第24話 不思議な不思議な生徒会長
会場の一番目立たない置くという事もあってララちゃんやカレンティシアちゃんとの漫才に付き合っていたけどさ。
その間にアリス魔法学園の生徒会とか言う人達が壇上に上がってたみたいだね。それにあの黒髪の女の子どこかで会ったことのある様な気がするんだよね……
『これより。アリス生徒会長の祝辞を始めさせて頂きます』
「今年度入学の新入生の皆さん……」
ファンタジー世界の筈なのに生徒会って。この世界の世界観に合ってない言葉だね。まぁ、学園が舞台のエロい百合ゲーだから別に良いのかな?
しかしアリス生徒会長なんてキャラクター。ゲームでは終盤に出てくる隠し攻略キャラクターだった筈なのに何でもう登場しているんだろうね。
何で見た目あんなに若くなっているんだろう? たしかゲームだとナイスバディーな女の子だった筈なのにさ。
まさか伝説の幼女化の薬でも飲んで若返っちゃったのかな?
《乙女達は男装乙女に恋をします》のゲームでも生徒会敵対ルートがあって。これがなかなか手強い強敵なんだよね。
『…………ジーッ………キッ!』
おしとやかな雰囲気。長い黒髪をポニーテールにして制服を着ていれば。その姿はまるでかぐや様そのものに見える娘が僕をきつい眼で見ているよ。
そんな眼で見るのは僕の直ぐ近くに座っているカレンティシアちゃんだけにしてもらいたいものだね。
………なんだい? その挑発的な目は? ヨルンちゃん。僕が課した『誓書』との契約で常時ノーパン筈なのに。そんな逆らう様な眼をするなんて。お仕置きが必要なのかな?
それにあの百合の花畑で会った時とはだいぶ見た目が若いようだけど。僕の眼からは決して逃れらないんだよ。
君の今の状態を丸裸にしてあげよう。鑑定眼発動っ!
ピッ! ピッピッピッピッジッジッジッジ……ピコンッ!
◇
種族・人族 ヨルン・カグラザカ レベル41
ジョブ 強制使用人 悪童専属メイド
魔法 強制封印中
特技 ノーパン健康法 羞恥心ご奉仕 絶対服従
加護 服従の加護 誓いの加護
称号 契約の束縛
◇
…………凄いステータスだね。『誓書』ちゃんはヨルンちゃんにとんでもない十字架を背負わせちゃったんだね。
これはたしかにこんなデバフをかけている相手に再会したらあんな怖い眼にもなっちゃうね。
『…………つっ! 下。スゥースゥーします』
でもなんかさ。あのヨルンちゃんの姿を見ているとちょっといじってあげたくなってきたよ。
ヨルンちゃんのお腹には怪しい魔道具店や闇ブローカーから大量にかった何かよく分からなくて怪しい快楽典紋章ていう魔道具で僕と契約してもらったんだけど。
たしかこうしてあ~してこうすると。お腹の快楽紋が活性化して凄い事になるんだよね。
「………ふぁ?!………くぅぅ////」
壇上のヨルンちゃんの様子がだんだん変化してきたね。お腹を抑えながら顔を赤くし始めたよ。
えっと……快楽紋の魔法陣を描く様になぞるとはんのうするんだっけ?
「ふっ……くぅぅん////……んあぁ?!……(キッ!)」
ヨルンちゃんは身体をモジモジさせながら涙眼で僕を睨み付けてるよ。どんだけ身体が敏感になったらそんな眼光鋭く睨み付けられるんだい。ヨルンちゃん。
「ちょっと。ヨルンどうしたのよ? 今、会長が祝辞を述べているのよ?」
あれ? ヨルンちゃんの隣に居る人って。僕に戦利品をただでくれた先輩とか言われてた人に似ている様な。
「だ、大丈夫でしゅ……シェンパイ……私。勝手に気持ち良くなんてなってませんから」
「気持ち良く?……まさか。あの時の悪童野猿の仕業? あの悪童野猿っ! ヨルン待ってなさい。今、妨害魔法をかけてアンタを苦しみから解放してあげるから」
「へ?! ま、待って下さい。シェンパイ……今、そんな事にされたら私……駄目になっちゃいますからぁ」
あっ! 不味いね。バレちゃったよ。遠距離での快楽紋の操作はかなり精密に行わないといけないんだ。だからいきなり妨害魔法とかされちゃうとさ。
プツンッ!
