寂しい顔
ねぇ!チューして!早くぅチューして!
エヘヘへへ
ピピピピピピ、ピピピピピピ
「うっさいボケェ!」バシーン
「杏子!」なぁにぃ?竜斗ぉん
「杏子!」だからなんだよ!
「おい、起きろ時間だぞ」
ん?あれ?夢かぁ
「起きたか?早く支度してこいよ、お母さん待ってるぞ」
「あーそっかぁ、ありがとう、すぐ行くぅ」
「うわっ、やばっ、マジで散らかってるじゃん、今度俺が掃除するかぁ」
竜斗が私の部屋を出ていく
お弁当作るんだった、あ、やべ、もうこんな時間じゃん
「…………」
んん?辺りを見渡す
散らかってる、そう、私の部屋
さっき、起こしにきたのは?
竜斗
捨て台詞を吐いてったのは?
竜斗
………?
えええー!えええええー!
一気に目が覚めた!
とりあえず着替える!
ダッシュで高校のジャージに着替える!
部屋を出、る、出ない
とりあえず手遅れだが、部屋をブルドーザーする
四角い部屋が丸くなる
部屋を出る!母の元へダッシュ!
「杏子、朝からバタバタうるさい!」
「もう!お母さん!なんで竜斗に起こさせるの!竜斗に部屋見られちゃったじゃん!」
「あなたが起きてこないからでしょっ!」
「だ、だからって!」
「私が起こしたって、逆ギレするじゃない!それに部屋片付いてるんでしょ?何も問題ないかと思うけど?」
うぐぐぐぐ
「そ、そうだけど、寝顔見られちゃったじゃん!変な寝顔だっら恥ずかしいじゃん!」
「今更何言ってんの?昨日抱き合って寝てたくせに」
「は?」
もう何も言えね〜
「春樹君だと、すんなり起きてくるのね、毎回春樹君に起こしてもらおうかしら」
うぐぐぐぐ
「今日帰ってきたら、部屋片しなさい、そんなんじゃお嫁になんか行けないわよ」
「うーー、はい」
洗面所に歯磨きに向かうと、竜斗がお風呂掃除してる
「はは、寝ぼすけ!やっと起きたか」
朝から眩しい竜斗様
「今日片すもん!」
「わかったよ、次回楽しみにしてるわ」
と言って、すくっと立つ
母から借りたエプロンしてる
その下には…
うちで洗濯した学校ジャージに、うちで洗濯したアンダーシャツを着てる
パンツや野球のストッキングもうちで洗濯したやつ
今日は私達同じ匂いしちゃうかも
エヘヘへへ
「早く歯磨きして、顔洗いな」
「はい」
お弁当と朝ごはん作る!
母にシャケを入れたいとリクエストした
骨を抜くのだ!
そう、あのリナさんとゴー君のやりとりを再現したい!
「シャケないわねぇ…サバでいい?」
「んーー、許す!骨抜く!」
「ふふふ、これは最初から骨取りだからその必要ないわ」
ガーン
いや、私が抜いたことにするか
やめとこ、すぐバレそう
お弁当を作り、朝ごはんも食べ
家を出る
竜斗は朝ごはんのお味噌汁を凄い褒めてくれた
お味噌汁おかわりしてた
お味噌汁には自信あるっ!
私自身好きだから、マスターしてる
今日は豆腐と油揚げとネギ
竜斗はいつもはコンビニのカップだって、そりゃかわいそう
毎日作ってあげたい、なんなら水筒に入れてもってくか
二人でチャリを漕ぎ学校へ向かう。
「俺さぁ、バット新しいの買おうかなぁ」
「え?あ、うんいいんじゃない?」
そう、竜斗はチームバットの中から選んで使ってる、そのバットは他の人も使うので竜斗専用ではない
竜斗の家にある素振り用バットは、試合では使えない傷物、それもチームバットのお下がり
にしても、たしか硬式バットは四万くらいするんじゃなかったけ?
買えるのか?
うちの兄のバットをあげる…
いや、ダメかな、これも少しへこんでたような
それに、うちに残ってるのはアメリカで買ったアメリカのメーカーのやつだ、ミズノじゃない、規格通るのか?
「アンソニーさんに相談した方がいいよね」
「う、うーん、そうねまずはトニーに言ってから…そうだ、うちのお父さんにも相談するといいかも」
高校野球の規約はわからないが、プロコーチにバットを選んでもらうくらいよかろう
「あ、そうか、お父さんか、詳しそうだもんね」
「うん、選手によく相談されてる、それも仕事のうちだって言ってるからね、でも相談したら強制的にミズノだよ」
「ははは、そうなんだ、いいよミズノで、そこまでスラッガーにこだわらないよ」
「竜斗、買うとなるとバイト行くの?」
そんな暇あるのかな、あるなら私といて欲しい
バイトついてく!
