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モンスター協奏曲  作者: 東京小町
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通訳の夢


「オリャ!」「ヨイショ!」「コノッ!」


「あーだめだぁ、ここでいつも落ちるよぉ、チキショウ」

「よし、もっかいリベンジ!」


 俺のベッドの上にちょこんと下着姿で座り、プレステのアクションゲームに夢中になっている女の子


 もちのロンで杏子だ


 杏子がよく使うこの「もちのロン」は「ぶん投げ」同様に気に入ってる


 んで、下着姿の杏子、この場で祥子さんと張り合ってる訳ではない


 コトを終わらせて、今は下着だけを着てゲームをしている


 最初の時は、「見ないで!」とか言って、恥ずかしがって布団にくるまってたが、三回目ともなると堂々と下着姿で俺の部屋をプラプラしてる


 てか、三回目でここまで堂々となるものなのか?


 ちょっと早過ぎじゃね?


 ま、こうゆうの嫌いじゃないからいいけど


「スウェットあるから着るか?」

 着ては欲しくないけど、ジェントルマンになって聞いてみる


「え?ここクリアしたら、もっかいスルからいい、どうせ脱がされるから」


 ゲームに集中してるのか背中越しの返事、でも内容は俺の予想を越えた返しをしてくる


「えっ?」

「ん?嫌なの?」


 ゲームの一時停止ボタンを押して、肩越しにこっちを見つめてくる、凄い目力、見つめてるんじゃなくて睨んでるようにも思える、でもこれは見つめてるやつ、最近わかるようになってきた


 まぁ、どっちにしてもやばいくらい綺麗なんだけどね


「あ、いえ、おにゃします」

「だよね」


 そして、またゲームを始める


 なんだろ、最近、鬼嫁化してきてないか?


 ま、これも嫌いじゃないからいいけど


 中学生の彼女に完全に主導権を握られてる

 ま、甘えるって決めたし良いんだけどね


 でもさ、絶対に中学生じゃないよ杏子は

 涼子さん、間違ってない?出生届三年位遅れて出してない?


 制服着てないと、ホントにわからない


 てか、制服着ててもやばい


 月曜日の練習休みの時は、そのまま中学の制服で俺の教室とかに遊びにくるんだが、これがもう完全に企画物


 それか、ドラマの学生時代に振り返りシーンで子役を使わず主人公の俳優が演じて、見てるこっちがドン引きするやつ

 無理あるだろう…的なやつね


 その無理があるのが杏子だ


 最初会った時よりも更に老け…失礼、大人っぽくなってる気がする


「ヨイッショ」「ウェーイ」「オットット」


 キャラクターの動きに自分もつられて左右に身体が動いてる、ジャンプする時はコントローラーを持ち上げる


 こうゆうところは子供っぽいんだけどなぁ


「杏子〜将来はやっぱり通訳になりたいの?」

「え?何度も言ってるじゃん、将来は竜斗のお、よめ、さーーん、おっし」


 渾身のジャンプを決めながら背中越しに答えてくる


「いや、そうじゃなくてさ、そのお嫁さんになる前の話だよ、高校卒業したらどうすんの?進学したいの?」


 コトッ


 一時停止ボタンを押してコントローラーをベッドから手を伸ばしてテレビ台の上に置く

 体を反転させ、そのままハイハイで近寄ってくる


 ベッドの背もたれに寄りかかり、クッションを背中に当て、足を投げ出している俺


 その両足をペシっペシっと叩き、広げろと合図してくる


 その通りに足を左右に広げると、その間をハイハイでくる、俺の体をよじ登ってくる感じで、顔を俺の顔に近づけてくる


 俺の顔を睨むように見つめてくる


「うーん」


 何を悩んでるんだ?舐めますように睨んでくる、いや見つめてくる


「チュッ」


 軽いキスをしてきた


 すると、顔が満面の笑みに変わる

 俺の好きな顔だ


「高校出たら、即嫁になる!」


 ガクッ


 なんだよ


「あのさ、杏子が卒業する時は俺まだ二十歳(ハタチ)だよ、まだ養えないかもしれないよ」


「野球選手でも?給料高いじゃん」


「そりゃ、そうかもだけど、じゃあさ、野球選手だったとして、もし俺に働いてくれって言われたら?」


 上手く質問しないと、答えが全部同じになりそうだ


「うーん、そうだなぁ、あ!じゃあ解説者になる!前からやってみたかったんだ!ちょっと待って」

 って言うと、辺りを何か探す



「これでいいや」


 テレビのリモコンを片手にまたハイハイで戻ってくる


 今度は正面に正座、下着姿で正座


 中学生にしては、少しませてるセクシーなピンク色の下着


 おそらく、祥子さんの影響だ


 胸はちっぱいちっぱいと自分で騒いでいるけど、決してそんなことはない、程よい大きさ、これでもっと大きかったら、杏子の顔に合ってないと思う


 なので、この大きさで手を打つ!いや納得する!いや、うんオッケー


 大きいのが好きかもしれない自分を卒業した!

