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【書籍化】枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉  作者: 狭山ひびき
お孫ちゃんズともっふもふ!

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白狼の子供とお孫ちゃんズ 2

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 それは、ステファーニ公爵城を出発して二日目の昼に起きた。

 前方を走っていたエラルドたちを乗せた馬車が停車して、イアナは首を傾げた。

 前方の馬車が停まれば当然後続の馬車も停まる。

 フェルナンドも不思議そうな顔で馬車の窓から前方に視線を向けた。


「イアナ、君はここにいてくれ。何かあったのかもしれない」


 フェルナンドがそう言って馬車から降りる。

 前方の馬車からエラルドも降りて来るのが見えた。


(馬車の調子が悪くなったとかかしら?)


 道中で馬車が壊れないように、休憩の時に御者が馬車の様子を確認しているが、それでも絶対に何も起こらないとは限らない。

 特に、イアナたちが乗っている馬車もエラルドたちが乗っている馬車も、エラルドが改造した馬車である。魔術具が搭載されているのだ。その魔術具の調子が悪くなったとも考えられた。

 大丈夫かしらと心配しながら待っていると、エラルドと話を終えたフェルナンドが戻って来る。

 馬車は、何事もなかったかのように再び動き出した。


「イアナ、すまないがこの先の川べりで休憩にしよう」

「それは構いませんけど……」


 予定では、休憩はここからさらに馬車で小一時間ほどの場所にある小さな町で取る予定だったはずだ。子供を連れているので、極力安全な場所で休憩を取るようにしているのである。

 それなのにどうして変更を――と首を傾げたイアナはハッとした。


「まさかルッツィやカーラに何か⁉」

「違う違う。そうじゃない。あの二人は元気いっぱいだ。……だがまあ、カーラが原因ではあるんだが」

「カーラが⁉」


 さーっと顔から血の気が引く。

 青ざめたイアナに、フェルナンドが慌てたように彼女の隣に移動した。


「だから、病気や怪我の類じゃない。そうではなく……カーラが、妙な気配を感じたというんだ。『なにかいる!』と言って聞かないらしい」

「どういうことですか?」

「カーラは魔術の才能があるだろう? そう言う子はたまに魔獣の気配を感じ取ることがある。エラルドもそうだった。どういうわけか大人になると気配に鈍感になるんだが……、ともかく、エラルドは近くに魔獣がいるかもしれないと考えたらしい。魔獣を放置するわけにもいかないため、この先で馬車を停めて、私とエラルド、それから騎士たちで様子を見に行くことになった。もちろん、君たちの元にもしっかりと護衛を残すから安心してくれ」

「魔獣が……」


 フェルナンドも騎士たちもいるし、エラルドもついて行くというのなら、本当に魔獣がいても危険はないだろう。魔獣から得られる素材を度外視すれば、エラルドが魔術で消し炭にできるというし、フェルナンドも大きなヘラジカの魔獣をあっさり仕留める腕前だ。

 しかし、だからと言って不安が完全に消えるわけではない。


「大丈夫でしょうか?」

「心配するな。だが、イアナにはルクレツィオとカーラが不安がらないようにアリーチャと共に二人についていてやってほしい」

「それはもちろんですけど……」


 イアナはまだ何かを言いかけて、やめた。ここでイアナが不安がってぐずぐず言えばフェルナンドが困る。


「お気をつけてくださいね?」

「ああ。任せておけ。旨い魔獣だといいな」


 フェルナンドが笑いながらそんなことを言うので、まさか旅の途中で魔獣を食べる気かなのだろうかとイアナはつい噴き出してしまった。





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