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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第七章 国際社会への仲間入り

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第138話 応援派遣



 


 長い話し合いの結果、俺たちはフランの兄に勢力として正式に協力することにした。

 これにより、わが勢力はこの国際社会から正式に仲間入りすることを意味する。

 商業連合国の同盟者として。


 で、その協力についてだが、俺たちは情報面だけを担当することにして、決して戦力としての活動はしない。

 戦力ならば本当に俺の持つ巡視船があればほとんどこの国すべてを攻め落とせるだけのものはある。

 内陸奥部まではさすがにヘリ攻撃くらいしかできないけど、それに何より攻め落とすだけで、決して占領まではできない。

 占領などはどうしても歩兵の役割で、海軍や空軍だけでは防衛戦はできても攻略戦などは無理だ。

 何より、俺達には人がいない。

 攻め落としても、占領地を維持など到底無理だ。


 だからというわけではないけど、そんな俺たちの戦力を知ればどこの誰だって、俺たちを便利使いしたいだろうし、何より恐れることだろう。

 物語によく出る魔王攻略後の勇者の顛末ものだ。

 外部の隔絶した力などは、誰も欲してはいても仲間に入れたいとは思わないものらしい。

 自分らがその戦力にとってかわられることを恐れるためだとか。

 なので、先の方針だ。

 それでも俺たちの持つ力の源泉の一つである諜報収集力も侮れないが、それでも情報の重要さはどこまで理解しているかは不明だが、俺の生まれた令和日本でも情報の持つ強力な力の存在を知ろうともしない者たちが多くいたのだ。

 

 まあ、直接どうこうなる性質のものでもないしね。

 まあ、とにかく他を刺激しないよう細心の注意を払うということで、協力していくことになった。

 

 ということで、先ほど帆船をフランの兄がいる植民都市に向け出発させた。

 外交団第一号となるその派遣組の代表として、今回あえてフランは就けていない。

 それどころか、帆船に乗せてすらおらず、代表団のほとんどを人族以外から出しており、その代表者としてドワーフの親方を就けた。

 

 ワイン一樽の報酬で快く引き受けてもらった。


 このあたりの機微について、フランとダーナが何度も話し合っていたようで、要は商業連合に取り込まれないよう人族を外交団に入れていない。

 しかし、護衛としてケリーの部下を半数と、相談役に学院の先生だったエルフのエルムと彼女を補佐するために彼女が連れていた教え子たちを付けて送り出した。


 といっても、俺がこっちですることを済ませてからになるが、巡視船で追いかけ、途中から曳航するので、それほど往復には時間はかからないだろう。

 ダーナとフランからはいい加減過保護はやめろと言われたのだけど、海の中にも魔物がいるし、何より外交交渉に時間がかかりすぎる。


 いまだに令和日本の感覚が抜け切れていない。

 どうしても使節団を派遣したならば当日、遅くとも翌日には現地入りしてないと遅いと感じてしまう。

 さすがに災害派遣団と違うことくらいは頭の中では理解しているけど、あれって、派遣が決まる前の災害の詳細が伝えられてから翌日には現地で救助活動をしているなんてことあるしな。

 あのスピード感は普通の外交の場面ではさすがにないけど、それでも飛行機が飛び立ったら数時間後には現地入りしている。


 まあ、令和でもその使節団を派遣するまでに時間がかかるので、必要が生じてから交渉するまでの時間って、下手をするとこっちの方が早いかも。

 何せ、必要を感じると、少なくともここでは当日中に結論を出している。

 この素早さは、何にも代えて捨てがたい。


 で、こっちに残った俺たちは、この後の情報面での協力について話し合う。

 無線で伝えるのは論外なのでどうしても伝令を走らせることになるけど、ゴムボートでとなると距離に問題が出るし……最悪は今派遣している帆船を使うことになるが……船でも作るか。


 ダーナやフランに相談してみると、「まだ、ドワーフの職人が残っているはずですので相談してみたらどうでしょうか」


 親方がこの場にいないけど、彼の部下の職人はまだ多くが残っているので、彼らに相談して俺の知る大型ヨットの概略図を印刷して相談してみる。


「そうだな、あいつらも親方がいないから暇になることだし、すぐに呼び出すか」


 俺の要望をダーナがすぐに受けてくれ、昔の部下になるドワーフたちをこの場に呼んでくれた。


 がやがやとにぎやかに彼らが集まってきた。



「なんだ、これは。

 スプールとかいうやつか……少し違うが」


「ええ、そんなものなんですが、ここで作れますか」


「作れないことはないが……、まあ、親方もいないしほかの仕事を命じられることもないしな」


「親方と同じ報酬で手を打つぞ」


 ドワーフたちが酒を要求してきたので、ダーナがたしなめる。


「おまえらな~。

 これは仕事だ」


「そうですよ、守様。

 そうやって甘やかすのは……」


「そういうが、彼らはこの船(フェリー内)で生活させていないしな。

 そこへ行くと女性たちは……」


 そうなのだ、ここでの生活はこの世界水準からしたらどこで生活していてもかなり良いらしいが、それでもフェリー内で生活する者と、上陸組とでは生活水準に大きな隔たりがある。

 また、一部リーダーたちを除くと、彼らには船に呼ぶことはあってもここで生活させていない。


 そう、俺の女かそうでないかで大きな差があるので、俺も少々気にはしていた。


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