あなたと過ごした時間を、ひなはムダにしません!
すると、後ろに倒された。
「大、丈夫か?」
健人の声ね。はわわ。
「はうっ。」
私が目を開くと、すぐ上に健人の顔があった。
「すぃー?最強でしたのに。」
思いっきりいちごが喋ってんじゃん。
「おい、由里?」
「ありがとう。」
「ラブラブですなー。でも容赦しませんぞ。」
りゃびゅりゃびゅっ!
「いちご!喋っちゃダメだって。おいらと一緒に遊ぼうぜ。」
もういちごって名前言ってんじゃん。
「調子に乗るなよ、ガキ共がっ!!」
カラフルな玉が、沢山飛んできた。
「ああみょううじゃったいでしゅにぇ。」
その玉を、蘭は手で止めた。
「魚の癖に、こにょ蘭様を攻撃するたぁ、いい度胸でしゅね。」
蘭は真っ直ぐ飛んでいき、魚の上に降り立った。
「蘭ちゃんは何をやってるの?」
「さあ。よく見えないし。」
妖精だから小さいのよ!遠くに行ったら、見えるわけ無いじゃない。しばらく見ていたら、魚が爆発した。は?
「すぃー!」
いちごの悲鳴と共に、魚は消え、海が静かになった。
「強しゃとしては微妙でした。結構技術が遅れてましゅね。」
戻ってきた蘭が言う。いや、んなこと言われてもね。
「でもここ、全ての物から悪のオーラが出てりゅんでしゅよ。」
悪のオーラ?
「ちゅまり、海香を助けるためには、こにょ場所ごと消し去った方が楽なんじゃにゃいかってことでしゅ。」
この場所ごと消し去る?意味分かんない。
「ここは甘世界の端っこでしゅし、切り落としてしまうとか。」
「どうやるんだ、そんなの。」
本当よ。板とかならともかく。
「勇者には、しょれが出来るだけの力がありましゅ。」
嘘。そんな力…。
「我はそれでよいと思うぞ。甘世界の下には悪世界があるし、攻撃になるであろう。」
下にあるの!?てことはもしかして、あの場所って…。
「それでいいでしゅか?まあ、重要なのは勇者の意見でしゅけど。どうしましゅか?」
否定しずらいわね。
「いや。私、助けたい。壊したくない。」
少しでもいっぱい助けたい。
「誰も、何も、悪くない。ホントは絶対、悪くないんだもん。」
「ああ、そうだな。オレも由里に賛成だ。」
健人。
「じゃあ、しょうしましょう。重要なのは勇者の意見でしゅかりゃ。…よかった、本当に。」
蘭が微笑んだ。こう見ると結構美希に似てるわね。
「だが、それでは。」
「決定でしゅ。」
そうは言っても、どうすればいいのよ。
「大丈夫でしゅって。あっちから仕掛けてきましゅよ。」
その時、蘭が何かに気が付いたような表情をした。?
「くう。ここにいると、危にゃいかも知れましぇんね。」
危ない?何で?
「あっちに行きまそう。」
蘭が高速で飛んでいった。一応走ってついていった。何なの?
「あうっ。」
石につまずいて私は転んだ。その時、地面が割れた。
「えっ。」
どうゆうこと?
「由里!?」
健人が私の手を掴んだ。嬉しいけど、正直邪魔ね。手、ふさがないで欲しいわね。
でも私は、か弱い女の子アピールするために、健人に引っ張り上げて貰った。いいでしょ、別に。
「怖かった。」
「大丈夫か?」
「うん。」
うわっ。さっきまでいたところが、下に落下していっていた。海だったわよね。あれって、果てがある海なの?
