〜2章〜【魔王の影】
無数の何かが学園を襲っている。建物は今のところ無事ではあるが、いつまで持ちこたえられるだろうか。
「先生、何かできることは無いですか?」
「そうですね、、、万が一に備えて、皆さんの力も借りても良いですか?」
「はい!!!」
「それでは私は建物の外にでて、この攻撃をどうにかするので、皆さんは互いに協力して建物に敵が侵入してきた場合は自己防衛してください」
そういって先生は何やら床に文字を書き記し、建物の外へ出ていった。この建物にいるのは俺たちだけだ。以前、外では空から何かが来ている様子だ。
「俺たちも準備しておこう!」
「君に言われなくても、僕はもう準備してあるさ」
「わたしは教室にある人形を何体か借りて、使えるようにしとくわ!」
みんな物怖じしないみたいで助かった。それにしても外では何が起きているんだろう。教室では2人がせっせと準備しているが、フードを被った子だけは静かに座っている。
「な、何かくるわよ!」
ジェシーがいち早く何かに気がついた様だ。カツン、カツン、カツンと何者かが歩いてくる音がする。俺たちは身構えて、その音の正体を警戒した。すると、教室の扉がゆっくりと開き、黒い羽の生えた男が現れた。
「に、人間?なんでこんな所に?」
一瞬、他の先生かと思ったがみんなの顔を見る限りそうでは無いようだ。羽の生えた男は俺たちの方を見ると、
「ここにいるとは!私も運がいい」
そう言って近づいてきた。すると真面目がお札の様な物を取り出し、男に目掛けて投げつけた。そのお札はたちまち炎となり勢い良く男に命中したのであった。
「誰だか知りませんが、この学園の方ではないですね?少しばかり痛い目見てもらいますよ?」
男はその場に倒れるかと思ったが、そのまま立ち続け燃えながらも高笑いしていた。
「あははは、いいねー!その威勢は気にいったよ!」
そう言って真面目くんを軽く吹き飛ばし、俺の方へ近づいてきた。俺はとっさにブラックボックスと叫び、目の前の男を収納した。
「な、なんだったの今のやつ!?火だるまになっても平気だなんて異常だわ」
俺は収納した男の持っていたスキルを確認しようと、ステータスを見てみたが何も収納されていない状態となっており困惑した。分身か何かなのか?
「まったく、あいつは何なんだ?」
吹き飛ばされていた真面目が起き上がっていた。外を見てみると攻撃は落ち着いている様子であった。
「みなさん大丈夫ですか??」
カロン先生が教室に戻ってきた。何とか騒動は落ち着いたみたいであった。
「中にまで入ってきてしまったんですね、申し訳なかったです。みなさんなら大丈夫だと思ってましたよ。ん!?」
みんなが安堵した途端、突然カロン先生が何者かに貫かれた。
「な、にものだ??」
教室にさっき燃やされたはずの男と、ゴスロリの女が現れた。
「言われた通りに様子を見てみましたがどうでしたか?」
翼の生えた男がゴスロリの女に話しかけている。
「ご苦労様。後は好きなところに行きなさい。して、そこの男は面白いスキルを持っているな」
親玉の登場って感じだな。先生は動けないだろう。ここでブラックボックスを使うのもいいが、さっきの男には使えなかったのもあるし、どうするべきか、、、。
「お前、わたしの物にならないか?悪いようにはせぬぞ??」
まさかの提案をしてきた。いきなり学園を攻撃してくるような奴だ、関わったらどうなるかわからない。だか、ここは何とかしなければ。
「まずは、正体を明かすことが先じゃないか?」
一か八か、賭けに出てみた。
「ふん、私のことを知らないのか?下等生物には知られていないのだな。いいだろう!教えてやる。私は死を司る魔王エルシェだ。お前に興味があって観察させてもらってたぞ」
まさかの魔王の登場か!異世界ではあるあるだけど、展開が早すぎてついていけない。そもそも魔王っていないんじゃないのか?
この魔王エルシェとの出会いが、俺の転移した理由、ひいてはブラックボックスを得た理由を知るきっかけになる事を俺はまだ知らなかった。