「………くうぅぁん////………気持ち良すぎて意識飛んじゃいますぅぅ!!」
契約している娘の魔力回路が暴走してね。頭のドーパミンとかがドタドバ出て凄く興奮してとんでもないないことを叫んじゃったりするんだ。
今、壇上の上に居るヨルンちゃんみたいにね……凄い事叫んじゃって。ヨルンちゃんは魔性の変態さんなのかな?
「あの生徒会の清楚なヨルン様が気持ち良いとか言ったのか?」
「何と今年の入学式はいったいどうなっているんだ?」
「………凄い叫び声だったわね。」
なんてなって新入生、在校生、来賓からも凄い目で見られてるよヨルンちゃん。そしてごめんよヨルンちゃん。
こんな衆目の目前で恥ずかしい思いをさせちゃってさ。今度僕も同じ台詞をセイフライド領地の大草原で叫ぶから許してね。
「ふぇ……私。そんな……」
「ヨルン……ごめん。私が余計な事を言ったから……」
ヨルンちゃんを指差しながらも何やらひそひそ話をする人達も居るね。こうなったら『妖精祭典』で皆を眠らせて………
「周りがうるさいですね。『零鏡世界』」
ガコンッ────ゴーン! ゴーン! ゴーン!
巨大な古時計が入学会場の天井にあらわれたね。そして壇上の中央に立つアリス生徒会長を中心にきみの悪い魔力が会場全体を覆っていく。
「?! これは? 不味いね。ララちゃん。カレンティシアちゃん。ごめんっ! 突然だけど手を掴ませてもらうよっ!」
「へ? シン様。遂に私達添い遂げられるんですの?」
「ちょっとっ! 勝手に触らないでくれない? 変態」
「神器発動『妖精祭典』」
ズズズ………
この空間の歪ませる力を回避する為に僕は『妖精祭典』の力を使って一時的にこの世界から別の小さな異世界に避難した。
アレクシアの方はあの子が居るから大丈夫かな?
「これ何なのぉ?」
「アレクシア様っ! シン様の元へ逃げましょうっ!」
「無理よ。間に合わない……何なのこの力? こんなの聞いてないわよ。クリス様」
「………ホーッ!!」
遠くに見える白い鳥は……あの子がアレクシアを守っているなら大丈夫かな。
ゴーン! ゴーン! ゴーン!
「あら? この世界から逃げれる手段を持ってる子達がいるなんてビックリですね。それも6人も……今年の新入生は本当に豊作なんですね。夢世界」
────シュンッ!
そして今日の入学式で起きたハプニングは一部の生徒達意外の全員が忘れて。入学式は無事に終わった記憶として会場皆の良い思い出として刻まれたんだ。
そして入学会場で起きた不思議な体験を覚えていたのは僕、アレクシア、レイラちゃん、ホロウ、ララちゃん、カレンティシアちゃんの6人だけだったんだ。
◇
《鏡の国 鳥の籠》
「あれ? 外のアリスちゃんが力を使ったみたいだよ。アリスちゃん。オホホホホ!!」
「うぐぅっ!……ハァ……ハァ……ハァ……ここから出して……」
「オヒヒヒッ! 可哀想な可哀想な鳥籠のアリスちゃん……出すわけねえだろう。一生ね。オホホホホイヒヒヒ!!」
「……イヤァ……誰か助けて」
◇
《上級クラス》
「皆さん。ご入学おめでとうございますっすっ! これから私がこのクラスを担当するライチさんっすよ~!」
「綺麗な担任の先生だーっ! やったーっ!」
「魔法使いライチって魔法界でも指折りの実力の筈だよね? そんな人が僕達の先生だなんて。凄い」
「これで補欠合格組とまた差ができてしまいますわね。オーホッホホッ!」
「ライチ先生……最悪なのぉ」
「ラ、ライチ先生が上級クラスの担当ですか?」
「え? 何? あの人何かあるの? ライチ先生って。アリス魔法学園の歴史でもトップクラスの魔法使いよ。何でアレクシアもレイラも残念そうな顔してるのよ?」
「シン君の居るクラスに入りたいのぉ~! 離れたくないの~!」
「私もです。アレクシア様~!」
「ちょっと2人とも。何でいきなり泣き出してるのよっ! しっかりしなさいっ!」
◇
《一方 補欠合格組クラス》
「おはよう諸君。私がこの補欠合格クラスを何故か担任になったアルナント・フォルクスだ。去年までずっと上級クラスの担任だったのだがな。先程緊急の連絡で今年は君達のクラスの担任になったのだ」
「アルナント先生って……リゲイン王国三英傑の1人の?」
「何でこんな落ちこぼれクラスの担任に?」
「見た目若いね~!」
アルナント・フォルクス先生(男)。毎年上級クラスの担任をする超優秀な魔法使いで。《乙女達は男装乙女に恋をします》のゲームでは主人公にゲームシステムやルールを教えるNPCだったんだけど。
何でそんな人が最低辺クラスの担任になっているんだい?
