本当のモンスター
帰国
竜斗は、かなりお久しぶりの帰国、色々やりたいこと、見たいことがあると思うが、すまん…とりあえず後回し
帰国してまずビックリしたこと
なんと!コバッキーがバズり始めた!
漫才を動画配信させて、それがバズってる
ネタは、私達や桜水高校のネタ
だいぶ私をイジってる、かなり誇張してイジってる!
ムカつくが、面白い、大爆笑した。
てか、姉はこうなることを見越してコバッキーを雇ったのか?
バズる前は、ただの雑用要因なのかな、と思ってたが
しっかり先を見てたのか…
帰国してから、私達はやることが盛り沢山
すぐに映画の日本語吹き替えの作業に入る。
これが難しい、二人ともお初
最初は余裕かと思ってた、舐めてた
声優さんって凄いな
口の動きに合わせてセリフを入れるのが難しい
二人共、リハの段階で手こずってたが…
竜斗は、指導の先生にレクチャーを受けると、メキメキ上達
本番はいつものほぼ一発オーケー
マジでなんなん?
習得モンスターは、声優も得意みたい
声もイケてる
収録スタッフは、みんな唖然としてた
女性スタッフは、目がハートになってた
ムカつくんですけど
私、そりゃ時間かかる
それが、普通
初めてだもん
このアホと一緒にしないでほしい
まぁでも、吹き替えの声入れの演技自体は良かったと思う
日本語で竜斗とこの映画の演技が出来るのは嬉しいから、気持ち入れやすい
私のせいで予定日数より多くかかったが、なんとかオーケー
いや、それが普通、うん
マジで映画楽しみ
お次はグローブやスパイクなどの用具関係の打ち合せ、デザイン等が決まり製作に入ってもらう
その後はCM撮りが五件入ってる。
全て二人での撮影
まずは時計メーカーのCM
私が成田で竜斗にあげた時計メーカーだ。
いつも、おそろの時計をつけて会見に望んでいた。
試合後のチームジャージ姿に合うスポーツ時計
そりゃつける、おそろアピールするよね
ネットで話題にもなった
そんなわけで、是非にとメーカーさんから声をかけてもらった
私が元々CM起用されてた時計メーカーは、あの騒動で離れていった
さぞ、今頃悔しがってるはず
そして、騒動で逆に離れなかった化粧品メーカー
化粧品なのに、竜斗も?と思ったが
これまたいい、セクシー
これ、私よりセクシーじゃないか?なんか腹立つ
んで、キタ!スポーツ飲料メーカー!
生配信でのおねだりが成功した。
これでヒットしたら、言い出しっぺの私、なかなかじゃないかな
楽しみ
あとは、住宅メーカーと加工食品メーカー
五件とも上手く撮れた
なんだろ、夫婦抜きにしても、竜斗との演技はやりやすい
竜斗上手いし、合わせてくれる
いやぁ、CMけっこうイケると思うなぁ
にしても、オフなのになかなか忙しい
スケジュールの合間に竜斗の軽いトレーニングを挟む、もちろん相手は私
軽めのメニューなので相手は私で充分
練習場には若手選手もいるが、竜斗は私を指名する
幸せ
二人でストレッチ
二人でランニング
二人でダッシュ
二人でキャッチボール
二人で軽めのノック
二人で軽めのバッティング練習
高校時代みたい!
楽しくすぎる
エヘヘヘ
あ
やば、カメラ入ってるんだった
この、軽めのトレーニングでさえ、スポーツニュースで取り上げられる
なので、なかなか気が抜けない
まぁ、デレ顔はもう世間にバレてるからいっか
そしてそして、いよいよ
私達は入籍した
私は、星川杏子から春樹杏子になった
十五歳からの夢だった、竜斗のお嫁さんになる!が、やっと実現した。
芸名は引き続き冬川京子なので、実感はなかなか湧かないかもしれない
でも、本名が必要な書類に「春樹杏子」と記入する時はニマニマしてしまう
最初は樹の文字が画数多くてめんどいと思ったが、段々慣れてきた。
指輪は普通のやつ、クソ高いダイヤ何カラット!とかではない
つけてて邪魔にならない、本当に普通のやつ
私達にはピッタリ、派手なやつとか、クソ高いやつには興味ない
まっこれで、正真正銘の夫婦
旦那様、末長くよろしくお願いします。
映画公開が迫ってきてる
予告編が流れ始める、そしてギリギリまでシークレットだった、私達の出演が予告編で知れ渡る
これが凄いことになった
日本中が震撼してる
アメリカでも大騒ぎらしい
そりゃそう、今季大活躍のメジャーリーガーと日本の女優がそれなりの枠で出演してる、しかも名物夫婦の共演が更にザワツキを加速させてる。
竜斗が会見で、映画で再会してると匂わせたので、見る人は、私達はこの映画で離れ離れからの再会を果たしたんだと、連想する。
更に生配信を見てた人は、私達の詳しい状況を知ってる
いや、見てなかった人も、慌ててネットに上がってる生配信のフル動画や、切り抜きショートを見たらしく、再生数がまた伸び始める
そして、映画の内容は、少しだが私達にリンクしてる
サブストーリーなのに、大注目され始める
このタイミングで、私達のCMが流れ始めた
これはこれで大反響で、映画公開との相乗効果が生まれた。
にしても、CMに映る私達、特に私
幸せそうだ
夫婦CM、更に増えるんじゃないか?
