表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/165

第66話 ガデルの〈レコード・ノート〉

「これって…………」



 ――ガデル。勝手に書き込んですまない。もとはと言えば、藍なんだけどさ……。こっから先のバトルは、任せてくれ。



「えっ?!」



 ――その、ノートに書かなくていいと説明した方が、しっくりくるか……。実は、面白いことを思いついたんだ。隠蔽はしてある。安心して欲しい。



 執筆用のノートに刻まれた、主人公が書いた文字。主人公が作者のノートに書く日が来るとは、思っていなかった。


 ノートのページをめくり、読み進める。そこには、ルグアが書いたのだろう、今後のシナリオがぎっしりと詰め込まれていた。


 1ページだけではない。ノートの最後のページまで、文字で埋まっている。


 さらに、私が事前に考えていた、別のゲームの詳細設定や、攻略の進行状況まで……。


 はじめは、ルグアがやりたいことだけを、書いているのだと思った。


 だが、細かい描写やテンポ、彼女自身の挫折や立て直しまで、一執筆者の目線で書かれている。


 でも、セリフまではいかないようで、どちらかというと、シナリオチャート。物語の流れだけだ。


「なんでここまで…………。これはただの空想物語だったはずなのに、まるで、現実世界を描いているようにしか…………」


 あとは、作者である私が、より詳しく肉付けしていけばいいだけなのだ。


 バトルは書かなくてもいい。ルグア達が、思うがままに綴ってくれるから。


 私は、ルグアが書いた内容を、1つの物語として、成立させればいい。


 そして、ノートの下には同じ表紙のノート。開くと真っさらなページ。


 ルグアの記述はまだ続く。



 ――あと、ストーリーが浮かび過ぎて、ページ全部使っちまったから、全く同じやつのコピーを6冊用意した。消えないようにはしてあるから、好きに使ってくれ。



「…………う、うぅ〜。あり……がとう…………。大事に…………使います……」


 瞳から零れる水晶が、薄い用紙を濡らしていく。筆は、ルグアのシナリオを使い、新しいノートに書き込んでいく。


 物語は、進み続ける。私にも、どこまで書けるかわからない。けれども、私は今までのキャラクター達を見捨てたくない。


 物語は、進み続ける。戦いや出会いと別れ。そのような物語を私は書きたい…………。


 ◇◇◇その頃ルグアは◇◇◇


「楓、試しに一戦しないか? もう、書き換え終わったんだろ?」


 光のダンジョンに近い、サバンナ地帯で、楓と交渉していた。


「ええ、いいですよ。自分はとても強いので、手加減を…………」


「不要だ。私は本気のバトルが好きだからさ。ほら、本気でかかってこいよ!!」


 相手を挑発して煽り、攻撃を待つルグア。楓は、慎重に武器を取り出す。


 柄は両手で持てるサイズで、刀身はとても長く細い。太刀だろうか……。


 ルグアも、愛剣の〈クリムゾン・ブレード〉を手に持ち、構える。


 そして、2人は同時に刃をぶつけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