 と、思う



「えーオホン」

 リモコンをマイクの代わりにして準備している杏子


 んと、そんなマイクを使う解説者はいない、普通インカムだ


 まぁ、可愛いからスルーしとく


「解説の星川さん、ズバリ春樹選手は何を狙ってると思いますか?」


「そうですね、グリップの位置がほんの少しだけ、いつもよりほんの少しだけ傾いてますね、それにあの口の広角の引き締め、おそらくスライダーを狙ってますね、春樹選手は追い込まれても決め打ちしてきます、佐藤投手が真っ直ぐを投げたら佐藤投手の勝ちです」


 声を使い分け、解説をこなす


 なんか、上手い、もっとふざけるかと思った


 って


「ねぇ、その俺の癖、マジ?」

「マジだよー、シートの時とか見てるとすぐわかるもん」


 良く見てるな


「じゃあ解説しちゃダメじゃん、癖バラしちゃってるじゃん」

「大丈夫だよ、たぶんこの癖、とゆうか他にも色々あるけど、たぶん私しかわからない、良かったね私が味方で、嫁で」


 ま、マジかよ、凄いな


 でも…


「だからさっ、そのグリップの癖を言っちゃったら、ダメでしょって言ってるんだよ」


「あ、そか、じゃあ、うーん、でもすぐ直させるけどねその癖、今はまだ対外試合ないから泳がせてるだけだから、指摘されたら、しっかり意識してアットバットすること、わかった?」


「あ、はい」


 この下着姿からは想像できない、野球IQの高さ


 惚れ直すわ


「放送席ー放送席ー今日のヒーロー春樹選手に来ていただきました!」


 え、まだ続けるの?


「解説者はヒーローインタビューやらないよ」


「もう!いいの!」

「見事なサヨナラホームランでした!今の気分はどうですか?」

 リモコン、いや、マイクを俺に傾けてくる


「さ、最高です!」


「誰の顔を思い浮かべて打ちましたか?」

 そんなこと聞かないだろ


「え、えっと妻です」

 これが正解かな


「……」

 不満そうな顔で睨んでくる、いや見つめてくる


「えっと、大好きな妻、杏子の顔を思い浮かべて打ちました!」


「ヨシ」


 もう、好きにしてくれ


「でね、竜斗が〜メジャーリーガーになったらね、最初の会見は私が通訳するの!これはけっこうリアルな夢なんだぁ」


 その目のキラキラ度で本気度が伺える


 でも、メジャーは無理だろ


 ワンチャンなんとか、日本のプロに行けたらいいなレベルだと思う


「じゃあ俺が俳優になったら?」

「はぁー?……まぁ、引退後とかにありえるか」


「うーん、あ、そうだ」


 ガサゴソ


 テレビ台の横にあるラックの中からDVDを物色してる



「これ、この映画シリーズにね、私達二人で出て共演するの!」

 ワイスピの三作目を取ってこちらに見せてくる


「ん?ってことは杏子も女優になるってこと?」


「そだよ」


「ポンコツなのにセリフ覚えられるの?NGばっかり出すんじゃ…」


「コロスよ、蹴るよ、このまま帰るよ」

 このままってどうゆう意味だよ


「冗談だって!ほら、祥子さんのDNAが入ってるんだから杏子も良い演技しそう」



「でしょ〜、私もそんな気がするぅ」

 ほっ、機嫌直った


 でも、そう、杏子はマジになれば絶対いい演技すると思う


 マジになればね


「でねでね、二人でピンチを乗り越えて、ミッション完了させて〜からの濃厚キス!で、エンディング曲がバーンって流れて、私達のキスシーンをカメラがグルーって周りながら撮るの!どう?かっこよくない?」


「いいけど、このシリーズそこまで続いてるかなぁ」


「もう!夢を壊すこと言わない!」


「ごめん」


「そうだ、今その手に持ってるの三作目なんだけど、それはさ、日本が舞台なんだよ」


「そうなんだぁ、これは見たことないから知らなかった、じゃあ日本人が出てるの?」


「うん、まぁ脇役と言うかチョイ役で何人か出てるんだけど、それに出てる女優はめっちゃ杏子に似てるよ」


「ふぅーん、その人かわいい?」


 え、えっと、どう答えるのが正解だ、考えろ考えろ


「あ、うん、杏子に似てかわいいよ」

 どうだ!正解か?