楽しいからどんとこい
で、トドメ、私達の結婚記者会見が行われることになった。
ここまで全て姉の戦略 なにもかもだ
シークレットを制作側に打診したのも
CMの出すタイミングも
そして、このタイミングの記者会見も
凄すぎる
パシャパシャパシャパシャ
「この度はご結婚おめでとうございます」
「ありがとうございます」私、竜斗
「春樹選手に質問です、長年の恋を実らせてのゴールイン、今のお気持ちはいかがですか?」
「はい、初めて会ったあの日、大好きになってしまったあの日から夢見た結婚です、とても嬉しいです」
「冬川さん、離れ離れからの再会はどんなお気持ちだったんですか?その時にプロポーズさせた、とお聞きしてますが」
「はい、させました、二人で約束したんです、竜斗さんが旅立つ日、アメリカに旅立つ成田空港で、もしまた再会出来てお互いフリーだったら、結婚しようねって、その約束が叶ったのでプロポーズさせました、私はフリーどころかその間、誰も愛せませんでした、まぁ竜斗さんはどうだったか知りませんけど」
「と、冬川さんがおっしゃってますけど春樹選手」
「え!いや、もちろん自分も誰とも恋には落ちてません、そんな余裕なかったし、暇も…いや、関係ないな、えっと、自分は京子さんと再会することだけを目標に、辛い下積み時代を乗り越えてきました、他の人なんてありえません」
「冬川さん、春樹選手のどんなところがお好きですか?」
「はい、女心わかってない所以外全部好きです」
ドッ 記者陣が笑う
「私はお恥ずかしい話、他の恋を知りません、人生で竜斗さんしか愛したことありません、なので恋の仕方がかなり下手くそです、皆さん知っての通り、私は竜斗さんを前にすると我を忘れてしまいます、それを真正面から受け止めてくれる所が一番好きです」
「女心わかってないんですか?春樹選手」
「え!えっとぉ、俺への質問雑すぎません?」
ドッ
「え〜っと、う〜ん、わかってないから、京子さんはいつも怒ってるのかなぁ、反省します、反省してもわからなさそうだけど」
ドッ
「いつも怒ってません、そーゆうところだと思いますけど」
ドッ
「春樹選手、映画について質問です、冬川さんとの共演が決まった時のお気持ちをお聞かせください」
「そうですね、やっとだと思いました、本当は野球場で再会するのが良かったと思うんですが、この映画で再会出来るとわかった瞬間、会えるならなんでもいーやと思いました」
「冬川さんはいかがでしょうか?」
「はい、私はまさかでした、顔合わせ三日前に知りました、とてもビックリしました、そして感動の再会、そこから、そのまま映画の撮影に入ったので、おかげで気持ちの入った良い演技、いや素に近い演技が出来ました、私の素の感動が入った演技になってます、いつもの冬川京子とは全然違います、その辺も楽しみに見ていただけたら嬉しいです」
宣伝ばっちり!さすがだ私!
「春樹選手、冬川さんの笑顔がお好きと聞いてますが、他の好きなところを教えてください」
「え!えっと、自分は全部好きです、いつも自分を最優先に考えてくれるところ、いつも助けてくれるところ、京子さんが中学生の頃から野球も自分の生活も助けてくれました、そして、自分への愛がわかりやすいところです、他にも色々ありますが、キリがないので省略します」
会見が終わり
数日後、映画が公開された
竜斗が演じるケンジが、私が演じるヨーコになんとか赤ちゃんを渡すも、強敵との格闘で押されてる
「ヨーコ!頼んだぞこっちはいい、俺がやられたらお前が危ない、すぐに離れろ!」
ヨーコが主人公に赤ちゃんは助けたと一報を入れ、ケンジがやばいと伝える
すると主人公に
「大丈夫だケンジは優秀なエージェントだ、俺と互角の強さだ信じろ、いつでも助けられるように離れるな!」
と言われ、ヨーコは暴れて走るトラックを追いかける
シーンは変わり主人公が敵を倒す
「ヨーコ、ケンジ、あとは頼んだぞ」
と、主人公シーンが終わる
実はこれは脚本が当初から変わってる
本来は、私達の最後のシーンが終わった後、主人公チームが敵を倒すのだったが、私達の最後のシーンがあまりにも出来が良かったので、まさかのサブストーリーがラストシーンになる
(仮)のドローンカメラ撮影が、(仮)ではなくなった
シーンが私達のラストシーンに切り替わる
ギリギリで助かったケンジ
「ありがとう、助かった、危なかった」
「もう!無茶しないでよ!死ぬとこだったのよ!」
「仕方ないだろ、あーするしかなかったんだ、エージェントになった日から死ぬ覚悟は出来てたよ、こんな日が来るんじゃないかって」
「ねえ!もし死んでたら!死んであなたがいなくなったら!残された私はどうなるの?一生あなたの亡霊と付き合うの?もうあなたと離れるのは嫌!もう私から離れないで!もうどこにも行かないで!死んだら許さない!」
「そんなこと言ったって、死にそうになったのは君からのオファーのせいじゃないか、怒るんじゃなくて褒めてくれよ」
「そ、そうだけど…フン!今回は許してあげる!どこにも行かない、離れないって言うなら、許してあげる!」
「わかったよ、もうどこにも行かないよ、今はエージェントではなく、ただのローカルレーサーだからな」
「本当にどこにも行かない?浮気したりしない?」
「浮気はミッションだって言ってんだろ」
「ミッションでも許さない」
「うるさい女だ、けど愛してる」
「私も愛してる」
そして、涙の濃厚キスシーンが始まる
まぁまぁな、濃厚キスシーン
同時にエンディング曲のイントロが流れ始める
カメラがわたしの涙をクッキリ捉えてる
からの、カメラが引きながらゆっくり回転して上に上がっていく
「そうそう、もうレーサーやる必要ないわよ」
「え?なんで?」
「今回の報酬、あなたの年収の千倍はあるわよ」
「わーお、遊んで暮らしても有り余るな」
「遊ばせないわ」
「え?」
「あなたは一生私のパソコンを掃除するの」
「ハハハ、それも悪くない」
ここから、当初の予定ではない会話が入る
「ねえ、キャチボールしたい」
「ヨーコはキャチボール上手いからな、付き合ってやるよ」
