エピローグ
「さくら〜恭太郎起こして、もう着くから」
「はーい、起きて、恭太郎起きて」
「杏子も起きろ」
「んあ?寝ちゃった」
「お母さん、お花潰れてるよ」
「わーお、やば」
「杏子、花壊すの好きだよな」
「うっさい、うーん、おけ、まだイケる」
「よし、着いた、みんな降りて」
「はーい、恭太郎降りるよ」
「ねえ!到着しましたのチューは?」
「はいはい、チュッ」
「もう!適当にすんな、ワンモア」
「ンンンッ」
杏子は母になっても相変わらずだ
子供達が見てようが関係ない、いや、子供達はこれが普通だと思ってる
「遅い!暑いのに待たせるなよ!」
「あ、祥子おばさ…お姉ちゃん!ヤッホー」
「こらぁさくら!今おばさんって言おうとしただろ、バレてんぞ、お姉ちゃんだからね、お姉ちゃん!次、間違えたら罰金五十円だ!」
「えー、ペイペイ使える?」
「おー使える使える、ペイペイだろうが、メルペイだろうが、それに、かとちゃんぺイ、楽天ペイ、全部使えるぞ、まるごと持ってこい!」
「かとちゃんぺイ?」
「もうほら、行くよ、恭太郎おいで、竜斗、お花とかお願い」
「了解、さくらは祥子おば…お姉ちゃんと一緒についてきな」
「こらぁ、竜ちゃん!お前は五億だ!」
「了解す、さくら、かとちゃんペイで払っておいて」
「かとちゃんペイ?」
「お母さん、これ誰のお墓?」
「ん?お父さんのお友達のお墓、さくらは知らない人だけど、手を合わせてあげて」
「はーい」
「竜斗、先に報告してあげな」
「うん」
今日は家族を連れて、タカちゃんのお墓参りに来てる
タカちゃん、久しぶり
お盆だから、その辺にいるか?
俺は引退したよ
もういいよな?やりきったよ
今後は東京で家族とゆっくり暮らすんだ
なぁ、タカちゃん、もうバレてんぞ
祥子さんの声真似までしてやるなぁ
色々イタズラしたろ
まぁ、俺と杏子は、そのイタズラに助けられた
俺を助けてくれた、杏子も助けてくれた
でも、本当は祥子さんを助けたかったんだろ
俺らを助けることで、祥子さんの活躍をアシストしたんだよな
祥子さんの事、大好きだったんだよな、よく遊んでもらったんだろ、タカちゃんのお母さんから聞いたよ
どこまでがタカちゃんの仕業だ?
俺達に起きた奇跡は全部タカちゃんの仕業か?
『なんのことかな』
『見守ってただけだよ』
『でもね約束通り』
『ご褒美はあげたよ一個だけ』
『その一個だけだよ』
『その他は二人の大きな愛の気持ちが起こした奇跡だよ』
「一個だけってなんだろうね」
「あー、あんたらの結婚前のバカンスじゃないかな」
「それだ、ご褒美ぽいよね」
「だろ」
『ブーー』
ん?なんだ?
杏子さんも祥子さんも、わけわからん話をしている
どうよタカちゃん
俺達の子供かわいいだろ
お前の、甥っ子姪っ子だ
おそらく、杏子もタカちゃんの妹ってことに気づいてる
今日、子供達を連れていくって、杏子が決めたからな
恭太郎は杏子そっくり、いつも寝てる
さくらは俺そっくり、しっかりしてる
お姉ちゃんをしっかりやってくれる
じゃ、これからはちょくちょく来るから、またな
『かわいい』
「え?かわいいって、私のことじゃない?」
「いやさ、お姉ちゃん、五十過ぎのオバハンにそれはないでしょ、たぶん私だよ」
「こらぁ、チンチクリン!てめぇのその整形崩れみたいな顔のがよっぽどないわ!」
「はぁ?整形なんかしてないし!お姉ちゃんなんか、もうスッピンやばいじゃん、私はまだイケるもん!」
「アホか、お前みたいに金かければ、誰だって綺麗になるわ!」
「整形してない!ねぇ!竜斗からも言って!整形してないって!」
「うるせぇな、すぐになにかあれば、竜斗竜斗竜斗竜斗、おめーいくつだよ、クソチビが、こっちは奇跡の五十代って言われてんだぞ、なめんな」
「うるさいよ!」
「お母さんも、祥子おばさんも、ギャーギャーうるさい!」
「お墓で眠ってる人達みんな起きちゃうよ」
「お墓の前で、ギャーギャーしてる人なんていないよ」
「静かにして、恥ずかしいよ」
「さ、サーセン」
「フン、罰金五十円な」
な?さくら、しっかりしてるだろ?
この濃い二人を相手に正論で応対する
将来が楽しみなんだよ
「よし帰るぞ、帰りなんか食って帰りたいな」
「ここから元事務所近いから、うどんにしようよ」
「あ!じゃあ、私、山菜きのこそば!」
「ババくさっ」
「うっせーぞ、クソバカ整形野郎」
「整形じゃない!奇跡の顔!」
「は?奇跡の化粧だろ」
「お姉ちゃんのが厚化粧じゃん!ババ化粧じゃん!」
「お前、罰金六億ウォン」
「ウォン?…ウォン?あ!イオンのポイント?」
「かとちゃんペイってなに?」
「ZZZ」
『ギャーギャーうるさい』
(結)




