?

「肉団子、いっぱい、嬉しい。」

 …まだ食べるのですか。

「皆に問う!」

 …桜が叫びながら出現したのです。…相変わらずうるさいですね。

「悪世界をどうしたい?壊すか奪うか貰うか。」

 …桜はなぜそのようなことを、今私達に聞くのです?…実現が出来ないとしても、理想や希望は分かってるですよね。

「てゆうか、どうすりゃ平和?平和って何?」

「桜、後でにして欲しいっす。」

 …日向の目が変わったのです。…和、ですか?…乗っ取りやすそうではあるですが、余り日向にムリをさせてはいけないのです。

「ああ、そうしよう。私も聞きたかっただけ、考えて欲しかっただけ。答えも求めてないしさ。」

 …変なこと考えさせないで欲しいですね。

「よし、食べるぞ。いただきま~す!」

 …桜は曇りのない笑顔に戻り、黙々と食べ始めたのです。

「あ?皆全然食わないんだな、私が全部食っちまうぞ!」

 …貴方のせいですよ。…貴方のせいで、食べずらいではないですか。

「ぎゃー、怪人サックラーだ。食べられるー、怖いよー。」

 …蘭は酷い棒読みで、何を言い出してるのです?

「誰が怪人だ!!まあ、サックラーは悪くないけど。」

 …サックラーは悪くないのですか!?

「結構食べたっすね。ごちそうさま☆」

 …日向が箸を置き、何かクリームを肌に塗り始めたのです。

「…ごちそうさまです。」

 …私もお皿を片付けて貰ったです。…さて、クエストでもやるとするですね。…最近やってなかったですし。

「は!?」

 …つい大声を出してしまったのです。

「どーしたんだ?どーかしたのかよ。」

「…加奈如きには、分からぬことなのですよ。」

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