「あら、私のボールが取れるのはメジャーリーガーだけなんだけど」
「そうか、じゃあ、次はメジャーリーガーを目指すよ」
「ふぅーん、そのメジャーリーガーさんのナビシートは自由席かしら?」
「いや、君の指定席だ、ヨーコしか座れない」
「フン、合格」
エンディング曲の歌が始める
このシリーズでは珍しい女性ボーカルの歌が流れる
この歌がとっても素敵
私達を上から捉えてた映像が、クレジットに切り替わる
エンディング曲が流れながら、クレジットロール
クレジットが終わると、赤ちゃんを渡すシーンからの、次回作をほのめかすシーンで終了となった
私達は試写会で初めて通しで見た
マジで自分で泣いてしまった
これはイケる気がする
するとこの映画が大ヒットになった
このシリーズでは、一番の大ヒット
しかも、リナさんが歌うメガヒットアニメ映画の興行収入を越えた
全米でも大ヒット、そりゃそう、首位打者取った男が今度は映画で演技をしてるんだもん
日本では、アクション映画なのに、なぜか泣ける映画のトップになった
まぁ、わかる気がする
冬川京子の最後の涙は、本当の涙じゃないかと騒がれてる…まぁ本当なんだけどね
そして、世間では竜斗はもうメジャーリーガー、おそらくこれだけの大作に出ることはない、マイナーのうちに撮影したから、出来たのであろうと騒がれて、私も専属マネージャー、やはり冬川京子の映画出演は最後かもと推測され、更にプレミア感が出て映画の人気に拍手がかかる
公開があちこちで延長された
最終的に記録的大ヒットだった
そう、バックエンド満額解答
しかも、公開延長ボーナスも付き
私達には二十オクえーんが支払われることになった
姉の読み勝ち、凄すぎる。
そして、シーズンが始まった
映画終わりの最高のタイミングでシーズンスタート
んで、竜斗の登場曲問題
バッターの時はモンスター行進曲がかかる
これがまたかっこいい、日本では既にCMが大バズリ
リナさんに遅れを取っていたゴー君が、一気に表に出てきた
配信者の人から、音楽家になり始めてる
そして、クローザー登場曲、これは映画のエンディング曲
映画のエンディングと試合のエンディングをかけている
竜斗が投げれば試合はエンディングだよ、って意味
私はこのエンディング曲が大好きだ
この女性ボーカルの歌が大好き
歌詞
私のこれまでの人生に乾杯を
アンチには両手の中指を
私の人生は素晴らしくなるばかり
何もないところから上だけを目指して
あの摩天楼よりも高くへ
リトルリーグじゃない ここはメジャー
私の手にあるこの札束が証拠よ
自分の人生に少しの幸せを積み重ねて
素晴らしい人生をさらに素晴らしくするの
嫌なことは過去に置いてきたからもう大丈夫
少し竜斗とリンクしてるから大好き
九回、ピッチャーハルキがコールされると
スタジアムは一気に暗転、フラッシュが踊り光る
そして、あのエンディング曲が流れる
ベンチから竜斗から出てくると、暗転は戻されるが、曲は投球練習が終わるまで続く
ビジョンには私達の映画のシーンが流れる
スタジアムはこれでもかってくらい盛り上がる
私はなぜか泣きながら盛り上がる
球団は映画とタイアップして大正解
あとは、竜斗の野球の成績だ
二年目のジンクスはあるのか…
それはやはり姉の言う通り、心配はご無用だった
元々、竜斗に好不調の波は少ない
それに、無駄にボール球を追っかけないので、成績は安定し続ける
それでもたまには落ちる、そこを私がすかさず原因を探し乗り越えて行った。
夫婦共同作業での最初のフルシーズンの竜斗の成績は大変な記録ずくしだった。
エヘン!
盗塁を含む打撃成績は全てメジャー全体のトップ3に入ってる
ホームランは六十本に到達した
マジでモンスター
OPSは軽く1.2を超える
四球か長打祭り
いろんなタイトルを獲得した
なんならサードのゴールドグラブとセーブ王を同時に受賞した。
そして、映画は大ヒット
完全スリーウェイプレーヤー
チームは、ポストシーズンには出れたがワールドシリーズまでは行けなかった。
それでも大躍進だ。
注目の観客動員数インセンティブは、余裕の満額解答
竜斗の元に六十億が入る
ガクブルガクブル
いや、これでガクブルしてた私はバカだった
契約が更新されたのだ。
十年六億八千万ドル
もうね、わからない、年間百億超え?
しかも!これには私のマナージャー代は含まれてない
私の契約も十年契約
総額、六千万ドル
育児休暇付き
ウケる
もちろん竜斗バーター金額
でも世界一稼ぐ専属マネになってしまった
二人の合計
七億四千万ドル
年間百二十億えーん近く?
チーン
こうなると財産管理ギブアップ
姉の事務所でプロを雇い管理してもらうことになった
そして、姉の事務所は竜斗の恩恵を受けまくる
全ての金額の五パーセントが手数料として入る
昔、姉は言った、竜斗にベッドを買ってくれた時だ
だいぶ奮発したベッド
投資だ投資、ベッド代なんて鼻くそみたいな金額をリターンしてくれる!と言ってた
マジで鼻くそみたいな金額だ
姉は既にあの時から、今の状況を描いてたのかもしれない
いや、竜斗と鉢合わせした日、あのみんなで桃鉄をやった宴の日から描いてたかもしれない
私思う、本当のモンスターは姉かもしれない
竜斗はもちろんモンスター、ここまでの成績を残すんだもんそれはわかる
でも、姉がいなかったら、竜斗とゆうモンスターは世に出なかったかもしれない
竜斗が私宛てに書いた手紙、あれを見ると姉がいなかったら本当に挫折してたかもしれない
姉がいなかったら、リリーのサポートはない、そしたらもっと過酷だ
姉は早い段階から、巧みにタクトを奮った、そう、オーケストラの指揮者のように
竜斗の才能に気づいた姉
竜斗を姉が思い描くレールにまず乗せる
それを、私も含む星川家で後押しさせる
竜斗の退路を断つため
その野球の才能を、簡単に諦めさせないために、星川家で後押し
お泊り、母のご飯サポート、父のサポート
これ、父のサポートも急だった、今思うと姉の指示で父は動いた気がする
なぜそう思ったか?