「私かわいい、エヘヘへ」

 よっしゃ正解!


「じゃあ、私とどっちがかわいい?」

 やばっ、けっこうあの顔好きなんだけどなぁ、雰囲気も好きだし


 う〜ん、顔も雰囲気も似てるから杏子にしとこ、うん


「もちろ」

 バフッ!

「イッタ」

「今の変な間はなに!」

 枕投げしてきた


「え?ちょっと思い浮かべてみただけじゃん…」


「普通そこ即答でしょ!」


「さ、サーセン、でも女優にヤキモチは良くないよ〜」


「なんでよ?てか、ヤキモチじゃないし!」

 バフッ!


「イッタ!このっ!」

 ボフッ!

 枕投げ合戦


「痛ーい、骨折れた!責任とって!結婚して!」

「チュッ!」

 もう面倒くさいのでキスしてみた


「なによ!いきなり…もう!嬉しいじゃない!エヘヘへ」

 マジ単純


「おっし、シャワー行こシャワー」

 それ、女子中学生が言うセリフか?


「あっ、杏子待って」

「なによ?」


「じゃあもし、俺が新幹線の運転手になったら?」

「ない」

 即答


「竜斗は新幹線の運転手になれないよ」

「なんで?」


「んとー、女心わかってないし、アホなとこあるから」


「は?なんか、それ関係なくない?」


「いーの、私わかるもん、竜斗は絶対野球やるから、み〜んなの夢を乗せて野球やるから!」


「わ、わかった」


 この自信はいったいどこからくるんだ?ついこの前までガッツリ補欠だったんだぞ


「新幹線の運転手はさ、私達の子供に託そうよ」

「え?子供?」


「そ、子供、子供の頃から竜斗が新幹線の運転手の英才教育するの、それでね、その子供が運転する新幹線に乗って私達は旅するの、良くない?あ、女の子は運転手になれないか」


「なれるよ、今は女性運転手だいぶ増えてるから、でもなんで女の子って決めつけてるの?てか、女の子に新幹線の英才教育は可哀想な気がするけど」


「んとね、この前夢で見たから、私達の子供、竜斗によく似た女の子が出発進行!で、なんて言うの?あのガチャガチャガチャって鳴るやつ?それを操作してぇ、しばらくしたら制限275ヨシっ!ってやってた」


 夢か、単純だな、まぁ俺も人のこと言えないか…


 てか「制限」なんて夢でもよく出てきたな


 

「ほら、早くシャワー浴びに行くよ!」

 俺の手を強引に引っ張り、風呂場にエスコートする下着姿の女子中学生


 って、ここ俺んちだよね?


 一瞬、風俗店かと思ったわ


 行ったことないけど





 スヤスヤ


 コトが終わり、今度は裸で俺に抱きついたまま寝だした


 まぁ自由なこと


 寝顔も可愛い


 コツッ

 軽くデコピンしてみた…起きない、爆睡やん

 無理もない、今日は早朝から来てる


 今日は入試で学校も部活も休み、お城に連れってあげようと考えてたんだが、祥子さんの依頼が入り今日は会わないつもりだった


 なんだけど…家で寝てたら、いきなり杏子から電話が鳴り飛び起きた


「今からそっち行くから!寒いから!お風呂溜めといて!」

 と、指令が下り、素直に風呂の準備をした、その時に時計を見たが六時半だった


 祥子さんのミッション開始が十一時なので、それを見越して、早起きして早朝の寒い中、会いに来てくれた


 なので、ゆっくり寝させてあげよう…


 あれ?今何時?十時過ぎ…やばくね?


「杏子、杏子!起きろ!」

「ん〜?え〜なぁにぃ〜」


 くっそ可愛いじゃね〜か…違う!


「もう十時過ぎだぞ!そろそろ帰らないと!」

「え!うっそやばっ!」

 飛び起きた、杏子髪ボッサボサ


 二人でいそいそと服を着る


 ラブホテルの休憩時間のリミットが迫ってるみたいだ


 行ったことないけど!





