07
隊長さんの話によるとここから馬で5日の所にこの辺りを治めるアベル男爵の領都があり、さらにそこから馬車で10日ほどで王都シュトレーンに着けるらしい。
ただ、この男爵領は辺境にもかかわらず、この王国で唯一海に面してるおかげで、国が指定した開発地域にされており、街や都市はかなり発達し、栄えてるとのこと。
「まぁそれも街道沿いか、海辺の近くにある都市だけらしいがな」
「そうですか」
残念ながらこの辺りはあまり開発されてない模様。
「ところで嬢ちゃんはこれからどうするんだい?無遠慮だが、身内が居なくなってこれからは1人で生活しなきゃならいぞ」
「取り敢えずお金を稼ぎたいんだけど、稼ぎがいい職って無いかい?」
生きていく為にはお金が必要だ。前世では親が少ないが小遣いをくれたし、友達はアルバイトをして稼いでいた。家が貧乏な奴だって役所に届けをだせば、国から補助金だって貰えた。
しかし、こちらの世界には頼るべき政府も、家族も、充実した社会システムも無い。これから自力で働いて生きていかなければならない。
だから稼ぎが良い職を見つけたいんだが、こちらにはどんな職があるのだろう?
「稼げる職ー?即座に安定した暮らしをしたいなら兵士になるべきだが、生憎女性は兵士にはなれないしなぁ···後は、傭兵かハンターか…運が良ければ貴族とかの愛人になれるか…それ位しかないが···」
「待ってくれ。ハンターとはなんだ?」
「なんだ、ハンターも知らないのか?ハンターはな···」
長ったらしい説明だったから割愛するが、要は依頼を受けて魔物を狩ったり、素材を収集したり、護衛をしたりとどんな依頼でも請け負う便利屋のような物らしい。
傭兵の違いを聞いたら、
「あいつらは戦争を食い物にする糞共だ!金に固執して略奪すら平気で行う糞虫共だ!」
との事でした。
まぁ、国や国王とかに絶対の忠誠を誓う彼ら兵士にとって、傭兵は相容れぬ存在であってもしょうがないよね。この世界でも傭兵は汚れ役で我慢して下さい。
「そのハンターには誰でもなれるのか?」
「ああ誰にでもなれる。簡単になれる。年端もいかないガキだろうが、ヨボヨボの爺さんだろうが、誰にでも…だ。ただ、危険な仕事には変わりないから、もしハンターになるんだったら覚悟はしとけ」
先程とは打って変わって、真剣な表情を向けてくる。
「勿論だ。危ない仕事は受けないし、生きていくぶん稼げればいいからね」
「ならいい」
途端に表情を崩し、ニンマリ笑う。
「数日後にハンターに護衛された商人が来る。そいつ等について行って領都に行ってこい」
「ありがとう」
すると隊長さんは立ち上がり、鎧を着て剣を装備する。
「仕事に行ってくる。今日は夕方には戻る。昼はすまないが適当に食ってくれ。夜はスープでも作ってやるからよ」
「自分は外に出かけてもいいのかい?」
「別に平気さ。昨日はあんな事言ってたが、この村の人は差別なんかしないから安心しな」
この村?あいつらはこの村出身じゃないのか?
「分かった。行ってらっしゃい」
「おう!行ってくる」
ガチャ、バタン
「さて···」
隊長さんは出かけてもいいと言ってたが、今はやる事がある。それは神から貰った能力の効果を調べることだ。
俺は『前世で触ったことのある物質を無条件で出現』させることができる能力を貰った。
知りたいのは出現させる物がどんな状態で出てくるのかだ。
例えば米を出す時はそのまま粒がどばぁと出てくるのか、それとも手で持てる分しか出てこないのか。何気に結構大切だと思うのよ。
手な理由でさっそく能力発動!
バッ←手を伸ばして能力発動させる
ポンッ!←米がビニール包装されて出てくる。(10kg)
ボッドスン←米が手に落ち、支えれずに手を床に叩きつけられる。
ギャ!←遅れて出た俺の悲鳴。
中々物語が進まないめう…