それは父と母がチョメチョメ…いや、簡単に言うと母がその日の姉の帰りを珍しく知っていた、当時は母が探りを入れたのかと思ったけど、おそらく父とも連絡をしてたんだと思う
じゃないと、色々タイミングが良すぎる
これで竜斗は、大好きな杏子の家族の星川家にサポートしてもらってる、野球家族の期待を受けてる、野球頑張って、将来活躍して恩を返す、星川家をガッカリさせないぞ!と、竜斗のモチベーションを持っていく
そして、私の役目は竜斗のサポートと心の支えだ
そう、バッピはもしかしたら、ついでかもしれない
それよりも…
何があっても揺るがない、私と竜斗の愛
そこをしっかり保たせて、二人に愛を育ませる
ベッドを買いお泊りオーケー、若い学生カップルには甘いニンジン、そりゃ育む
竜斗の野球物語のサブストーリーは、竜斗と私の愛の物語
これをしっかり形成させる
ただ一つ疑問はある、竜斗を本当にやる気を出させるには甲子園出場は必要不可欠な気がする
それこそ、夏の予選で初戦敗退なんてあったら、さすがに竜斗は、一気に新幹線の運転手の夢にシフトしてたかもしれない
おそらくここが分岐点だったと思う
そこに姉は賭けてた
東東京大会は毎試合見に来てた
でも、甲子園は一切見に来てない
甲子園にさえ出れば、あとはどうでもいい
竜斗のポテンシャルを全国区にテレビ中継されれば、姉は賭けに勝った、優勝はおまけかもしれない
姉だって、野球人の娘、竜斗が甲子園に出場…そこまで来たのであれば、後は竜斗が勝手に活躍するだろうと思ってたはず
そして、ある程度竜斗の知名度か上がると、トニーを巧みに使い竜斗を大海原にぶん投げる
でも、そこにはレールがしっかり敷かれてる
そこからは、私の出番
私と竜斗はいつもセットだったし、毎日お泊りで愛を急速に育んだおかげで、離れ離れになっても簡単に気持ちは離れない、一旦はちゃんと別れてもそれは形式的なだけ、気持ちは離れない
真面目一直線の私と竜斗の恋の心を、姉は上手く操った
竜斗が渡米すると、私を餌に使い、竜斗を奮い立たせる
そう、私を女優に仕立てあげ、それに見合う男を作るため
竜斗のモチベーションを上げるためだ
私がただの一般人なら、竜斗は簡単に戻ってきてしまう
それを避けるため、私を有名人にした
いや、元々、私に女優をやらせるつもりだったのかも
でもそこに、竜斗が現れたので、姉の作る夢物語は壮大になったかもしれない
竜斗の可能性に早々に気づいた姉だ
私の可能性にはもっと昔から気づいてたと思う
自分で言うのなんだが、実際に有名女優にはなれたんだからね
なので、甲子園の上書きが終わると速攻で私をデビューさせる
リリーを上手く使い、向こうでも私の姿をテレビで見れるようにし、竜斗のモチベーションを保たせる、とゆうか少し焦らす
焦らせ、野球漬け、俳優漬け、英会話の練習漬けにする
竜斗に余裕を持たせない
竜斗も年頃、遊びたくなるかもしれない、でもダメ、計画通りに、スリーウェイが仕上がってくれないと困るから
そんな感じで竜斗と私が、姉の敷いたレールを歩き出す
二人の成長速度を巧みに先読みして、姉はタクトを奮う
まずは映画、かなり早い段階から映画制作側と球団に私達を売り込んでいたはず
じゃないと色々おかしい
映画のギャラは安いが、バックエンドが桁外れなのは、早くに制作側と議論されてたのが予想できる
まぁ、どう漕ぎつけたかはわからないが、私達の映画出演を決める
この映画での再会がスタートであり、映画公開がゴールとし、私達の愛の物語を世間に売り出す
そして炎上に便乗
いや、あれはマジで炎上させてるかも
あの記事の内容
部員全員を家に連れ込んだ、って記事
この文言に覚えがある、竜斗と姉が鉢合わせした時、姉が私に似たようなセリフを吐いた
部員全員、家に連れてきちゃうの?とか言ってた
似てる
それに、映画撮影終了後に竜斗と私は一か月休みをもらい、バカンスした、婚約旅行ね
その時、竜斗が言ってた
「祥子さんから聞いたんだけど、杏子は来年からカリフォルニアの住人だってよ、来年から一緒に住めるってことかなあ?」なんて呑気なこと言ってたが、私はそれは無理だと思った、姉のリップサービスだと思ってた
実際、姉から仕事を綺麗に全て切るまで三年かかると言われた
でも、違うんじゃないか?
