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ついに、パリでは更なる問題が発生する!
戦時中であるパリに、商人達が入りたがらず、パリは深刻な小麦不足に陥ったのだ!
小麦が不足して、パンの物価が高騰し、パンが手に入らないのである!!
イギリスや北欧、フランス農家が麦粥で頑張る中、パリの誉れ高き美食市民は耐えられない!
マリーは若かりし日、「パンが無ければ、お菓子を食べればいいじゃない。」と言ったが、この発言は、実は高慢ちきな世間知らずでは無い!
パンに使う小麦粉は一流品だが、お菓子の小麦粉は安くて雑なものである!だけど美味しいッ!!
だからって頭に小麦粉を塗りたくった王妃が言っても説得力は皆無だが!
マリー自身が小麦粉不足を気遣ってか、朝昼晩の食事がお菓子なのであった!
しかし、パリ市民のパンへの猛る情熱たるや、お菓子だの麦粥で済む話では無かった!
これに激怒したのは、ラ・ファイエット達国民議会では無く、パリの若い女性達であった!
フランス女性は強い意志を持ち、揺らがない覚悟がある!!
王政である限り!全ての責任はパリを放置している国王にあると見抜き、女性達はヴェルサイユ宮殿に向かって進軍を開始した!!
これが、ヴェルサイユ行進であるッ!!!
女性達がヴェルサイユ宮殿に押しかけると、この緊急事態に、ルイ16世は狩猟から帰ってきて、マリー・アントワネットはプチ・トリアノンから宮殿に戻った!
ルイ16世は女性達の代表数名と対面し、要求を聞き入れて、ヴェルサイユの食料庫を解放!
しかし、集まった民衆は、ルイ16世にバルコニーから顔を見せるように要求した!
応じなければ、暴動が起きる状況下である!!
ルイ16世がバルコニーに現れると、民衆は満足し、国王万歳の喝采が上がる!
しかし、民衆は王妃マリー・アントワネットをも、バルコニーに出せと要求!!
国民に憎まれているマリー・アントワネットがバルコニーに出るのは、かなりの危険が伴っていた!!
だが、王妃の責務として覚悟を決めたマリー・アントワネットは、バルコニーに出て、民衆にお辞儀をしたのであるッ!!!
民衆はその覚悟から、彼女を讃え、王妃万歳と喝采を上げた!!
だが、どちらにせよヴェルサイユ宮殿の暮らしは終わりを告げる!
国王一家はパリに連行され、チュイルリー宮殿の暮らしへ!
ほったらかしで荒れ果てたチュイルリー宮殿は、勝手に住み着いた人を退去させねばならず、あちこち破損しガタがきていて、王子の部屋のドアが閉まらないほどであった!
マリー・アントワネットは最後にヴェルサイユ宮殿から愛するポリニャック伯爵夫人を逃がし、彼女を守りきった!
しかし、ルイ16世とマリー・アントワネット一家は、戦時下のパリ、チュイルリー宮殿暮らしに気が参っていた!
そこに駆けつけたスウェーデン大使、マリーの本命フェルゼン伯は、オーストリア領ベルギーへの亡命計画を持ち出した!
これは余計なことであった!国民から愛されていたルイ16世は、まだこの頃は『王と国民でフランスを改良する』仲間であった……!
フェルゼン伯の提案はこうだ!オーストリアはマリーの実家であるし、マリーの優しき兄、神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世に助けを求めるべく、フェルゼン伯は作戦を進行していた!
ルイ16世とフェルゼン伯は、共にマリーと家族を救うべく、手を取り合って協力す!
しかし、タイムロスが発生した!
当のマリー・アントワネットは捨てられないアクセサリーやお気に入りの荷物の厳選で、かなりの遅れをとってしまい、作戦に漏れが発生し始めた!
だが、ギリギリで強行し、ついに作戦決行!
良いとこの家族と、家庭教師のフリをして、馬車に乗り込み、フェルゼン伯が馬を走らせる!!
しかしッ!!!
ここでまたしてもタイムロスが起きたッ!!!
道中の質素な食事に、王家の育ちのルイ16世がギブアップ!!
家臣の屋敷でまともな食事を摂ることを要求!!
このふたつのタイムロスにより、オーストリア領まであと僅かのヴァレンヌで、ルイ16世一家は民衆に囲まれてしまったッ!!!
ヴァレンヌ逃亡事件であるッ!!!
これ以後は、ルイ16世を愛していた国民達をも、国王が民を見捨てたと呆れ果て、敵対した!
そしてフランスは、各国に亡命したフランス貴族の先導で、オーストリアを筆頭に世界を敵に回して戦争をする!
革命により、戦争慣れした貴族将軍もいなければ、財政が貧弱な今、市民がロクな武装も出来ず、兵士となって戦うへなちょこフランス軍!
敵軍がパリに迫るほどパリは一大パニックに陥り、囚人の虐殺や無差別殺人に至った!
しかしッ!!
フランス軍が初めて一勝すると、フランスは盛り返す!
革命の平等の法、身分や出自は関係無く、実力あるものが出世する、が、ついに功を奏したのだ!
強くて実力ある将軍の指揮するフランス軍に、他国の無能な貴族将軍は勝てやしなかった!
これでフランスは、ヨーロッパ随一の強国となる!
ナポレオン・ボナパルトもこの法がなければ、将軍にはなれなかったのだ!
そしてチュイルリー宮殿には、隠し仕掛け扉が露呈した!
なんとルイ16世自らと彼の師匠が作った仕掛け扉である!
これを使って、王としては親戚、妻のお兄さんに相談していた訳だが、革命軍からしたら、敵国に内通していたことになる!
国民議会は、王政廃止から幽囚の身にあったルイ16世を、ついに多数決で死刑に決定す!
フランス革命の、真の始まりであった!!!
……コンテュニエ!!
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