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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第七章 国際社会への仲間入り

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第140話 船の性能



 まあ、聖女様を探しにこの間フランの祖国へ行ったときの様子を見る限り、占領政策をまともに行う気はなさそうだったし、ひどい状況にはなっていなかったものの、占領そのものもうまくいっていないようだった。


 俺の欲しかった小回りの利く船の建造は任せたので、とりあえずこの島で俺のやるべきことは終わったかな。


「では、明日の朝から巡視船を出して、先行している帆船を追いかけよう」


「彼らに任せてしまえば良いのでは」


 まだ、ダーナたちの間では俺の移動は人気がない。

 まあ、彼女らの言いたいことも理解できる。

 俺が直接向こうへ行く理由がないのだ。

 それどころか、今回俺がフランの兄に会うだけだとしても、向こうで直接顔を合わせるのは色々とまずい。


 その場で意思決定できる者が現れれば、連中は俺たちに直接的な武力介入を求めてくるだろう。

 しかし、それは俺たちには受け入れられない。

 かといって、直接断るのもあまり良い結果を招かない。


 前に植民都市から来た連中はとにかく酷かったしね。

 フランに協力するのが当然だと言わんばかりの態度だった……いや、当然どころか、ほとんど命令調で「俺たちの言うことを聞け」とばかりの態度だったことを思い出した。


 うん、あれはないな。

 断交してもいいとすら思ったが、フランの兄と話したことで向こうの事情も分かり、そこまでしなくてもいいかと思い直したくらいだったのだ。


 まあ、どちらにしても俺たちの武力介入は無しだ。

 何せ、この巡視船だけでも簡単に連中を駆逐できるが、それをしても良いことなど一つもない。

 むしろ連中から脅威と見なされるのが関の山だろう。


 それに何より、俺がこの世界に遣わされたとき、癪な話だがあのカミサマから与えられた使命が、前の勇者のように力でどうにかすることではなく「文明をもたらせ」というものだった。

 この船で力押しをすれば、カミサマの機嫌を損ねる。

 まあ、あいつの機嫌などどうでもいいとは思うが、それでも力押しは令和日本人だった俺の感性が耐えられない。


 もっとも、俺が行かなくても武力協力は求められるだろうが、それは最初から無理だとフランの兄を通して何度も向こうには伝えてある。


 とにかく、俺たちの武力介入は百害あって一利なしだ。

 ならば、ここに残って結果だけを待てばいいかというと……これは俺の性格なのだが、待てない。

 往復するだけでもひと月以上かかるらしいが、巡視船で曳航して近くまで行けば、数日で到着できそうなのだ。


 なので、以前からの計画通り、外交使節団を乗せた帆船を曳航し、向こうの沖合の外洋で派遣団の帰りを待つ方針だ。

 途中の交渉状況についても無線で連絡してもらうことになっている。


 そんな感じで居残りの仕事も終わったので、明日からの移動準備を始めた。

 といっても準備といっても人選くらいで、他にすることはない。

 いつものメンバーの半数は使節団の護衛として帆船に乗せているので、どうするか悩むところだ。


 追加で乗せなくても船は動かせるが、どうしたものか。

 俺がこの世界に落とされたときには一人であれを動かしていたし、何なら今回も一人で良いと言いたいが、さすがに外洋で他の船との接触がありそうなエリアだけあって、巡視船周辺の監視は十分にしておきたい。


 まあ、ケリーと半分の部下だけでも問題ないか。

 曳航中にこちらへ残り半分を移乗させればいいし、多分そこまでする必要もないだろう。


 ということで、ケリーにこの先の計画を説明し、理解を求めた。


 先行させたとはいえ、相手は帆船。

 しかも、俺から言わせれば無駄の多い昔の設計の帆船なので、どうしても船足が遅い。

 令和時代とまでは言わないが、大航海時代から少し下るだけでも帆船の船体構造は進化し、そこそこの速度は出せるようになっていた。

 もっとも、速度を出すには自然が味方してくれないと、帆船ではどうにもならないけどね。

 この世界の帆船では船体強度などを考えれば、昔の大航海時代と同様に仕方のない部分もあるのだろう。


 一応、俺も大学校で船体構造の授業は受けたが、そこまで詳しいわけではない。

 大航海時代もこの世界も、どうして同じように水中抵抗が大きくなる設計になったのかは知らないが、多分似たような理由なのだろうと思っている。


 で、話を戻してこの船だが、ただでさえ不審船を追跡することも考慮されている海上警備庁の巡視船を基にした軍艦だ。

 大戦期の駆逐艦以上の速度で巡航できるだけのポテンシャルを持つ。

 しかも、この船に限っては燃費など一切気にしなくていい安心設計……あ、これはあのカミサマがこの世界用に合わせた親切設計、ということにしておくか。


 そんなわけで、外洋に出るとすぐにレーダーで先行している帆船を捉えた。

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