最初から炎上させるつもりで、竜斗に言ったんではないだろうか…
結果、姉の言葉通り、そのタイミングでカリフォルニアの住人になったし
はづきさんと、どうやって結託したかまではわからない
ただ、はづきさんと友達になり、ラインするようになりわかったことがある
私への嫉妬だけであの記事は書かない
たぶん、高校までは本当に私の事好きだったのかもしれない
でも、高校卒業すると彼氏が出来て、私に対してはただの推し活程度
いや、もしかしたら、推してたのは私じゃなくて葉山翔子の方かも
まぁ、いいや
炎上だろうが、炎上便乗だろうがどっちでもいい
やってることは変わりない
私も、もうそこはなんとも思ってない
むしろ、姉には感謝してる
そう、この辺からの姉は凄い、マジで凄い
まず、竜斗へのケアだ
おそらく、姉の言ってた通りここが一番難しかったはず、私を守るためには一直線、人も殺しかねない
とにかく、竜斗が活躍して注目を浴びてもらうまで、なんとか凌いだはず
そして、渦中の桜水高校野球部員達を黙らせる、そして私を隔離する
コバッキーを近くに置いておいてよかったよ
マッキーは空気読めない…黙ってろと言われて黙って…
まさか!これを見越して雇ったのか?
考えすぎ…?
いや、ありえる
下手に私達の高校恋愛ネタで漫才されたら困る
そう、炎上騒動前でも困る
私達の愛の物語を良いタイミングで出すには、下手に先にネタバレして欲しくない
となると、ゴー君もか
配信者におもしろおかしく、私達のネタを配信して欲しくない
ゴー君は言ってた、金の管理が面倒いからうちの事務所に入ったって
おそらく、姉が管理してやるからと言って誘ったんだな
んで、あのゴー君の怖がりよう
私達をネタにするなとガンガンに詰めたんだろうな
リナさんは姉を心酔してるので、コントロールするのは楽
他の著名人や部員達には、裏のキャプテンだったリナさんを使ったと思う
みんなリナさんの言うことは絶対聞く
炎上事件が起きた後、いや起こした後?
我慢して我慢して
竜斗の会見
で、一斉に野球部員達に行動を起こさせる
まず、リナさんの肝心のビデオカメラ映像
それが、終わると一斉に部員達のフォローを始めさせる
そしてゴー君と私の生配信で、真実の話の裏付けをさせる
すると、今度は私と竜斗が更に世間…いや、世界中から注目を浴びる
そう、全てシナリオ通り、自分の作った曲をみんなで演奏させ、姉は一気に映画公開まで指揮していく
私達夫婦と野球部員達を上手く使い、世間をあっと驚かせた
世間を感動させた後は、あとはもう竜斗が勝手に踊ってくれる
私が一緒にいると、竜斗の踊りは更に鋭さを増す
どんどんどんどん、竜斗の価値が上がっていく
野球と映画の感動と私達の愛の物語で、どんどん価値が上がっていく
そして、竜斗の巨額契約
姉のことをプロデュースモンスターと呼べばいいかな
そう、プロデュースモンスターの夢見る最終着地点は、この竜斗の大型契約締結
ここまで持ってくるために、何年も何年もかけて、タクトを奮い続けた
竜斗と私の関係を知ったその日から、シナリオを考え、そして完璧に成功させた
凄い、凄すぎる
もちろんこれらは、私の推測での話
でも、間違いない、間違いないよ
姉はいつも判断に迷いが無かったし、私と竜斗は姉のやる事はいつも正しいとついてきた
それは姉の信念が垣間見えたから
姉は金が欲しかったからなのか
それとも私達をスターにしたかっただけなのか
竜斗に巨万の冨を授けたかったのか
どれが正解かはわからない
でも、やりすぎ、やりすぎだよお姉ちゃん
有名になりすぎちゃって、二人でどこにも行けないじゃん
ま、いっか、おかげでオフでもスタジアム使いたい放題
私達の大好きな野球がいつでも出来る
二人でキャッチボール出来る、それだけで幸せ
夫婦二人で大好きな野球を仕事に出来る
毎日一緒に野球が出来て、野球談義が出来る
これで文句言ったらバチが当たる
「竜ちゃん、杏子、大型契約おめでとう」
「ありがとうございます」
「もう、よくわからん、一生遊んでも使いきれない気がする」
「あははは、杏子はそれでいいよ、余ったら寄付でもしろ、寄付、寄付魔になれ」
「え?う、うん」
「おっし、お前ら、私の出る幕終了!あとは勝手にやれ、いやぁ、本当に手がかかるバカ二人だからキツかったわ」
「お姉ちゃん!」
「あんだよ!」
「どこから?どの辺から絵を書いたの?」
「んあ?なんだそれ?あ、なに?竜ちゃんをビックにするための作戦のことか?」
「うん、そんなところ」
「バーカ、最初からに決まってんだろ、一番最初に竜ちゃんを見た時からだよ!まぁ、まさか竜ちゃんが野球も上手いなんて知らなかったから、知った時に一気に方向転換した、おかげでガッポガッポよ、あははは」
「え!」
「じゃ、私は夢に向かって忙しいからぁ、バイビー」
「え?夢?ってなに?」
「ないしょ〜」
え、どうゆうこと、竜斗が野球を上手いの知らなかった?なんで?母から聞いてるじゃん
初めて見た時…
ま、まさか!
慌ててスマホを出してユーチューブを開く
葉山翔子 春樹竜斗 共演
で検索する
昔の姉のドラマが出てくる
ポチ
「オペ疲れたー、帰り何食べよっかなー」
バタン
「ん?」
「おい!トモヒロ!大丈夫か!」
「診せて!」
「え?どなたですか?」
「安心して!私医者!状況教えて!」
「はい、診察待ってたんですけど、急にお腹をおさえて倒れちゃったんです!」
「わかった!」
「ちゃっとそこ!聴診器かして!」
「は、はい!」
「やばいな、ストレッチャー持ってきて!急いで!」
「ねえ、病院にはなんで来てたの?」
「はい、一緒に遊んでたら、こいつが急に腹痛いって言い出して、それで慌てて連れてきました
「わかった、ありがとう」
「いえ、トモヒロやばいんですか?」
「大丈夫、ついてるよこの子、私の目の前で倒れたからね」
「でもまずいな、腹膜炎を起こしてる」
そうだった、姉は私より前に竜斗に会ってる
そう、竜斗のエキストラのバイトの延長で共演してる
当時は学校の人達には気づかれてなかった
でも、今はこうゆう時代
誰かが気づいて当時のドラマをアップしてる
まさかこの時から?
