22 選抜リレー
プログラムも滞りなく進んでいき、いよいよメインイベントである『選抜リレー』の時間がやって来た。
入場門からリレー選手がトラック内に入場してくる。
途端に黄色い声援が飛ぶのは、そのメンバーの中に紫苑の姿があるからだ。
紅白それぞれ2チーム、4人の走者がスタートラインに並ぶ。
男女混合チームのため、まずは一年生の女子がスタートを切る。
流石にリレー選手に選ばれるだけあって、皆足が速く白熱したレース展開を見せる。
だが、流石にトラック一周という距離に徐々にスピードが落ちていく選手もいた。
続いて第二走者の男子生徒へとバトンが渡る。
先頭の選手が逃げ切る中、後方の選手が驚異の追い上げを見せたりしている。
そのうちに、潤也と紫苑が次の走者としてスタートラインに立った。
走っている女子生徒をそっちのけで、紫苑に声援が飛ぶ。
紫苑にバトンを渡す女子生徒が、後でボコボコの目に遭ったりしないように祈っておこう。
1、2位の差はほとんどなく、ほぼ同時に潤也と紫苑にバトンが渡った。
どちらもバトンの受け渡しにミスがなく、スムーズにバトンが渡る。
潤也と紫苑はデッドヒートを繰り広げ、どちらも譲る事なく互角の勝負をしている。
「潤也! 頑張れ!」
目の前に迫ってきた潤也に声援を送った。
だが、僕の声に反応してスピードをあげたのは紫苑の方だった。
じわじわと紫苑と潤也の間に差が開いていく。
そして次の女子生徒にバトンを渡した途端、潤也はその場にへたり込んだのに対して、紫苑は涼しい顔で待機場所へと移動していた。
紫苑のやつ、バケモノかよ。
チラリとそんな事を考えたが、すぐに僕はリレーの方へと意識を向けた。
紫苑の頑張りが功を奏したのか、そのまま紫苑のチームが優勝し、潤也のチームは2位となった。
リレーが終わり、そのまま閉会式へと移る。
ゾロゾロとトラック内に移動して、クラス毎に整列する。
所定の位置へと進んで行くと、バツの悪そうな顔をした潤也がいた。
「お疲れ!」
そう声をかけると潤也は軽く肩をすくめた。
「あいつに抜かされちまった。やけに気合が入っていたみたいだな」
そう言って紫苑の方を見やる。
紫苑は同じクラスの男子生徒と共に列に並んでいる。
閉会式が始まり、得点結果が発表される。
「それでは、成績を発表します。赤ーー点、白ーー点。従って赤チームの優勝です」
どちらも互角の勝負展開だったが、最後のリレーで2位と3位になったのが効いたらしい。
赤チームの代表者が壇上に上がり、優勝旗(紙で作られた簡易な物)を受け取り、赤チームに向かってそれを高く掲げる。
こうして無事に体育祭は終わりを迎えたのだった。




