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父、奏多守はほら吹きではなかった  作者: てへろっぱ


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61/102

第61話 譲っていいのは、自分の時間だけ



応接室へ入ってきた女からは、薬草と川の匂いがした。


乾燥させた白冬草。

消毒用の酒精。

濡れた木甲板。

蒸気機関の煤。

冷たい運河水。


橋上機関長だったマルタが鉄と油の匂いをまとっていたのに対し。


今度の女は。


橋の下を通り。

荷を濡らさず。

時間どおり岸へ届ける者の匂いをまとっていた。


年齢は七十歳前後。


背は高く。

痩せている。


白い髪を後頭部で固くまとめ。

黒の礼装の上から、濃紺の船長外套を羽織っていた。


胸元には。


白い薬草の花。

一隻の平底船。

三本の波。


それらを組み合わせた銀の徽章。


左手には細長い船長杖。


歩行を支えるためではない。


甲板上で指示を示し。

水深を測り。

係留索を押さえるための道具だ。


後ろには若い船員が二人。


一人は航行日誌。


もう一人は白木の箱と、白と青緑の旗包みを抱えている。


冬城が告げる。


医療輸送船、白冬草号

元船長、イレーネ・フォークト様です


守様の追掛郵袋が可動橋へ接近していることを知り。


薬船を一度後退させ

郵便馬車へ道を譲ることを申し出られた方になります


女――イレーネは、蒼汰へ深く頭を下げた。


奏多蒼汰殿


私はイレーネ・フォークト


四十一年間

東運河で医療物資を運んでおりました


そして守殿に。


親切のつもりで

患者の時間を勝手に差し出すなと叱られた者です


蒼汰は少しだけ眉を寄せる。


父さん


何だ


薬船の船長は

手紙へ譲ってくれようとしたんだよな


ああ


それを断った?


