表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
46/146

お主と共にした時は、無駄ではなかったぞ

「行きますわよ!」

私達も、その光に包まれて塔に出た。

「急いで来て下さいまし。」

 走ってく美希にどうにか着いて行った。塔の裏の、崖のような所の先に、1りんだけ花が咲いていた。

「あれ、でいいの?」

「ええ、そうですわよ。」

 葵がそこに行って花を摘んだ。すると、花が光に変わり、葵を包み込んだ。

「でもさ、本当に使っちゃって良かったの?」

戻って来て、葵が言う。

「珍しい花ではあるけども、咲く時間は短いし、持ち帰ってあげることも出来ないから、あまり使えませんのよ。」

「…放っとけばまたすぐ咲くですし。」

「蘭、甘世界スイートワールドの城に転移できるかな。」

葵が小さな声で言う。

「誰を?」

「ここにいる全員。」

「分かったわ。」

光で何も見えなくなり、城の前に出た。

「あっ、逃走者さん達じゃないですか。よくぬけぬけとボクの前に現れることが出来ましたね。」

頼華が笑顔で、瑠美の右腕を握った。

「頼華、とかいったっけ?お話に来たよ。」

葵も笑顔で、瑠美の左手を握った。

「なんでしょうか。」

「痛いです!」

「ねぇ愛華、なんで偽名使ってんの?その姿ならばれないと思うけど。」

愛華?偽名?ばれない?何の話よ。

「葵って…あっあ。も、もしかして。」

頼華が涸れた声で言う。

「分かりました。お話をお聞きしましょう。」

頼華が、最初とは違うもっと広い部屋に案内してくれた。

「お話というのは?」

悪世界ダークワールドを滅ぼしちまおうって話。」

悪世界?何その名前からして、悪そうなとこ。

「そんなこと!」

「君だってうんざりしてるんでしょ。」

「いえっ!」

「少なくとも、4つの世界が協力してくれるよ。」

「は?4つ!?」

どうゆうこと?

「そちらの方々は?」

頼華が戸惑いながら言う。

「…稚夏です。…華世界フラワーワールドは、協力するです。」

「永輝だ。愛世界ラブワールドも、手伝うぜ。」

「沙羅よ。彩世界カラーワールドも協力するわ。」

「希。夢世界ドリームワールドも。」

その話よりも、後ろで「結構痛いな。」って、呟いてる瑠美の方が気になる。そんなに腕、痛かったんだ。

「本当に!?」

「もちろんだよ。」

「分かりましたぁ。甘世界もぉ、協力しましょおぉ。」

あれ?愛唯居た?

「めっ愛唯!?いつからそこに居たんです?」

「最初っからぁ。」

気が付かなかったわ。…てか、最初っていつ?

「愛華、いつ攻めるのが良いか知らない?勝率は結構低いと思うよ。」

「頼華です。」

「その偽名通すの?まあいいや、頼華。」

偽名って?

「王様の誕生日に、油断すると思います。」

「頭の悪いとこだね。で、誕生日っていつなの?」

「502月の6日だったと思います。」

502月!?なによそれ。

「来月か。丁度いいじゃん。」

今501月なの!?

「おい、500月って何だ?」

「知らないわよ、そんなの。」

 私が知る訳ないじゃない。

「どこ行くのー!?」

その時男の子の声が聞こえ、女の子が走ってきた。

「瑠美~。」

走って来た女の子は、瑠美に抱きついた。

「リリじゃないですか。」

あとから、男の子とさやが走ってきた。何でさや?

「星空璃々香でひゅ。」 「君が、勇者さん?」

男の子に手を掴まれた。でも、何つったか分かんなかったし。

「助けて!」

助けてって?

「雪を!雪を!…雪達を!」

雪って連呼しすぎじゃない?

「だ、誰?」

知らない人。やっぱちょっと怖い。

「あっ、失礼。僕はみなみ和也かずや。」

和也ね。私も言った方がいいのかな。

「私は…。」

「大丈夫だよ。全員知ってる。」

何で知ってんの?

「あのよ、解散しちゃダメか?」

「永希様達、いんないから別にいいよ。」

「私が送るわ。」

蘭が右手を前に出すと、光が出てきた。

「じゃあな。」

光が消えると、希、沙羅、永希、璃々香、瑠美、稚夏の6人がいなくなっていた。

「ここは、もう大丈夫よ。」

蘭が言った。えっ?何が?

「じゃあ、いったん小屋まで戻ろう。」

葵の言葉の途中で、もう小屋に出ていた。

「和也君!?どうしてここに。」

「雪、もう大丈夫か?」

「力は戻ってないけど、封印は解けたわ。」

封印?