 二人でチャリで家を出る

 途中で別れる


「じゃあね〜あとで今日どこ行ったかちゃんと教えてね」

「うん、わかった、お菓子作り頑張って」


 バイバイチューはさっき人通りのないとこで済ませたので、そのままお別れ


 えっと、どこ行ったか言わなきゃいけないの?

 結構な束縛だと思う、嫌いじゃないけど



 今日はまず、墓参りに向かう。


 俺は、小六の時に友達、いや、親友を亡くしている。


 チャリで転んで、頭を強く打って亡くなった


 入院して意識がないと聞いて、一生懸命折鶴を折った。


 亡くなったと知らせが来た時は号泣した。


 それからは、ちょこちょこと墓参りに行っている。



 墓のある大久保に向かう。


 ゴーも、同じクラスだったので知ってる、誘ったがバンド活動があると断られた。


 なので、一人寂しく向かう


 ふと思った、行為をしてから、そのあと墓参りってどうなのか?


 でもしょうがない、この先練習が忙しくていつ行けるかわからない。


 とりあえず、チャリで駅へ!




 そろそろ駅に到着


「ハル!」

「ん?あ、はづき!」


 また駅で、はづきと遭遇


 ただ、はづきとよく会うのは偶然ではない。


 駐輪場の近くに、はづきのお母さんが経営する美容室があるからだ。


 暇な時は、ここによく来てるらしい


 なのでよく会う


「一人?どこ行くの?」

「うん、一人だよ、これから墓…」


 待てよ、はづきも同じクラスだったから知ってる、なんなら二人で墓参りに行ったこともある。


 これ、正直に言ったらはづきは付いてきそうだ

 するとどうなる?後で報告しなきゃいけない…


 相手がはづきだったとしても、絶対に殺される

 ただの幼馴染だけど、理解は得られない気がする。


 逆で考える…うん、なんか嫌だ


 なので、お互い嫌がることはしない約束を遂行する!


「えっと、買い物だよ」

「本当?なんか、まぁまぁ考えてなかった?」


「あ、いや、買う物は決まってるんだけど、まだどこで買うか決めてないんだよね」


 うまく逃れてる気がする


「ふぅ〜ん、私も暇だから付いてっていい?」

「え?」


 そうだった、こいつは昔から何かと付いてくる、気を使わなくていいから前は全然ウェルカムだったけど、今はダメだ、俺には鬼嫁がいる。


 どうする?どうする?


「うっそ、ちゃんと空気読むよ、彼女に悪いもんね、そんな困った顔しないでよ」


「う、うん、ごめん」


「あ、ちょっと待って」


 美容室に戻って、ジュースを取ってきた

「ほい、あげる」


 俺の好きな、バヤリースオレンジ


 このパターンは少し話付き合えよ、だ

 前は、よくこの美容室に上がってだべってた


 はづきのお母さんもよく知ってる。


 今回は空気を読んで、立ち話ってことだな

 まぁ、このくらいはいいだろう、学校での立ち話の延長みたいなもん


「バトミントンの調子はどう?」


「うん、全然だめ、強い人相手に勝てない、もう限界かなぁ」


「そうなんだ」


 だから、最近元気ないのか


「ハルとは逆だよ、ハルはこれから活躍しそう、私は落ちめ」

「そんなこと言うなよ、今まで頑張ってきたんだろ、たまたまスランプなだけだろ」


「ううん、もう限界、わかるの、この先頑張ってもバトミントンで上を目指すのは無理だなぁって」


「………」


 どう声をかけてやればいいかわからない


「決めたんだ、進学先ではバトミントンやらない」


「マジかよ」


「前からさ、やりたいなって思ってたことあるんだ」


「え?」


「記者か、ライターやりたいなって、ほら、私、噂話好きじゃん?」


「確かに」


「確かにってなんだし、だからさ、そっち目指すことにする」

「そっか、はづきならきっといい記者になれるよ!お前いい奴だからな」


「うん、ありがとう!ハルが有名人になったら、あること無いこと書いちゃうから!」


「おっと〜無いことはやめろよ〜」


「じゃあ中二の時、私が部活で怪我した時におんぶしてくれたこと書くか!私よりまだチビだったのにって」


「おいおい、ディスってるじゃん」


 よく、覚えてるな、言われるまで忘れてたよ


「まさか、あのチビハルがここまで大きくなるとはね…」


「まぁな、あ!杏子も記者とか向いてそうだわ、勧めてみようかな、そん時は色々教えてね先輩」


「え!う、うん……」


  ん?なんか落ち込んでる?