断った


せっかく譲るって言ってくれたのに


譲ろうとしてたのが

自分の時間じゃなかった


蒼汰は、その意味をすぐには理解できなかった。


イレーネが椅子へ腰を下ろす。


机の上へ航行日誌が置かれた。


船名。


白冬草号。


積載物。


解熱薬。

抗菌薬。

輸血保存液。

凍傷処置薬。

外科器具。

清潔布。

麻酔薬。


積載先ごとに。

箱の番号。

温度。

振動制限。

到着期限。


細かく記録されている。


その夜の頁。


東運河第四可動橋。


橋下進入予定。


夜間第二鐘後、十八分。


道路側緊急通行情報。


追掛郵便便一台。


船長判断。


機関後進。

待避水路へ移動可能。


ただし。


守および橋上機関長により却下。


横には、父の字。


船長が譲れるのは自分の休憩だけだ

積荷の期限と患者の時間は、船長の持ち物じゃない


蒼汰は紙面を見つめる。


かなり厳しい言い方だな


守が答える。


必要だった


イレーネの目元が、ほんの少しだけ動く。


ええ。


当時の私は

かなり腹を立てました。


私は三十年以上

医療船を預かっていた。


積荷の状態も。

水門の時間も。

患者へ届く時刻も。


全て理解しているつもりでした。


その私へ。


お前が譲ると決めるな、と。


現場にすらいない男から言われたのです。


父さん

通信筒越しに怒らせたのか


ああ


便利な道具を

最悪の使い方してるな


伝える必要があった


言い方の話だよ


イレーネは航行日誌を開いたまま、静かに話し始める。


白冬草号は。


薬草農園と製薬院がある上流区から。

北東河川沿いの施療院へ。


夜間に医療物資を運ぶ船でした。


昼間は貨物船が多い。


運河も。

水門も。

荷揚げ場も混み合う。


ですから緊急性の高い医療品は

夜間の水位調整に合わせて運ぶ。


あの夜。


積荷の大半は

翌日分の補充でした。


ただし。


六人の患者だけは

夜明け前の到着を待っていた。


肺炎患者三名。

出血中の産婦一名。

凍傷手術待ち二名。


それでも。


第四可動橋の手前で

道路側緊急通行灯が点いた時。


私は船を後退させるつもりでした。


どうしてですか


蒼汰が尋ねる。


橋の上を来るのが

帰還兵へ届ける手紙だと聞いたからです。


イレーネは一度、父の棺がある方角を見る。


私にも

帰らなかった家族がいました。


弟です。


北方戦役へ出たまま。

八年間、消息不明。


戦死通知も。

捕虜通知も。

遺品も届かなかった。


母は毎年

同じ時期に港へ行きました。


船で戻る可能性など

ほとんどなかったのに。


それでも。

戻ってくるなら、水路かもしれないと言って。


母が亡くなったあと。


弟の生存を知らせる手紙が届きました。


蒼汰は息を止める。


生きていたんですか


手紙を書いた時点では。


ですが。


届いた時には

弟は収容地で病死したあとでした。


生存を知らせる手紙は

国境検閲所で七か月止まっていた。


帰りたい。

母に会いたい。


そう書かれていました。


私は。


母へ読ませることができなかった。


イレーネの声は静かだった。


感情を押し殺しているわけではない。


長い年月をかけ。

何度も話し。

ようやく、そのまま口へ出せるようになった声だった。


だから。


帰ってこいという手紙が

出立前の帰還兵へ向かっていると聞いた時。


私は考える前に

橋を譲ると決めました。


一通の手紙が遅れる痛みを

知っていたからです。


蒼汰は何も言えなかった。


船長の申し出は。

気まぐれな善意ではなかった。


届かなかった手紙を持つ者が。


同じ後悔を、別の誰かへ残したくなかった。



それでも断ったんだな


ああ


つらくなかったか


かなり


だが

あの薬を待ってる人間は

イレーネの弟じゃない


父の言葉は冷たく聞こえる。


だが。


蒼汰には少しずつ意味が分かってきた。


イレーネは続ける。


私は機関室へ

後進準備を命じました。


白冬草号を

運河側進入線から外し。


待避水路へ戻す。


郵便馬車を先へ通し。


そのあと改めて橋を上げてもらう。


遅れは

およそ三分から五分。


当時の私は。


五分であれば

薬も間に合うと考えました。


橋上機関長のマルタは反対しました。


第五水門への余裕が減る。

風向きも変わり始めている。

船の後退は、前進より時間がかかる。


それでも私は。


責任は自分が取ると答えた。


蒼汰は父の字を見る。


積荷の期限と患者の時間は、船長の持ち物ではない。


父さんは

そこで口を挟んだのか


ああ


守が答える。


マルタから

船長が責任を取ると言っていると聞いた


それで?