「大丈夫であるか!?」
さやが駆け寄ってきた。
「ええ、うん。」
私が頷くと、さやが舌打ちした気がした。
「しかし、結局落ちてしまったではないか。これは仕方ないな。一旦雪のところに戻ろう。」
こんなこと、やろうって言ってたの!?やんないで良かった。
「ぐぬぬぅ。はい、分かりましたよっ!」
蘭が不機嫌そうな顔で、何かを呟いた。すると、小屋の中に出た。
「あとは、沙都子だけなのね。ついに…。」
雪が少し赤く染めながら言う。
「私、力が戻ってます。」
海香は笑顔でそう言うと、右手を動かして何かをし始めた。
「呼んだ?…ああ、海香ちゃん。旅についてきてくれるんだっけ?」
星が現れた。
「はいっ。旅なんて、とっても嬉しいです。」
海香と星が光の粒になった。
「最後は沙都子ね。」
「わたしもやっとだよ。お願いだよ。」
私が沙都子に触ろうとしたとき、霞が悲鳴をあげた。
「広子様がっ!」
葵が叫ぶ。広子がどうしたの?
「こんにゃに早く仕掛けてくりゅにゃんて。」
「僕としても予想外だよ。まさか、広子様を狙ってくるなんてね。」
何の話よ。
「雪の友達を疑いたくはないけど、僕はあえて言おう。この中に1人、裏切り者がいる。」
裏切り者?
「ボクもしょう思いましゅ。」
蘭も言う。裏切り者って?
「僕はその正体も知ってるよ。ふふふ。」
葵がさやと雪のいる方を、チラッと見た。
「まあそんなんより、広子様を助けに行かなきゃ!」
「ん。そうね。でも、沙都子もいるわ。広子の方は、葵、翔子、霞。貴方達3人に頼むわ。いいわね。」
『はい。』
私は早く沙都子を助けに行かないとね。
「私もちゃちゃっと行ってくるわ。」
私は沙都子に触れた。すると、薄暗いところに出た。
「よく見えないな。由里、そういえばリュックに入ってたやつ、明かり点くんじゃなかったか?」
…?あっ!あぁ。思い出したわ。そんなのあったわね。
「ちょっと待って、よく見えないわ。」
リュックから箱を出したはいいけど、ボタンの色は見えないわ。
「しょんくらいの間なりゃ、ボクが。」
蘭が光を放ち始めた。そんなこと出来るんだ。
「早くして下しゃい。」
「えっ、うん。」
私は蘭の明かりを頼りに、どうにか黄色のボタンを押した。すると、明るく輝き始めた。
「おお、その様な物を持っていたのか。」
あれ?さやは知らないのね。
「ん?ここ、甘世界じゃにゃいのでしょうか。もしかしたりゃ、しゃっき割れた地面なんじゃにゃいでしょうか。」
だったら、海があるはずだわ。
「穴にょ中?でそうか。それも、とっても深い。」
あ、穴!?上に光なんて、ほっとんど見えないわよ。
「助けに来たゾー!!」
そのとき、横から土が飛んできた。
「あら?葵君はいないのね。」
4つの影が現れた。照らしてみると、お父さん、悟史さん、永希、知らない女性の4人がいた。
「由里ッ!!大丈夫か!?怖くないか!?」
「ぎゃっ!!」
お父さんに掴まった。
「くーるーしーいー。やーめーてーよー。」
「もう怖くないぞー!安心しろ!」
「ここなら大丈夫です。永希さん!七美さん!」
悟史さんが叫んだ。あの女性が七美ってゆうのかな?
永希と七美?が手を挙げると、体が「ふわり」と宙に浮いた。
「由里ッ!ここを早く出るゾッ!!」
お父さんに引っ張られ、私は地上に出た。
「な、何これ。」
ドーナツみたいな形のとこだった。怖い。落ちそう。はうぅ、穴の中にいるよりも怖いよ。
「葵君はどこにいるのよ。」
葵を探してるの?
「葵は広子を助けに行ったわ。」
「おしょらく、悪世界にいりゅんじゃにゃいでしゅか?」
「分かった。由里、少しの間お別れな。」
さっき現れた4人は消えた。
「にしても、危なそうなところだな。由里、落ちるなよ?」
「でも怖い。はうぅ。」
私は健人の手を掴んだ。恋人みたいよね。気持ちを伝えたら、何が変わるのかな。