いや、待てよ
姉は宴の日にそれを聞いてびっくりしてた、ポスターの件でびっくりしてた…
違う!やられた
姉は女優だ
「竜斗」
「ん?」
「このドラマもちろん覚えてるでしょ?」
ユーチューブのサムネを見せる
「うん、ほら、急に出てくれって言われたやつだよ」
「でさ、お姉ちゃんと会話した?役以外で」
「いや、挨拶程度だよ」
「じゃあ、誰だっけ、窓口の人」
「えっと、あ、山岸さん」
「その人に桜水高校ですとか言った?」
「うん、ほら承諾書書く時に高校名書くもん」
「そっか」
ま、マジか
やられた、マジでやられた
私達の出会いも作られてたかも
なかなかの奴がまさかの桜水高校
そして、おそらく竜斗と私は合う、惹かれ合うとでも思ったのだろうか
出会わせて、私達を恋に落として、そして二人とも芸能人にして、何か売り込もうとしたのか…
でも、まさかの竜斗が野球規格外、そこからシナリオを一気に変えた感じか
「竜斗、この時って高校一年生だよね?」
「そだよ」
そう、私はまだ帰国してない
えっとー、まさかだけど、まさかだけど
私の帰国から何か始まってる?
父の仕事も操作した?
嘘でしょ…
そこから?え?そこから?
桜水高校の編入プランも?
実家改築もこのため?
マジかよ
ん?あ、あーーーーー!
トニーのコーチも?トニーの通訳も?
母が言ったあのセリフ
「トニーでいいんじゃない?」
「通訳やりさいよ」
これも仕込みだ、たぶん、いや絶対
当初の予定では、私と竜斗を高校で出会わせようした
何か作戦があったのであろう
でも、まさかの父に野球部コーチの依頼がきた
おそらく、ほぼ家長の姉にも父が相談したんだろう
そこで、姉がトニーを勧めたのか
姉はトニーと少しだが面識はあった
ボストンに遊びに来た時に会ってる
野球部で出会ってくれる方が手っ取り早い
トニーとセットで私を売り込んじゃえ
姉はそう思ったに違いない
いやぁ、これもかあ
ん、待てよ
何かおかしい、名探偵杏子の血が騒ぐ
なんで竜斗が野球部って知ってたんだ?
姉は野球も上手いなんて知らなかったって言ってた
上手いの知らない?
あ、そっか
当時は補欠だから、上手いの知らなくて当たり前
でも、野球部なのは知ってる
誰か姉に教えた?
春樹竜斗って子知ってる?桜水高校なんだけど?
知ってるよ野球部の子だよ、補欠だけどね
って会話が、姉と桜水高校事情に詳しい誰かで交わされたってこと
誰だ!
よーく、考えよう
まずぅ
その人は、野球部に絡んでるかどうか…
絡んでるなら、私にもわかる人
いや、絡んでる気がしてならない
そして、私の通訳就任に関わってるはず
姉は、私をトニーとセットで野球部にぶち込んだ
それを手助けしてるはず
名取監督が父経由でトニーをコーチとして呼んだ件から考える
ここを紐解けば見えてくる気がする
名取監督はリナさんのおばあちゃんの看病を気にして、オファーを出してる
それは私達家族が九月に帰国してすぐだ
父のいたボストンがプレーオフ圏外になった瞬間から、引越し準備を始めたので覚えてる
父が帰国の挨拶してからのオファー
でも、そこがおかしい
すぐのすぐすぎる
父はアメリカにいる間は、名取監督に連絡は取ってない
父と名取監督は、父が渡米するまで、チョコチョコ交流はあったみたいだが、一緒に酒を飲む程度
言い方悪いが、父はそこまで恩にはきてないと思うし、おじいちゃん相手に国際電話は面倒くさいと思う
帰国後、挨拶をしたのは近所に戻ってきたからだけのノリ
で?そのタイミングでいきなりオファー出すか?
父が無職ならまだしも、プロコーチだぞ、家族いるんだぞ
しかも廃部確定してる、野球部
どう考えてもおかしく思えてきた
おそらく名取監督は、父が断るのをわかっててオファーしてる
やはり、誰かが名取監督に、父が帰国することを事前に伝えてる
しかも、それは父ではなくトニーが引き受ける事を伝えてる、トニーが有能なのも伝えて名取監督を納得させてる
発端になったリナさんのおばあちゃんの入院は、九月で、私達の帰国するちょっと前
でも、ステージ4だ、入院前から体調は崩してて、診断はもっと前からされてたはず
名取監督は、九月の前から覚悟してたんだと思う
この先看病が必要になるって
そして、父の帰国をその内通者に聞かされて、名取監督は待った
帰国して、父が挨拶…いや、名取監督が呼び出したのかもしれない
父はおそらく何も知らされてない、姉は父を信用してない、昔からそんなところがある
てか、その内通者
姉と名取監督の間に入った人
名取監督とリナさんのおばあちゃんが関係あるの知ってる人?
リナさんと名取監督が血を繋がってるのを知ってる人?
そうじゃないと内通できない
いや、もちろん今はみんな知ってるよ
でも、それはリナさんのおばあちゃんが亡くなってからの話
その当時、知ってる人は限られてくる!
