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愛の力と言うのは、そんなものなんですかいな

 …!!怖っ!!次に雪が呼んだ人は、とってもおぞましい感じだった。失礼なんだけど、デブで黒目がどっか行ってておっさんみたいな顔の、おばはんだった。

「キモッ。」

 思ったことが、つい口から出てしまった。

「言っちゃダメ。」

 瑠美に腕をつねられた。

「あっしにとっての闘い、殺しでごわすか。でもあっし、そんなこと知らないでごわすよ。ずっと漫画を描いてただけでごわすし。」

 その人のことを調べてみると、売れてる漫画家だったけど、22歳と言う若さで死んだらしい。地獄に来たのは鬼のミスだったという事が分かった。…嘘だろ!!あれが22歳なの!?


 僕達は今日の深夜までかけて、やっと全員を終わらせた。でもミスでいた人なんて、あのおばはんだけだった。てゆうか、普通はそんなことあり得ないはずなんだけど…。

「やっと終わったわね。皆、ありがとう。残った211人の人には、私達と共に悪世界ダークワールドと戦って欲しいわ。その後はまた、現実世界リアルワールドに戻してあげるわね。記憶を無くし赤ちゃんにするけど、もう人を傷付けるばかりの人生なんて歩まないでね。」

 やっぱり兵士にするつもりか。もう死んでるんなら死ぬこともないし、使えそうだね。でもそれって、ルール違反じゃないの?

「よ~し、そろそろ帰るわよ!」

 雪は眠そうに眼をこすった。

「じゃあ皆、手伝ってくれてありがとっ。最高の料理を作ってあげるわ。…舞香が。」

「あたし!?」

 そうだよね…。雪が料理をする訳ないものね。だってあの、雪だもんね。

「本当?さすが雪様、優しいね。」

「葵、可笑しいよね。ここで貰った食べ物を、あたしが雪ちゃんの家に運んで、あたしが料理する。雪ちゃんが何した!?」

「私のおかげで、そんなにたくさんの食べ物が貰えたのでしょう?」

「ま、まあそうだけどさ。」

 舞香は納得がいかないといった感じで、ワープ魔法を唱えた。

「皆、お風呂はどうする?私の家で入るんなら、露天風呂と家と地下の。全部好きに入っていいわよ。」

 でも雪が言う露天風呂って、空中にあったりするんだもんな。

「えっと、一緒に入る?それなら、洗った後水着になるとか…。」

 水着なんて持ってないし…。

「でも持ってないわよね。バスタオルでも巻いて入っちゃう?」

『雪(様)(ちゃん)がいいなら…。』

 雪ん家なんだし…。

「分かったわ。洗い終わった後にバスタオル巻いて、湯に浸かるってことでいいのね。」

 洗い場はなぜか10個もあるが、当然僕と和也は追い出された。


 女子が全員バスタオルを装着すると、僕達は呼ばれた。

 そして僕達も洗い終え、戦闘服バスタオルに身を包み、そして僕らの闘いが幕を開けた。


 まず、ターゲット(女子)を探さなければ…。

  その為には、地理を把握しておく必要があるね。

 この中で1番いそうなのは、…薔薇風呂とかかな?とにかく行ってみよっ。僕が薔薇風呂に行くと、舞香が入っていた。

「ちっ、はずれか。」

 でもそのまま立ち去るというのもあれだったから、とりあえず入った。ん!?これ気持ちいいな。香りがちょっと強すぎるけど、案外当たりだな…。

「外れって、どうゆう意味?」

「どうゆうも何もそのまんまだよ。僕的に、年上は好みじゃないからな。」

「あんたの好みなんて聞いてないよ、ロリコン!」

 ロ、ロリコン!?そんなこと言われたの初めてなんだけど…。

「この僕が、ロリコンだって…?違うもん!ただ、年寄りが嫌なだけだよ。」

「だ、誰が年寄よ。まだピッチピチの、21歳だし!」

 21歳なんだっけ…。まあ普通よりゃ、舞香だって悪くはないわな。

「ちょっジロジロ見ないでよ。やっぱりあたしの体に興味あるんじゃないの?素直になれば~。」

「うっさいなー。これだから自意識過剰な人は困るんだよね。」

 普通の人間だったら、モテたかもしれないのに。あっでも、性格か。

「って、何その目。可哀想に…、みたいな目であたしを見ないで。」

 そんなつもりなかったんだけどな。

「ふっ…、じゃあね。」

「彼女いるからって、何調子のってるの?このロリコン!」

 僕は舞香の叫びを華麗に受け流して、他人を探すための旅に出た。

 他にいそうなところは…。ん?2人の愛の巣風呂?何それ、どうゆうのだか全く想像できないよ。行ってみよう。

 僕が2人の愛の巣風呂(長いからすふろでいいや)に行くと、稚夏がぐでーっとしていた。

「大丈夫?」

「…大丈夫です。…ですから、近づかないでです。…見ないでほしいのです。」

 肌綺麗だな。凄い真っ白だ…。

「…出てって欲しいのです!」

 稚夏に怒られてしまったので、すふろに入るのは諦めた。

 じゃあ瑠美探しでもするかな。瑠美は多分、この…にゃんにゃん風呂って奴にいるんじゃないかな。

 扉を開けると、そこにはやはり瑠美がいた。…雪と和也もいた。じゃあ舞香と稚夏以外全員、ここにいたってこと?

