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家ごと引っ越し!←自宅ごと転移しちゃった(;'∀')  作者: 木苺
第3章 そして今・これから (その1:人外たちのお食事処)
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食べ物の好み

妖精さんや神獣など、眷属等となって ここでの暮らしを支えてくださっている皆様。


この方々も いろいろと食事をなさるのでした。


ただ 今まではそのことについて話し合ったのことがなかったので

思い切って 食事についての希望や不満、感想などを聞いてみることにしました。


◇

まずは フェンやシバのいる牧場にて。

(彼らには、食肉が分配されていることは知っていたのですが・・。)


◇


「ねえ 普段の食事はどうしてる? 量は足りてる?」


「なんだ わしらが 霞《かすみ》を食って生きていると思っていたのか?」

神獣フェンがにやにや笑いながら言った。


「必ずしもそうではないけど、なんとなく 聞きづらかったというか・・」私


「実はねぇ、ちゃんと 食用のお肉をわけてもらってたんだよねぇ」神獣シバ


「わしらが面倒を見ている家畜を直接襲ったりはしていないぞ!」フェン


「もちろん わかってますって!。お二方《ふたかた》には 信頼と感謝の念しかありません。」


「うむ わかっているのならば良し」

重々しく答えたフェンは一転して楽し気な口調で話し始めた。

「ちゃんと 食事としてジテコが運んで来たものを、な♪」


「銀のお盆に載せた皿に入ったお肉。きちんと銀の蓋までかぶせて運んできて

 僕たちの前に置いてから、ロボットがちゃんと蓋を取ってくれるんだよ。

 その蓋を開ける瞬間が 一番楽しみなんだ♪


 今日のお肉はどんなかなーって感じで。」

ニコニコしながら、フェンの後を引きついで説明を続けるシバ


「そうだったの」

「ところで それって生?」


「あー。

 たまには調理してあってもよいのではないか?」フェン


「えっ、お料理のほうがよかったの?」


「たまにな、あっさりとしたシチューとか野菜の付け合わせ付きのレアステーキとか 人が料理したものも味わいたくなる」フェン


「ぼくは 肉じゃががいいな」シバ


彼らは これまで、 生肉を盛った銀の食器セットを愛でながらも、たまには生肉ではなく料理が食べたいと思っていたのでした。


◇ ◇


 一方 海の妖精ピーターと蛸入道の分については、食材の分配記録がなかったので、おそらく 彼らは自給自足しているのだろう。

 湖の主のりょうくんは 自分で漁をして料理もするようなことを言っていたけど・・


◇


「ねえ 普段のお食事はどうしているの? 今 食べたいものは?」

海になる予定の海水湖に流れ込む川の河口付近の汽水域に、お三方(さんかた)に集まってもらって 尋ねてみた。


「海鮮料理が食べたい!」

ピーターの言葉に うなづく蛸入道。


蛸入道は、私たちが頭だと思っているおなかの下部を少し折り曲げると、ちょうど うなづいているように見えるのだ。

 そして 私たちが「うなづき」と受け止めるとわかって そうやって「同意」の意を示してくれる蛸入道は 親切だと思う。


「旬の川魚はどうだ? うまいぞ」

海の仲間に向かって声をかける「湖の主りょうくん」。

(今日は 湖から流れ出した川が海に流れ込む河口まで、船を使って下って来てくださったのだ。)


 「とはいえ わしも 海の幸の味をみたいな」

りょうくんは 今度は私の方を向いて言った。


ちなみに りょうくんは自分で調理もする。

 得意なのは 川魚を串に刺した塩焼き

 気が向けば 「あらい」や「ふなずし」など、主に和食系の淡水魚の料理もなさるらしい。


「客がのうては、料理する意欲も衰える。

 それに たまには 川魚以外のものも 食べてみたい」りょうくん


「ぼくも! 昔は ぼくも 自分で いろいろなメニューを作ってみたけど

 最近は ぜんぜん。

 その点 ここでは、ジテコに 希望の献立を頼めば

 しばらくしたら それと似たような料理が出てくるから助かってる。

 もっとも 変なメニューや おかしな味の料理の時も多いから

 最近は 無難なメニューを選んでいるけど」ピーター


「わしに 調理は無理だぞ」

  ぶんぶんと 吸盤のついた足をふりまわしながら、海面をバシャバシャ言わせる蛸入道。


「おまえさんたち 海の幸を求めておきながら、

 わしのために 料理をもって来んとは なにごとぞ!」


「すみません。そこまで気が利かなくて」あわてて 平謝りの私


「何言っているんだい。

 君が 海の幸を提供したあとには、

 君の眷属のトビウオ妖精に命じて、それらがいつ調理されるか調べて

 出来上がった料理を こっそりと 自分用にとりわけさせて 運ばせているのを

 僕は見たぞ!」ピーター


「運ばせる前に ちゃんとジテコを通して了解をとっているわい」海坊主


「だったら そのとき 僕も呼んでくれたらいいのに!

 喜んで お相伴するよ、僕」ピーター


「なんだ お主も欲しかったのか。

 いちど 食事に招待したら 逃げ出したから わしとは気が合わぬのかと思っておったぞ」海坊主


「あんときは 寄生虫付きの刺身に 軟体動物の踊り食いだったからだよ!」ピーター


「ぼくの食事の好みは ちゃんと料理したもの、つまり人間よりなの!!」ピーター


「だから この足では 人間のように調理できんのじゃ~」

真っ赤になって 今にも湯気を出しそうな海坊主


「それでは 今度 金太の料理によるお食事会を開きましたら

 お越し頂けますでしょうか?」私


「喜んで!」ピーター


「ふむ 味を見に行ってやってもいいぞ。

 といっても わしは遠出をすかんのじゃが」海坊主


「とはいえ わしらは 己の領域をはなれられぬのじゃが」りょうくん


「それでは 河口近くの浜辺で開くということで どうでしょうか?」


「べつに 河口近くの水上でも構わぬぞ」海坊主


(ちなみに、金太が料理の勉強のために作った「お試し調理品」が「守護者トン他」に配られていることは 記録を見て知っていたが、

「他」の部分に、ピーターが含まれていることまでは、まったく気が付いていなかった。)

 



◇再び 牧場にて ◇


と言った具合に、積極的に 人間よりの料理に食欲を見せた面々を中心に

その他の 人外の方々にも招待状を配って

お食事会を開こうかと思う。


「うーん 献立、どうしよう・・」

悩む私に、シバが言った。


「とりあえず 君の夕食に 僕たちが招待されるってことでいいんじゃない?

 そんなむつかしく考えなくても」


「そうだ そうだ。

 わしとて、人間の食事のことはよくわからん

 とりあえず 食べてみたい と言った好奇心半分だからな」フェン


「僕たちなら 海辺でも 山の中のピクニックでも どこにでも行けるからね」シバ


「りょう君も海に流れ込む川の河口付近までいけるのではないかな?

 今度たしかめておいてやろう」フェン

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