……
名取監督の他に二人しかいないじゃん
リナさん?
いや、違う、リナさんは私とカラオケに行った時に、私が持ってたフェンディにもろビックリしてた
もし、私と姉の関係を知ってたのであれば、フェンディは姉からのお下がりだとすぐ気づいたはず
絶対にあそこまでビックリしない
名取監督本人はありえない、どう考えても、名取監督が葉山翔子と知り合いとは到底思えない
となると…
え?ご、ゴー君?
ゴー君?ゴー君?
ゴー君!
ま、マジで?
いや、これはただの仮説にすぎない
でも、ありえる気がしてきた
まず、ゴー君のあの姉に対しての怖がり具合
あれがまずおかしい
ゴー君は事務所に滅多にこない、なのになんであそこまで怖がる?
いや、姉は怖いよ、目力半端ないから、配信の件でガン詰めしたかもしれない、でも大人だよ、お互い大人だよ
なんでよ
大人になって契約してるのに、なぜあそこまで怖がる?
幼少期に何かあったとしか思えない気もしてきた
いや、そこかも、ゴー君は幼少期の頃から姉を知ってる?
ゴー君の契約もそうだ、いきなり契約した
リナさんが仲介してると思ってた
違ったんだ
こうなってくると、ゴー君に配信者勧めたのも姉のような気がしてくる
そう、私との生配信
ここに、持ってくるために近くに置いて育てたんだ
一旦整理
ゴー君と私の関係を思い出してみる
あの初日の奇抜なファション
からの、そのあとはマトモ
私は初日から竜斗の事を好きになった
そしてゴー君はそのあと奇抜なファッションで練習を一度もしてない
あ、なるほど
ゴー君は普通にイケメン
おそらくゴー君は当時、姉にリナさんの存在を言ってない
姉は、わざとゴー君に奇抜なファッションさせて、私の恋の目を逸らしたんだ
野球にうるさい私
奇抜なファッションでゴー君を練習させれば、私の恋の目はなくなる、私を完全に竜斗に目を向けさせるために取った保険だ
それに、あの初日、いきなりリナさんが私に喧嘩をふっかけてきた時、ゴー君はすっ飛んできた
そこが、またおかしい
ゴー君ファンを一掃してきたリナさん
ファンが面倒くさいから、リナさんの振る舞いに見て見ぬフリをしてきてたゴー君
なのに、すっ飛んできた
そう、怖い姉の妹に何してんだ!的なやつだ
そして、私はゴー君と二人で絡んだことはあまりない
生配信でもそれは言った
答えは簡単、ゴー君が私を避けてたからだ
避けてるとゆうか、私に遠慮してる感じかな
それはリナさんの手前かと思ってた
だから私もその遠慮に乗っかり距離間を保った
でも違ったんだ、ゴー君は私に姉とゴー君の関係に気づかれたくなかったんだ
カラオケ行ったあの日
ゴー君はクレーンゲームでお菓子をくれた
あのくらいだ絡んだの
もちろん会話とかは全然したよ
トニーの指導の後、二人でセカンドベース上でじっくり話をしたこともある、でも全てグラウンドの中でだけだった気がする
グラウンドから出ると、まともに絡んだことない
んで、もう一つ!
ゴー君とは関係ないように思えてた、リナさんのデジタルビデオカメラ
これ、ゴー君と姉が絡んでないか?
だって、このカメラの映像が一番のキーポイントだよ?
この映像がなかったら、威力半減だよ
これに絡んでないわけがない
んー、推理する
そもそも、兄の部屋、兼、姉の衣装部屋に日頃から出入りしてた私、ビデオカメラがあったなんて知らない
あの日たまたま持って帰ってきたのかと思ってた
でも違う、三脚はクローゼットから出てきた
おかしいよね
これ、目につきやすいとこに置いたね
ただ、なぜリナさんは吸い込まれるようにそのビデオカメラを手にしたのか
うん、もっともらしい事言ってたよ
なんだっけ、今しか撮れない物を映したいとかそんな感じのやつ
でも、これゴー君からなんか言われてないか?
例えば
「ビデオカメラ欲しいなぁ」ゴー君
「なんで?」リナさん
「いやさ、今の野球部のプレーとか撮っておきたいなって、今しかもう撮れないじゃん?だけど高くて買えねーよなぁ」
「そうだよねぇ」
みたいな、誘い水があったのではないか?
話す内容は違っても、ゴー君が上手くリナさんを誘導して、ビデオカメラをゲットさせたんだ!
ありえる、マジでありえる
そして、リナさんに私と竜斗は将来有名人になるかも、だから撮っておけ、高く売れるぞ、的なことを言ったんだな
んで、肝心なのがゴー君と姉の関係だ
どこから繋がってる?
なにかあるはず、なんだ?
幼少期に怖い思い…
ゴー君は幼い頃に姉と会ってる
でも、幼少期に葉山翔子と出会うには保護者が必要
保護者?
ゴー君のお父さん?
えっと、確かリナさんがお弁当を作ってたな
リーマンとか言ってた
サラリーマンか
サラリーマンと葉山翔子
ありえない
あ、あれ?
リナさんは夕飯とかは作れる時は作ってるって
夕飯?お母さんは?仕事?
じゃあ、なんでお母さんのお弁当は作らないんだ?
そう、確かお弁当の相手にお母さんは含まれてない、その時に勝手にゴー君のお母さんは専業主婦なのかと思った
嫁、姑問題?
アホか、リナさんが住むとこなくなって、全力で庇ったのは、あのかっこいいお母さんだろ!
そうか、かっこいいお母さんだ、専業主婦じゃなくて仕事してたんだ、お弁当がいらない仕事?かな
そのお母さんと姉に接点があるのか?