「葵♡私とにゃんにゃんしましょ☆」

「遠慮しておくよ。話すだけにしよう。」

 ったくもう。

「じゃあ、にゃんにゃんってないて頂戴。」

 ったく。ああ、嫌な予感が…。

「遠慮しておくよ。」

「なら、猫耳猫尻尾の状態で泣いて頂戴。」

「遠慮しておくよ。」

 絶対やだよ。

「お願い♡」

 可愛い。…でも惑わされないぞ!

「やだっつてんでしょ!」

 まったくもう。

「にゃん、可愛いかもね。ねえ、和也くん。にゃんにゃんって鳴いてみて。」

「いやだよ。」

 !!あっちにうつった!?和也、ごめん。

「ねえ、それくらいいいでしょ?別に減るもんじゃないし、ぬふふふふ。」

 瑠美が壊れてるよ。

「んにゃあぁっ!もうやっ!違うとこ行く。」

 稚夏には見るなって言われちゃうし、薔薇風呂に戻るかな。

 舞香、まだいるかな。扉を開けると、変わらぬ様子で舞香が入っていた。

「あら?やっぱりあたしが愛しくなっちゃった?」

「なる訳ないでしょ。本気で言ってるの?」

 1人じゃつまんないから来ただけだし…。

「いや、冗談よ。それよりもさ、あたしの力が治りきってないみたいなのよ。 薬草を作ろうとしたら、手を火傷しちゃった。葵、どうゆうことか分かる?」

「怪我を見せて。」

「え?もう治っちゃったよ。」

 舞香らしいね。

「ん、でもさ。力は完璧なんだと思うよ。発動しようとして火傷したんじゃ、呪いがかかってるんじゃないかな。それも、結構協力な闇魔法だろうね。完全に解けるまでは、力を使わないほうがいいよ。」

 舞香に聞くレベルの呪いをかける?そんなのできる人、ほとんど…。

「呪い…!?あたしは仮にも神なのに…。」

 舞香に近づいた悪世界の人なんて、さやとちよことれいとくらいか?でも3人とも、そこまでの力はないだろう。

「地獄に来たあの子は?えっと、いちごちゃんだっけ?」

 いちごか。加奈を回収し、その時に舞香に呪いをかけていった。あの短時間でも、いちごなら出来るはず…。

「可能だろうね。んー、かけたのがいちごだとしたら、解除はきついだろうなあ。」

 舞香の力がないのか。今まで封印されてた間も大変だったけど、さらに不作が続くって?たまったもんじゃないね。

「何か悪いな。自分の仕事も全然できてなくてさ。」

 舞香は悪くないじゃん。

「まあ、頑張ってね。」

 僕は、そのまま風呂を出た。そして女装の前に来ていた服を着、部屋に行った。すると、もうすでに稚夏が倒れていた。

「えっと、大、丈夫…?」

「…私は愚かだったのですね。…今、私は悲しんでいるのです。…慰めるのを、許可するのです。」

 稚夏…?

「どしたの?」

「…私、好きな人がいたのです。…闘いはこれからっ!…そう思っていたです。…でも私、気付いたです。…闘いは、始まる前から決着がついていたのです。…私はどうすればいいのです?……私、辛いのです。…でも伝えれば、好きな人を困らせてしまうのです。…意見を言って欲しいのです。…慰めて欲しいのです。」

 僕が言えることじゃないね。

「自分が辛くないようにするといいよ。自分が楽な方向を自分で見つけるといいよ。それならそんなに、悲しくないでしょ?それでも悲しかったら、辛かったら、僕が慰めてあげるから。」

 稚夏は自分を犠牲にするだろう。稚夏じゃなくても、本当に好きならそうするよね。だってそっちの方が、自分だって楽だから。

「……………いです。」

「ん?」

 何て言ったの?稚夏は起き上がり、笑顔で頭を下げてきた。

「2人とも待たせちゃった?あたし、すぐご飯作るよ。雪ちゃんに許可貰ったし。」

 舞香が台所に行った。と思ったら料理を持って戻って来た。作るの早いよな。

「…いただくです。」

 稚夏は超高速で食べ始めた。

「僕もいただくよ。」

 ふむ、料理は美味しいんだけど。ふむふむ、いい素材ではないな。

「ごちそうさま。」

 僕はある程度食べ、雪に言われていた2階の部屋に行った。すると稚夏もてくてくとついてきて、僕の隣に座った。

「…協力して欲しいのです。」

 ?何に?

「協力って?」

「…明日、願いを叶える丘、想い出の丘のことを、健人か由里に教えてあげるといいのです。」

 それが稚夏の、答えか。

「分かった。」

 僕が頷くと、稚夏は部屋から去って行った。

 僕はその後、いつの間にか眠っていた。

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