 なんかまずいこと言ったかな…

 てか、最近ほんと元気ないんだよなぁ

 バトミントンだけじゃないのかな…


「えっと、そろそろ行くよジュースごちね、明日奢り返すわ」


「うん、絶対だよ、あ、モンスターの緑ね」


 最近流行ってるエナジードリンクだ


「じゃ、影の人によろしく〜」

「うっさい、早く行け」

「バイバイ」

「明日ね、バ〜イ」


 はづき、早く元気出すといいな、モンスター大量に買ってやるか


 腹減った、駅向こうの蕎麦屋に行こう。




 駅の反対側に来た、反対側はカズヤの中学のテリトリーだ。


 工藤が更生した後、カズヤの友達に詫びを入れさせた

 それ以来か…こっち来るの


 不思議と、高校生になってもこっちにはあまり来ない


 今から行く蕎麦屋も久しぶり、中学の時にカズヤの中学と揉めて、その後仲良くなってカズヤと一時つるんだ


 その時に教えてもらった蕎麦屋


 それ以外に思い出すことがある。


 杏子と初めてシタ時は、すでに俺は童貞ではなかった


 相手は、カズヤの中学の一個上の先輩、今井先輩、派手でチャラそうな先輩


 付き合ったわけではない、遊ばれた感じ


 当時、かなりヤケクソだったのもあり、恥ずかしながらノリだった


 後悔はしてないが、杏子にどう言っていいかわからないのが辛い


 杏子に、あれ?もしかして初めてじゃないの?って顔されたがスルーした


 今後、聞かれたらどうするか…いや、蹴り三発くらいは覚悟して言おう


 三発で済むかな…あの蹴り、けっこう威力あって痛いんだよな


 リナなんて、軽くトラウマになってるし




 天玉そば食って、墓参り



 天国の親友に近況を報告!

 さぞ、ビックリしてんだろうな

 今のこの俺の状況にさ




 親友と別れてからの、乗り鉄!


 JRの普通グリーン車に乗り小田原へ

 小田原からロマンスカーに乗り新宿、んで京王線で戻ってきた。


 鉄オタの中でも俺は乗り鉄、写真を撮ったりする撮り鉄にはまるで興味はない


 補欠の時は暇があったので、ちょこちょこ乗り鉄してた。


 青春18切符を使って、普通車のみで日帰り名古屋の旅とかもした。


 さすがにきつかった、ケツが死ぬかと思った、杏子の蹴りのがまだマシだな





 杏子の家に到着!


 今夜は、涼子さんお疲れモードなので、駅で吉牛買ってきた


 伝えたらめっちゃ喜んでた


 ピンポーン

 合鍵はさすがにないので押す


 ガチャ


「おかえり〜」

 杏子が笑顔で出迎えてくれる


 おかえりっていいよな、早く一緒に住みたい



 ガサッと吉牛の入った袋をテーブルに置く

 間髪入れずに杏子が聞いてくる


「はい、今日は何をしてたんですか〜?一部始終事細かに報告せよ!」


「え?来て早々で?」

「うん、カモン」


「杏子〜それがソクバッキーてやつじゃないの〜?」

 涼子さん、ソクバッキーって…ククク


「違うよ、これはソクバッキーじゃないもん!これは、夫婦のホウレンソウです!」


 またわけわかんねぇこと言い始めてるよ、そもそも帰国子女がなんでそんな言葉知ってんだよ


「あなた、ホウレンソウの意味分かってて言ってるの?」

「チッチッチッ、お母さん、もちのロンで存じ上げてますよ」


「行くよ」

「報告!」

「連絡!」

「そう…そう?そ、そ?そ、そ、そ?」


 しりとりみたいになってるじゃん



「走塁!」


 ガクッ


「さ、春樹くん、おバカはほっといて牛丼食べましょ」

「はい、ポンコツはほっときます」


「もう!今日は朝から色々やって、クッキー作って疲れてたから調子悪かっただけだもん!」


 おーーーい、ちょっとあぶねーよその発言、その自分で暴露癖どうにかしてくれよ…


「あら、調子いい日なんてあるのかしら?」

「確かに」

「うぐぐぐ、確かにって何よ!」



 その後、ホウレン走塁をやらされ、はづきのくだりでギャン詰めされたのは言うまでもない


 ま、ギャン詰め嫌いじゃないけど!

 

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