責任を取れるのは

船の遅れまでだ


患者の結果までは

取れないと言った


イレーネが頷く。


通信筒の向こうから

守殿は尋ねました。


五分遅れても

六人全員へ確実に間に合うのか。


私は。


おそらく、と答えました。


すると。


おそらくで譲るな。


その五分を

患者はお前へ預けた覚えがない。


そう言われました。


蒼汰は少し眉を寄せる。


言い方はきつい。


だが。


父の言っていることは正しい。


船長が差し出そうとしたのは。


自分の休憩でも。

自分の給料でも。

自分だけの到着時刻でもない。


薬を待つ患者の五分だ。


本人たちへ確認できない。


返してもらうこともできない。


イレーネは続ける。


私は反論しました。


帰還兵も

手紙を待っている。


あちらも

五分を失えば帰る機会を失うかもしれない。


守殿は答えました。


だから締切を比べた。


手紙は

橋を逃しても、四十分後に次がある。


厳しいが

出立十二分前へ届く可能性は残る。


薬船が水門を逃せば

同じ四十分でも。


輸血保存液の温度管理。

手術準備。

後続船。


失うものが増える。


手紙を軽く見ているのではない。


戻せる方が

待つしかない。


蒼汰は頭の奥へ尋ねる。


父さん

自分の手紙を軽く見られたって

思わなかったのか


少しは


思ったんだ


ああ


でも

数字を見たら薬だった


守は簡単に答えた。


だが実際には。


自分が必死で追いかけた郵袋を。

待たせる側へ置く判断は、簡単ではなかったはずだ。


イレーネが航行日誌の別頁を開く。


その時。


私はもう一つ、勘違いをしていました。


白冬草号は

私の船だと思っていた。


船長である私が。


進む。

止まる。

後退する。


最終的に決める。


だから。


自分が覚悟を決めれば

譲ってよいと思った。


ですが守殿は。


船長が預かっているのは判断権だ。


積荷まで

自分の物になったわけではない。


そう言いました。


薬は製薬院の物。

運河は水道局の物。

船は医療輸送局の物。


そして。


薬が届く時間は

患者の物。


船長が勝手に差し出せるのは。


自分の休憩。

自分の食事。

自分の帰宅時刻。


そこまでだ、と。


蒼汰は小さく息を吐いた。


父さん


何だ


自分には

その考え使わなかったのか


何の話だ


父さんの時間だよ


自分の時間なら

勝手に差し出していいと思ってたんだろ


守が黙った。


他人の時間は守る。


患者の五分を。

御者の休息を。

馬の翌日を。


それなのに。


自分の時間だけは。

いくら削っても構わないと考える。


父の悪癖は。


ここでも同じだった。


イレーネは、父の沈黙を知らないまま続ける。


私は。


守殿の言葉を

すぐには受け入れられませんでした。


弟の手紙を思い出していたからです。


自分が薬船を後退させなければ。


また一通の手紙が

間に合わなくなるかもしれない。


その恐怖がありました。


すると守殿は。


弟への後悔を

知らない患者へ払わせるなと言った。


応接室が静まり返る。


冬城も。

若い船員たちも。


誰も動かなかった。


蒼汰は思わず顔をしかめる。


父さん

それは言いすぎじゃないか


守は少し黙った。


ああ


すぐ答えた。


言ったあとで

悪かったと思った


謝ったのか


その場では

時間がなかった


後日、船へ行った


イレーネの表情が、わずかに和らぐ。


はい。


守殿は三日後。


白冬草号へ来られました。


そして。


弟への後悔を利用して

判断を変えさせようとした。


言い方が悪かったと謝罪されました。


蒼汰は少しだけ驚く。


父は。

少なくとも、後から謝りに行っていた。


イレーネは続ける。


私は謝罪を受け取りました。


ですが。


言葉の内容までは

間違っていなかったと答えました。


私は。


目の前の帰還兵に

弟を重ねていた。


薬を待つ六人を見ず。


自分が救えなかった弟を

今度こそ救おうとしていた。


それは

医療船長の判断ではありません。


姉の後悔でした。


守殿が止めなければ。


たまたま両方間に合ったとしても。


私は次も

同じ理由で誰かの薬を遅らせていたでしょう。


蒼汰は父の気配へ問いかける。


父さんは

エリオに誰かを重ねてたことあるか


守は答えなかった。


父さん


……お前を

重ねたことはある


蒼汰は目を見開く。


いつ


最初の数年


帰せなかった九歳の少年。


その姿に。

当時まだ幼かった息子を重ねた。


だから父は。

余計に一人で抱えたのかもしれない。


自分の息子だったら。


絶対に諦めない。


そう思うたび。

エリオ本人ではなく。


蒼汰を救うような気持ちで探していた時期があったのかもしれない。


でも途中から違った?