「そうだなぁ、バットはさすがに高いからなぁ…あ、そうだ、身長また伸びてるから、アンシャツとか練習着も買わなきゃだめかな、元々限界きてたし、バイトしてまとめて買うかな」
そう、一昨日ジムに一緒に行ったら身長体重体脂肪等を計る機械があったため、トニーと私の前で計測してもらった
身長183センチ
前回、九月に計ったのが180センチ
約四ヶ月で3センチ伸びてる
まだまだ、成長期
将来二メートルとかになるんじゃないか?
「まあ、とりあえず相談に乗ってもらって、値段見て考えるわ、実戦あるのはまだ先だし」
「そうだね、明日お父さんが帰ったら言っとくね」
まぁ、父が生きてればの話だが
真剣に、喧嘩の後は燃えてくれと願う
てか、あれ?
あ、竜斗のお父さん…
説得出来るんじゃ…もう買ってくれるんじゃないか?
試合見に来て喜んでたんだし
すっかり忘れてた
私の出番のような気がするんだけど
これ、どうしたらいいんだろ
竜斗に言えばいいの?
うーん、違う気がする
とりあえず、まだ私達の関係が修復したばかりだから、作戦を練るのはもう少し後にするか
二人で仲良く学校到着
えっと、みんなに付き合い始めた宣言いるのかな
とりあえず、リナさんに言って自然に広まるの待つか
二人で駐輪場にチャリを止めて鍵をカッチャン
「おっはー」
リナさんの声がする
ゴー君とチャリ二人乗りで来た
用務員さんは見て見ぬフリ
なんだよ、じゃあうちらも二人乗りでくれば良かった!
「あれれぇ、今日同伴出勤?」
「ええ?いや、あ、はい、そこでたまたま会ったの、ねっ、竜斗、春樹さん」
おっと、いきなりつまづいた
「お、おおおおそうだよ、そう、杏子…ちゃん?」
コイツはもっとひどい、なんだよその疑問系
てか、いいや、とりあえずお泊まりバレなきゃいいから、先に交際スタート宣言しちまおう
「ん?なんだコイツら、怪しすぎる」
ゴー君のチャリから飛び降り、グングン近づいてくるリナさん
「あ、あの!報告遅れました!私達、ぶ、無事に付き合うことになりました!」
ふぅ、言ってやったぜ
「あ?そんな説明いらねーよ、お前らの顔に私達カップルでーすって、あほみたいに書いてあるからいらねぇ」
な、なに?
目の前にリナ様が仁王立ち
「怪しい」ジロリ
私と竜斗 ゴクリ
「ハルちゃーん、ちょっとしゃがんでぇ」
「えっ?」
「早く」
「う、うん」
クンカクンカ
リナさんが竜斗の頭の匂いを嗅ぐ
そして、すぐ何も言わずに、私の髪の毛の匂いを嗅ぐ
うわちゃ!
「おやおや〜まっっったく同じ匂いするのはなぜかなぁ」
「いえ、いや、その、シャンプーが懸賞で当たったから、竜斗にあげたんです!」
「ね!」
「う、ううううん?そうだっけ?」
カス
「お、おまえら、ヤッたな」
「え?」
「ヤル!告白してからの〜ヤル!ってキョウちゃん言ってたもんね!」
「言ってない!」
「おいおい、顔が真っ赤だぞぉ」
くぅ〜
こりゃやばい、こりゃやばい、こりゃやばすぎる、弁解せねば!