「まぁ……なんだ。家柄、種族、才能といった上級クラスとは埋まらない壁の様なものはあるが。落ちこぼれ達よ。そんな無駄な事は考えるな。先ずはあらゆる死線を越えろ。そうすれば来年にはお前達が上級クラスへと変わるのも夢ではないからな」
「「「お……おおぉぉ!!」」」
あー、アルナント先生のあの口調。この世界の人達が肉体への死に戻れば急激に強くなる事を知っているんだね。流石、優秀なNPCなだけはあるね。それに先生の鼓舞でクラス中の子達が凄い盛り上がっちゃっているよ。
「……それに。今年度に実力1位から3位がこのクラスにいるのだからな。そいつ等からも技術や知識を奪え。そうすればお前達は上級生にも負けなくなるだろう。なぁ? シン・セイフライド」
おっと。アルナント先生から今年度一番の落ちこぼれにお声がかかったよ。
「はい。アルナント先生。僕は今年一番の落ちこぼれなので。クラスの皆さんを見習って学園の勉強を頑張りたいと思います」
うんうん。無難な返答だよね。これで後は人畜無害な生徒を演じて静かにフェードアウトを……
「いやいや何を言っている。遠くで見ていたが入学式でのあの魔法はなかなかだったぞ。セイフライド。お前にはこれからこのクラスの基礎魔法指南の役目を与える。1ヶ月にはクラス全員何かしらの基本魔法が使える様に教える様にしろ。その間に私はコイツ等の魔法適性を研究して1人1人にあったカリキュラムを作り。春終わりまでにはクラスの生徒全員の得意分野を明確にして伸ばしていくからな」
出たよNPC特有の長台詞。この人キャラクター設定が言葉もキツくて冷たそうに見えるけど自分が受け持った生徒の事は本当に大切にして育てて何が何で一人前に育てるとか書いてあったんだよね。それに何でアリスフィアの古代語(日本語)でいきなり話してきるんだい?
「はい? いえ。アルナント先生。そんな僕なんて何にもできませ……」
「ほう? セイフライド領地では超優秀過ぎて教える事がなかったとライチは言っていたぞ。オマケにお金を沢山くれる素晴らしい弟子だったともな。アイツは性格は悪いが人を見る目と魔法の才能はピカイチだ。そんなあれが言うのだからお前は凄いやつなのだろう?」
……あのホスト狂い何を僕の情報を簡単に売っているんだい。本当にろくでもないね。全く今どこで何をしているんだか。関係を絶てて本当に良かったよ。
「シン様と先生は何て話してますの?」
「さ、さぁ……多分古代語(日本語)だと思うんだけど。あの変態。何で古代語をあんなに流暢に喋れるのかしらね?」
◇
《一方その頃 上級クラス》
「先ずは世の中がどれだけ汚いかのお勉強っすよ~! これは私がセイフライド領地で体験した借金が膨れ上がって自己破産の物語なんすがね? エヘヘ」
「ちょっとっ! 何で入学式早々に担任からそんな話聞かされないといけないのよっ! バカなの? アホなの?」
「シン君に魔法教わりたいの~! ライチ先生はお金の事しか頭にないのぉ」
「私もです。アレクシア様。月末にあるクラス入れ替え戦に賭けるしかありません」
「そして、何でアレクシアとレイラは目から光が消えているのよ。どんだけヤバイのようちの担任って」
「借金なんて踏み倒してなんぼっすよ~!」
◇
《再び補欠合格組クラス》
「あの。ですからアルナント先生……」
「勿論ただとは言わせん。ちゃんと私がシン・セイフライド、ララ・エウシュリア・メレクトルク、カレンティシア・エフィルディスの3名は私直々《じきじき》に個人指導をしてやる……それとこの学園に幾つかある神器についても情報をやろう。悪童貴族」
「………なんだ僕の本性見破ってたんですか。ならこのクラス皆に基本魔法を教えるって話乗るしかないですね」
「そうだ。お前に拒否権はない……お前は私に色々と習ってこの可笑しくなった魔法学園を救ってもらわねばならんのでな……」
アルナント先生は教室の壁にかけてあった鏡を一瞬だけ見詰めると悲しそうな表情を浮かべていたよ。
そして僕もアルナント先生が一瞬だけ見た鏡を見ると………そこに一瞬だけ向こう側の不気味な化物がニタリと微笑んでいたのが見えちゃたんだ。