「じゃあ。」

「いいえ。皆が助かるまで、私はここを離れないわ。」

「そっか。じゃあ、僕も待ってる。」

和也は、雪の隣に座り、何かを囁いた。すると雪が、真っ赤になってうなずいた。どしたの?

「雪ちゃん、真っ赤よ。くくく。」

霞が笑いながら言う。

「なっ、何?ただ暑いだけだわ。」

「それは無理あるんじゃないのぉ?」

「うるさいわね。とにかくっ、実柑はどうするの?残る?行く?」

 雪は、霞を軽く蹴った。

「私、沙都子さんが助かるまで、ここで待ってたいです。」

「そう、分かったわ。次の海香は?今すぐ行くの?」

 行きたいけど、お腹空いたわね。

「もちろん行くぞ。」

さやが即答した。

「僕はまた、お留守番ね。」

葵は瑠美や永希に、会いたかっただけなんだもんね。

「では、行きまひょう。」

「ちょっと待って。お腹空いたわ。」

 食べてから行ってもいいよね。

「あたしの出番ね。」

舞香が台所に消えていった。

「私も、この家から出られるようになるんですね。」

海香が言う。出られないの?

「ええ。この家どころか、この世界の外にも行けるわよ。」

「星さんが私を、一緒に旅に連れてってくれるって言ってたんです。本当に嬉しくて。」

可愛いなぁ。この子。

「出来たよ。」

舞香は、もう料理を運んできた。早くね?でも美味しそう。

『いただきます。』

やっぱ美味しい。はうぅ。

 あっという間に、全て食べ終えてしまった。ふう、お腹いっぱい。

『ごちそうさまでした。』

「今度こしょ行きましょう。」

 私が海香に触ると、砂浜に出た。やっぱりね。なんかそんな気がしてたよ。…名前的に。

「お前ぇ、なんでおいらのことをジロジロ見てんでぃ?」

「にゃっ!?」

びっくりしたぁ。変な少年が目の前に居た。

「すぃー。待ちなさいな。」

小さな少女も走ってきた。

「誰ですかいな?」

か、可愛い。今まで見た中で1番、いや葵の次に可愛い。

「我はさやだ。そやつらが健人と由里。」

「おいらは乙女だ。そっちは妹のいちご。」

「すぃー。いちご~。」

乙女!?名前が?…もしかして、少年じゃなくて少女だった?

「すぃー。聞いたことありますぞ。勇者だったかいな。」

?すぃーってなんなの?

「そう、勇者の方々なのだ。」

 「パチパチパチ」さやが拍手をする。

「すぃー。この海危ない。近付いちゃいけませんな。」

ふぇ?

「すぃー。近付いたものを、えっと、なんでしたっけな。」

「祟り殺すだろう。」

祟り殺す?怖い。

「我、祟りには弱いのだが。」

祟りには弱いって?

「いや、退治しまそう。」

「いけませんな。すぃーすぃー。退治は無理ですぞ。」

…無理?そなの?

「私は言いましたぞ。死んでも私のせいではないですからな。すぃー。」

「おいらたちはこれで。」

乙女達は去って行った。

「そこまで言われちゃ、海を捜索しゅるしかにゃいでしゅね。」

「でも、どうやって?潜る訳にはいかないだろ。」

そうね、潜ってはムリよね。

「船を借りるとかは?」

いい案でしょ!!

「祟り殺すとか言われてるのならば、住民は貸してくれぬだろう。」

なしかー。

「多分、あっちから仕掛けてきましゅよ。」

仕掛けてくる?

「はう?」

 私の右手のくすりゆびについていた、花の指輪が外れた。

「取れなかったはずじゃ。」

「稚夏に返しゅときがきたんでしゅよ。」

稚夏に?

「返しまひょう。開花オープンフラワー。」

すると指輪は、海とは反対の方向に飛んで行った。

「何で取れなかったの?」

「平和になるまでは、勇者が預かりゅことににゃってるんでひゅ。」

じゃあやっぱり、華世界は平和になったってこと?

「海を荒らす悪人よ。」

 海から、女の人の低い声が聞こえてきた。

「誰が悪人よ!」

人を悪人扱いして、失礼ね。

「えっと、海から離れろ!」

…!!えっとって言ったよ!?

「姫様、しっかりして下さいな。すぃーすぃー。」

いちごの声も聞こえたわよ!?

「祟り殺してくれるわ。」

「すぃー。」

すると、海から巨大な魚が出てきた。

「くらえ!!」

その魚の口から、玉のようなものが出てきた。

「危にゃいっ!!」 「由里!!」 「避けるのだー!!」

3人の声が聞こえた。はわわわ。

 怖くて私は目を瞑ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