ああ


エリオは

エリオだった


父の答えは短い。


それでも蒼汰の胸へ深く残った。


イレーネが話を戻す。


白冬草号は

後退しませんでした。


予定どおり

橋下進入線へ入った。


橋面が上がり。


薬船は通過。


第五水門へも間に合いました。


ですが。


私は橋の下を通る時。


上を走る郵便馬車の車輪音を聞きました。


ごとん。


ごとん。


橋面の隙間から。


ほんの一瞬だけ

馬車の影が見えた。


帰ってこいという手紙が

自分たちの頭上を通っている。


その時。


私は初めて。


譲らなくても

両方が進めることがあると知りました。


自分が全部止めて道を空けなくても。


橋上機関長が秒を計り。

御者が速度を上げず。

駅務吏が準備を整え。


それぞれが

自分の役目を正確に行えば。


橋の上と下。


二つの急ぎが

同じ場所を通れる。


蒼汰は小さく頷いた。


誰かが大きく犠牲になるのではない。


一人が。

自分の責任ではないものまで差し出すのでもない。


全員が、自分の役目を守る。


それで二つとも届く。


イレーネが白木の箱を開いた。


中には。


小さな機関指示器の取っ手が入っていた。


黒い木製。


先端に真鍮板。


真鍮板には三つの文字。


前進。

停止。

後進。


取っ手は。


後進の位置で固定されないよう。

小さな留め金が外されていた。


これは。


あの夜

白冬草号の機関室で使用していた指示器です。


私は後進を命じようとしました。


ですが機関士が

指示器を動かす前に。


橋上から

後退不要の信号が届いた。


後日。


守殿はこの指示器を見て言いました。


善意で後退したことを美談にするな。


後退しなかったから

薬が届いた。


そちらを残せ、と。


蒼汰は取っ手へ触れる。


後進の文字。


船は後ろへ下がれる。


だが。


下がれることと。

下がってよいことは違う。


イレーネは白と青緑の旗包みを開く。


医療輸送船、白冬草号旗。


白い地に。

青緑の川。


中央へ白冬草の花。


橋の下を進む一隻の船。


本式の日。


白冬草号は

この旗を半旗として掲げます。


ですが。


運航は通常どおりです。


守殿を悼むために。

患者への薬を遅らせることはしません。


また。


緊急通行へ道を譲る申し出を行う場合。


船長一人では決定しません。


積荷管理医。

水門管理者。

受入施療院。

橋上機関長。


それぞれへ確認します。


譲る時間が。


誰の物なのか。


誰が失う可能性があるのか。


本当に自分たちだけで差し出してよいのか。


そこまで確認します。


守殿に。


親切の名で

患者の時間を盗むなと叱られたためです。


守が頭の奥で小さく言う。


そこまで強い言葉では


書いてあるぞ


蒼汰は紙面を指で叩く。


父さんの字で

患者の時間は船長の持ち物じゃないって


それは書いた


意味は同じだろ


……そうだな


イレーネは最後に、一枚の紙片を差し出した。


父の字。


譲るなら、自分の持ち物だけにしろ

預かった荷と、待っている人の時間まで

親切の材料にするな

誰かを助けるために、見えない誰かを勝手に遅らせるな


蒼汰はその文章を何度も読み返した。


父の行動は。

一見すると、いつも誰かのために自分を差し出していた。


だが。


自分を差し出す行為も。


家族から見れば。

父の帰りを待つ時間を、勝手に他人へ渡す行為だったのではないか。



何だ


父さんも同じだぞ


何が


父さんの時間は

父さんだけのものじゃなかった


守が黙る。


母さんが待ってた


俺も。


今日聞いた人たちも。


父さんが休まないことで

心配した人がいた


それを。


自分の時間だからって

勝手に全部使ったんだろ


長い沈黙。


父の気配が。

初めて、逃げるように遠くなった。


それでも蒼汰は続ける。


人を助けるなって言ってるんじゃない


ただ。


父さんの夜を

全部一人で決める権利が

本当に父さんだけにあったのかって話


守はすぐに答えなかった。


イレーネも。

冬城も。


蒼汰が父と会話していることを理解し。

静かに待っている。


やがて。


守が小さく答えた。


……なかったのかもしれない


蒼汰は目を閉じた。


父が生きているうちに。

そのことを理解してほしかった。


だが。


今からでも。

父自身が認める意味は、きっとある。


蒼汰は伝える。


父さんが。


自分の時間を全部決める権利は

自分だけにはなかったのかもしれないって


イレーネは父の棺がある方角へ目を向ける。


守殿。


それは

私も同じでした。


船長だから。


私が決めればよいと思っていた。


ですが。


預かることと。

所有することは違います。


船も。

薬も。

乗組員の時間も。


そして。


あなたご自身の時間も。


あなた一人の持ち物ではなかったのでしょう。


守の声が低く返る。


ああ


蒼汰はそのまま伝えた。


ああって


イレーネは深く頭を下げる。


では。


今度は

残された方々へ返してください。


何を?


蒼汰が尋ねる。


イレーネは、わずかに笑った。


守殿が

勝手に使い切った時間の話を。


一つずつ。


ご家族へ。


隠さず話してください。


蒼汰は少し驚いたあと。


頭の奥へ言う。


だって


守は困ったように黙った。


嫌なのか


嫌ではない


恥ずかしい


今さらだろ


そうだな


蒼汰は小さく笑った。


二十三通の手紙。


旧校舎の地下。

第二保管区画。


父が伝えられなかった時間は。

まだそこに残っている。


全部一度には無理でも。


一通ずつなら。


父と一緒に読めるかもしれない。


イレーネが立ち上がる。


守殿。


白冬草号は。


本日も予定どおり

薬を運びます。


見知らぬ誰かへ譲るために

患者を待たせません。


ですが。


自分たちだけで譲れる余白がある時は。


橋の上も。

橋の下も。


両方が進める方法を

最後まで探します。


守が静かに答える。


頼む


蒼汰は伝えた。


父さんが

頼むって


イレーネは船長杖を胸元へ寄せ、深く一礼する。


承りました。


彼女は応接室を去った。


扉が閉まる。


薬草。

濡れた甲板。

機械油。


その匂いが静かに残る。


蒼汰は機関指示器の取っ手を持ち上げた。


後進。


誰かへ譲るため。

自分が一歩下がる。


それ自体は、優しい行為だ。


だが。


背負っているもの。

預かっているもの。

自分の後ろで待っている人。


それらまで一緒に下げてよいとは限らない。



何だ


父さん


俺への二十三通

今度、読むからな


ああ


一通ずつ


ああ


途中で逃げるなよ


逃げない


本当に?


たぶん


そこは言い切れよ


蒼汰は少し笑った。


冬城が機関指示器と白冬草号旗を長卓へ運ぶ。


そして次の名簿を開いた。


蒼汰様


うん


次の方は。


白冬草号から輸血保存液を受け取った

東岸第二施療院の元夜間搬入監です。


薬船は予定どおり到着しましたが。


荷揚げ場には

石炭船の荷車が残っており。


輸血箱を通す道が塞がれていたとのことです。


蒼汰は顔を上げる。


届いたのに

運べなかったのか


守が頭の奥で答える。


船が着いても

患者のところまで行かなければ届いたことにならない


また最後まで見る話か


ああ


どうしたんだ


守は少しだけ間を置いた。


石炭を捨てずに

薬の通り道だけ作った


蒼汰は後進の位置にある取っ手を見る。


橋の上の手紙も。

橋の下の薬も。


どちらも進んだ。


だが薬は。


船着場へ到着しただけでは

患者へ届かない。


次に待っていたのは。


石炭で塞がれた荷揚げ場に。


輸血箱一つ分の道を作った夜の話だった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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