↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第六章 新たな仲間

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
129/146

第129話 慰問団に成りすまし



 翌日にはソフィアを団長とした慰問団という体で聖女を探す上陸組がベースキャンプを出発した。

 俺は、フラン達と巡視艇に戻っていたが、ケイトたち騎士組がベースキャンプを守っているので、翌朝にもボートを出して浜に作ったベースキャンプにフランと一緒に向かった。

 予定ではフラン達を一旦戻してからもう一度ここに来るつもりだったのだが、前にも聞いた『あっちの方は任せているので心配ない』との一言で、戻ることを拒否してきたのだ。


 これならば、巡視船にベースキャンプを置いてもよかったとは思うが、もし上陸組がギリギリで逃げてきた場合では対処が遅れるから、仕方のないことなのだと考えることにしている。


 昼過ぎに上陸組から無線が入り、無事に目的の村に到着して慰問を始めたとあった。


 しかし、この世界が俺のいたような情報が簡単に行きかう世界でなくよかった。

 慰問団団長のソフィアはいわばお尋ね者だろうに。

 そんなフランが敵地、たとえ教国内ではないとしても教国と実質的に同盟関係にある帝国が支配している地域内で自由に出歩けるなんて、フランを知らない者がほとんどだからできる話だ。


 お尋ね者でなくとも、教国内での絶頂期?のフランの地位を知っていれば、今頃大騒ぎになっていたはずだ。

 こんな辺鄙と言っても怒られそうにない村に、教国の中心的立場でもある主任待祭と知れば驚かれるはずだ。


「今頃は、村もお祭りのように騒いでおりますわね」


 俺と一緒に上陸組からの無線を聞いたフランが俺に話しかけてきた。

 フランが言うには、大きな町でもなければ、それこそ数年単位でしか慰問団など来ないらしい。

 また、正規の待祭など来ればそれこそ大当たりを引いたような感じで喜ばれるらしい。

 定期的に回る慰問団でも、神職の助手の修行の意味合いが強く、下働きと一緒に神職見習いか、待祭でも、引退間近の故郷に戻る時のついでくらいらしく、あんな働き盛りの待祭が来るのは珍しいらしい。


「それならば村人全員とソフィアは話せるわけか」


「ええ、それに神託を聞いたソフィアならば聖女様が目の前に来れば……いや、そばに来ただけでもその存在を知ることくらいはできそうですね」


「え?

 そんなことできるの?

 神託って、それほど特別なものか」


「え?

 守様。

 何を……」


 フランは俺が何とぼけたことを聞いているのかって感じで逆に聞かれた。

 俺は実際に、いや、夢の中だっけか、どちらでもいいけどカミサマに会っているのだ。

 しかし、俺が会ったことのあるカミサマって、アレだろう。

 アレ以外には、アレにいいように使われて疲れた、それこそ悲哀を感じさせる女神様くらいだし、きっとソフィアに神託をおろした神様は違うのだろうな。

 確かアレは最高神と自称していたけど、それ以上の徳の高い神様なのだろう。

 そう思っていないと、本当に今俺のしていることが馬鹿らしくすら思えてきてしまう。


「どうしましたか?」


 フランは俺が一人あのカミサマを思い出していると声を掛けてきた。

 いかんいかん。

 自分の世界に籠ってしまった。


「いや、考え事だ。

 神託を受けているとなると、今回の作戦は大丈夫だろうな」


「ええ、噂通りにあの村か、近くに住んでいればの話になりますが」


「しかし、もどかしいな。

 ただ待つだけなんて」


「そうですわね。

 ですが……帝国の支配がこの辺りでは厳しくないとはいえ、帝国に支配されていることには変わりがありませんから」


「そうだったな。

 俺たちは帝国からしたらお尋ね者に近い存在だしな」


「使徒様でもある守様は違いますが、私は確実に手配がかかっているでしょうね。

 逃げる時に、船を壊してきましたので」


「船を壊したのは俺だけどな」


「そんなこと帝国の人は誰も知りませんよ」


「それもそうか」


 フランとたわいもない話をして時間をつぶしていたけど、それでも時間を潰しきれない。

 だからと言って、近くをうろつくのも危険だ。先にフランから言われたわけではないけど、この辺りも区分上敵地にあたる。

 軍人としての訓練はそれこそ促成栽培のような感じしか受けていない俺でも、敵地で散歩などありえないし、無用なリスクを好んで取る愚は犯せない。


「守様」

 

 俺がこの後どうしようかと考えているとダーナが声を掛けてきた。


「あれ、守様の御業を使えませんか?」


「御業?」


「船から飛ばして、様子を探るあれですが」


 ダーナが声を掛けてきたのは、ダーナも暇だったらしく俺と同じように崖上の様子を探りたかったようで、俺にドローンを飛ばせと言っているのだ。


 しかし、ダーナの言い分は尤もだ。

 ドローンならば多分だが十分に活動範囲にあるはずだから、上陸組がいる村の様子を映像で探ることができるはずだ。


 俺たちは、ベースキャンプを守護している騎士たちに一声かけてからボートで巡視船に戻っていった。


 戻ってすぐに、偵察用のドローンをすぐに飛ばし、上陸組を追いかけていく。


 途中周りの監視をしながらだが、すぐに村の上空まで来たので、監視を始めるが、かといって低空まで高度を落とすことも憚れたので、上空20m以上は高度を取りながらの観察になった。


 村中央付近にある広場では人だかりができており、その中央付近に祭服に身を固めたソフィアが集まる村人たちに声を掛けながら奇跡を起こしていく。


 何のことはない。

 この世界では一般的な治療魔法をかけているらしいのだが、その治療魔法は俺からしたら十分に奇跡だ。

 とてもあのカミサマが関係した力ではない。

 アレには絶対にできない心配りの効いた魔法だと俺は思う。


 ソフィアは魔法を使いながらも何やら村人たちに話しかけている。

 多分、噂のあった聖女の話を聞いているようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。