「キッチン肉」の建設を目指して①
というわけで 牧場のある山裾、つまり 馬の放牧場の端を流れる川の近くに、キッチン「肉」を建てることにした。
念の為に、りょう君に 肉料理にも興味があるかと尋ねたらときに
「気が向けば。 手元にあれば」というお返事が返ってきたので、
彼も参加できるようにと。
◇
なので 川から 用水をひいて、その上にかぶさるように、一部川床形式のバーベキュー場を作ろう。
清流からの涼気が 食事場所をすがすがしくするか、
それとも 湿気により蒸し暑くなるかは その時にならないとわからないけれど。
一応は 過去の環境データを入力して、計算はしてみた。中央制御室で。
①建物の耐火性と、建設予定地の湿度と涼風の流れを勘案して、川床形式の建物を建てるために、建物の床下を流れる用水を掘るのに向いた地形と 用水を流す方向などを。
②さらに、りょう君の了承を得たうえで、中央制御室に蓄積されていたりょう君の行動パターンを分析して、りょう君が実際にバーベキューに参加できる範囲、りょう君にとって快適な食事条件と調理条件を割り出した。
(なぜ そういう計算を 「料亭川床」を建てる前にしなかったっかてって?
そのときは そこまで思いつかなかったのよ(;^_^A
それに 船宿や料亭をを建ててから、中央コンピューター内でのりょう君の行動パターンの蓄積が飛躍的に増えたということもある。
そして 今回は、りょう君が訪れやすいように、
つまりは りょう君の船宿や料亭での活動経験データと ご本人の感想を組み合わせて、
今度の「キッチン肉」の調理に反映させたともいえるわけ。)
◇ ◇
なにしろ、「キッチン肉」建築予定場所を確認に川辺へ行ったとき、
様子を見に来たりょう君曰く
「正直に言えば 肉料理を食べることにそれほどの欲求はないが
燻製など 水産物加工にも共通する 肉の調理方法には興味がある」
「食べに行くというよりは 調理を見に来る方が ありうるな。
場合によっては 一緒に調理したいかも」
ということだったのですから。
◇
そして シバとフェンは目下のところ、調理に関しては 完全にこちらにおまかせスタイル。
「食べることに欲望はあるが、料理は任せた!」フェン
「僕の手 これだよ」と前脚を上げて肉球を見せるシバだもの。
これは、シバやフェンをよんで、「キッチン肉」の建設予定地を案内しながら、意見を聞いたときの会話だったんだけど・・。
この時 一緒に来ていたフォーンが 突然話しに加わってきた。
「だけど 君たち その気になれば人化できるんじゃないの?」フォーン
「人化しても、料理をしたことはないなぁ」シバ
「わしは もてなしを要求する側じゃもの」フェン
でしたから(笑)
◇
「まあ 生肉食が基本なら、キッチンは利用しなさそうだねぇ」私
「そうなると 「キッチン肉」の利用法も、私が食べたい肉料理の開発と
保存用肉の加工がメインになるわね」と言葉を続けると
フェンの方をチラチラ見ながら シバ言い出した。
「ということは 気に入った肉料理を毎日食べたいということになれば
僕たちにも 調理を覚えろと?」
「海坊主は もっぱら食べることに専念しているようだが?」フェン
「そもそもの話は、あなたたちが 月に一度くらいは 肉料理を食べたいって話からはじまって、
そのためのお食事処を作るなら、合わせて 私の 毎日の料理を充実させるべく
肉料理の開発できる場所にもしよう、とか 水産物の調理や加工と 肉の扱いの共通点を探って 両方の料理を充実させようとかって考えたってだけのことよ。
ねー」
と、最後の「ねー」だけは、 川をさかのぼって来て、私たちの話を聞いていたりょう君の方を向いて言った私。
「まあな 料理の世界と言いうのは 追及すると 奥行きが深いからなぁ」りょう君。
「わん わん わん」興奮して 自分のしっぽを追いかけるように クルクルと回りだすシバ
(えっ シバって子犬だったの?)と驚く私
フェンは そんなシバをしばらく眺めてから あくびをして一言
「やめんかい、そんなことをして 目が回って倒れたら あとが大変じゃろうが」
そして 尻尾でベシリと、シバの腹をたたいた。
「あー びっくりした 助かった。
頭の中がぐるぐるしてると、自分で止まるのがむつかしいんだよ」シバ
「お主も まだまだ若いのう」フェン
「ずいぶん久しぶりに クルクルしちゃったぁ」シバ
「そうか 少し干し草の山の上で寝転ぶとよい」
そう言って 干し草の山を急に出現させたフェン
「ありがとう」 そういって どさっと干し草の上に横たわるシバ
「その草どうしたの?」\(◎o◎)/!
「あー 裏山の奥に 香りのよい草が自生しておってな
そこで集めた干し草と、ここの畑でとれた麦わらをブレンドして
わしの寝床として使っておるのよ」フェン
「僕は 稲わら派、
フェンは香り草入りの麦わらを使っているんだ」シバ
「そうだったの。
あなたたちも この3年の間に いろいろと生活の快適化を実現していたのね」私
「規約には 反していないよ」シバ
「確かに 裏山は 侵入者の警戒と 内からの迷子の連れ戻ししかお願いしてなかったものね」
「3年もたてば 元からある土の中から いろいろなものが 芽をだしてくるものよ」フェン
「そういわれればそうかもしれない。
今度 様子を見に行こうかなぁ」私
「その時は声をかけてくれれば案内するぞ」フェン
「ありがとう。その時はよろしく」私
とまあ、「キッチン肉」の建設予定地の視察から 話は 予想外の方向に転がったのでした。