かっこいいお母さん
そう、なんかかっこいい
監督とトニーのお別れ会で見た時にかっこいいって思った
業界人みたい…
え?
そうだ、私は今、芸能人だからそう思えるんだ
じゃあ本当に業界人?
接点そこ?
「竜斗!」
「なぁに〜?眠いんだけどぉ」
くっそ、かわいいやん
昨夜搾りすぎたか アハ
ちゃう
「ゴー君のお母さんの名前わかったりする?」
さすがにわからないか
「ヒロミ」
知ってるんかい
「え?よく覚えてたね」
「うん、ゴーヒロミで覚えてる、ウケるだろ」
「なるほど!ウケる!」
「ゴー君のお母さんって何やってる人?
「うーん、知らないなぁ、仕事はしてるの知ってる、忙しそうにしてたよ」
「ふぅーん」
やっぱりか
ググればヒットするかなぁ
「ねえ」
「なに!」
「眠い」
「は?」
「寝ていい?」
百億万長者が事務所のソファーで寝るかね
「いいよ」
「あざすぅ」
めんどいの寝た
ググる
「高瀬ヒロミ」
ん?色々出てくる
芸能をプラスして検索する
「高瀬弘美」
これか?ポチポチ
わーお
長谷川さんどこだ
「長谷川さーん」
「はーい、京子ちゃんどうしたの?うどん?」
「ちゃいます、この人知ってます?」
スマホの画面を見せる
「あー、高瀬さんね、知ってるも何も、翔子さんの恩師だよ、前の事務所のチーフマネージャー、ここの事務所の立ち上げにも協力してくれた人、っていうより、翔子さんを発掘した人、なんかね翔子さんともう一人、えっと誰だっけ、あ、そうだ、タカエさんって人を高瀬さんが家の近所の駅でスカウトしてぇ、そのタカエさんって人が翔子さんを高瀬さんに紹介したんだよ、で、GO…」
「長谷川ちゃん!」
渡辺さんが叫んで首をフリフリさせてる
「え?これもだめ?うーん、杏子ちゃん、私はなーんにも知りません、私知りません、記憶にございません」
「へいへい」
これもってなんだよ、どこだよ、どっからどこがダメなんだよ、全部か?全部内緒か?
調べると、高瀬弘美さんは、姉の前の事務所の今はお偉いさん
ん?なんで、私知らないんだろ
確かに、姉の前の事務所と私は関わりない
でも、お偉いさんで高瀬さんって名前なら、どこかで情報入って気づきそうなんだけどなぁ…
ま、そこもなんかやってるね
あのたぬき女、徹底的に私に隠し通したんだ
あれ、あ、あの人!
松永さん!
うわ、そうだ、姉の前の事務所だ
え、え、そこも試された?
私がそろそろ諦めがくるタイミングで、竜斗に少しだけ似てる人を使って、私を誘わせた?
そして、やっぱり竜斗じゃなきゃだめ、からの、再会
そりゃ、感動が更に倍
映画の撮影にも力が入る
んと、え!松本ロケも?
竹下通りロケも!
全部仕組まれた?
母には、どこ行くかはもちろん報告してた
そこから、たぬきに伝わってたのか?
考えすぎかな…
いや、全部たぬき女の仕業に思えてきた
だって、タイミング良すぎるもん
ま、いっか
とにかく、ゴー君と姉の繋がりが見えた
そして、わかった
たぶんゴー君は姉の事が大好きだ
だから、自分の母親の事務所ではなく、こっちに来たんだ
姉はあんなんだから、子供に超〜モテる
子供にも同じ目線で接する、そして一緒に遊んだりしてる
事務所に誰か子供を連れてくると、だいたい一緒に遊んでる
自分で子供作ればいいのに…
姉に特定の相手はいないのはわかってるが、その気になれば旦那の一人や二人ゲットするのは余裕だろう
子供好きなら結婚すればいいのに
なのに結婚は絶対にしないと言ってる、謎
ゴー君の言う怖いは、愛情の裏返しか
ゴー君に取って、姉はいつまで経っても一緒に遊んでくれるお姉ちゃん、そして悪いことすると本気で叱ってくれるお姉ちゃん、ってことか
事務所に来ると私にバレるから来ないんだ
てかさー
姉の描いた脚本が壮大すぎる
凄すぎるよ
出会いから作るか?
ドラマじゃないんだよこれ
もう、お手あげです
バンザイバンザイ
いやね、一応は仮説よ私の仮説
少しどこかで間違ってるかもしれない
でも本当に作られた出会いなら、姉が作った出会いなら
本当に姉に感謝する
竜斗と出会わせてくれたこと、マジで感謝する
ねぇお姉ちゃん、どうしてそこまでやること全て上手くいくの?
もしかして未来が見えるの?
誰か見せてくれる人がいるの?
じゃないとやばすぎるよ
プロデュースモンスター
私と竜斗は、このモンスターに最初からゴールまで、手のひらの上で踊らされてた
モンスターが、私と竜斗をひょいひょいと軽く持ち上げ手のひらの上に乗っけて
でもね、それでもいいよ
それがなかったら、私は今頃、テレビに向かって竜斗を応援している一人のファンにすぎなかったかも
いや、竜斗自体が世に出てないか
竜斗が運転する新幹線には乗ってたかな
とにかく、今は私の膝枕でかわいい寝顔を見せてるこの人に出会えなかったもんね
チュッ
おでこにキスする
「わっ」
長谷川さんがビックリする
あ、そか、ここアメリカじゃねーわ
はぁ、なんかスッキリ
そう、ここからは指揮者がいない私達の人生
少し不安もあるけど、竜斗と一緒なら大丈夫
あ、そろそろ子供考えるか
環境は整ってきてる
いや、もう少し二人でイチャつきたい
夜の練習試合はまだまだ公式戦になりません。