「ヤッてないもん!チュ、チューまでだもん!下着姿しか見せてないもん!」
「はい?」リナさん
「………」竜斗
「………」私
あ、やった、違う意味でやった
どうしましょ
「おい、エロ娘、下着姿の流れ教えんかい、じゃないと今から放送室いくぞ」
「ちがう、ちょ、ちょっとリナさんあのその」
「ん?なんかお前ら……」
私と竜斗のジャージの袖を同時に引っ張る
クンカクンカ
終わった、終了
「うわーこいつら同棲だ同棲!先生!こいつら同棲してます!」
「シー!リナさん、これには深い意味があるの!」
「下着姿に深い意味なんてあるのか?」
「ち、違くて、その」
「うわ!こいつら、おそろのミサンガつけてる!ん?うわ!ネックレスもおそろだ、キモ」
「もう!リナさん!」
「おい、お前ら、ホテル行ったな!さくらホテルは18禁だぞ、そうかキョウちゃんは老けてるからパス出来たのか」
「さくらホテル?」私
「あー駅の反対側にあるラブホテルだよ」竜斗
「ふぅーん…ってなに呑気に答えてんのよ!私達ピンチなのに!」
「え、あ、ごめん」
「てか!なんで、知ってるの?行ったことあるの?ん?んん?あ!川口さん!コロス」
「ちょ!待って杏子待って!」
「なに?蹴るよ!」
「勘弁してよ〜行ったことないってぇ」
「本当に?」
「本当」
「誘われたら?」
「絶対に行きません」
「今後、一緒に行けるのは?」
「十八歳を越えた杏子だけです」
「竜斗が生涯、一緒に行けるのは?」
「杏子だけです」
「ヨシ!エヘヘへ」
「アホくさ、先に行くわ、バイビー」
「ちょっと!リナさん!私の説明まだ聞いてない!」
「うっさい、バカップル!一生そこでイチャコラしてろ」
「もう!」
体育館に侵入
朝から疲れた
バコン!バチン バコンバチン
奥でバレー部が、掛け声をかけながらウォームアップらしき事をしてる
一人が打って、相手がレシーブ!を繰り返してる
野球に例えるとキャッチボールみたいなことしてるのかな
手前を間借りした野球部
間借りとか言ってたが、この広い体育館の半分を借りれてる
けっこう広く使えて色々練習できそう
すると、工藤さんがせっせと小さいコーンなどを置いて準備を始めてる
執行猶予が終わっても、しっかりやってる工藤さん
段々、みんなも認め始めてきた
「おい、下着娘、オノマリさんに挨拶いくぞ」
くっそ
この人の中で私のあだ名がどんどん追加されていく
「わ、わかりました!」
そうか、リナさんが、オノマリさんに頼んで間借りさせてもらったんだな
「お、おお俺も一緒に行く」竜斗
「ほほう、どもり将軍も来るか、来い来い」リナさん
三人でオノマリさんの元へ
とりあえず、挨拶したら竜斗から報告してもおう
うちらに気づいたオノマリさんが、バチコン打つのをやめて、私達の前に走ってきた
うわぁ、オノマリさん…ユニフォーム姿かわいい
てか、胸でか!わかってたけど…でか!
竜斗をキッ!っと見る
ほっ、目線は胸から外れてる、よし!
見てたら殺そうかと思った
「オノマリさん!んとねーコイツら無事付き合うんだって!」
ん?
まさか、挨拶ってこれか?
「えーそうなの!良かったね!キョウちゃん!おめでとう!」
正月のあの時からオノマリさんはキョウちゃんと呼んでくれるようになった
たまにメールのやりとりもしてる
「あ、はい、あざす!」
あれ?これ竜斗、リナさんに持ってかれた感じじゃね?
「あは、んでね、キョウちゃんね、今まで溜まってたムラムラ解放して、チューしまくりの下着姿で襲…モゴモゴ」
慌ててリナさんの口を塞ぐ
「リナさん、いい加減にしないと蹴るよ」
小声で牽制する
「ガクブルガクブル」
冗談でやってるかと思ったら、本気でガクブルしてるリナさん
あの時のローキックがトラウマになってるな
ニヤリ
「蹴るよ」
「ヒー」
「おゆきなさい」
「はいー」
邪魔者は消えた
「あは、キョウちゃん、いきなりアハーンしちゃったの?いえーい!やるじゃん!」
「リナさんの話をまともに受けないでください!」
忘れてた、オノマリさんも変人だった
私の女友達…ロクなのがいない
パッパラパーに、このおとぼけ女
「えっと、小野、ちょっと真面目な話いいかな」
竜斗が口を開く
って…その前にお前も否定しろよ
「ん、聞くよ、ごめんね」
「あのさ、本当ありがとう、小野がちゃんと説明してくれたから杏子の誤解がとけた、ありがとう」
「うん、良かった、やっと役に立てたよ」
「え、そんな、うん、今まで迷惑かけた」
二人の雪解けが始まる
ふと、周りを見渡すと
シーン
バレー部員はみんな手を止めこっちを見てる
野球部員もみんな見てる
みんな見守ってる感じ
本当にこの高校では、有名な話だったんだ
でも、ちょっとこの状況、私気まずいな…
スタスタスタスタ
誰かキタ
「おーい、俺もまぜろよ!」
うわ!ガブさんだ!
助かる!この四人になった状況なら、私気まずくないぞ
たぶん、それも考えて来てくれたんだ
前の工藤さんタックル事件の時もそうだし、カプリコの時もそうだけど、ガブさん普通に優男
「ハルー、どうした?杏子ちゃんと仲直りしたのか?」
「あ、うん、うんと、ガブ、小野、俺ら付き合うことになったからよろしくな、心配かけた」
「おー、やっとか!良かったな」バンバン
竜斗の胸を叩くガブさん
気をつけろ、スイッチ近いぞ
「じゃあさ、お昼ご飯四人で食べようよ!ね!キョウちゃん!」オノマリさん
「はい!喜んで!」
「ハルもへーき?」
「もちろん!練習の邪魔して悪かった、じゃあお昼に」
「うん、あ、カズー、今日だけは真面目にやってね」
オノマリさんが、ガブさんに牽制を入れる
まぁ、さすがにガブさんは、ふざけてバレー部には迷惑かけないだろう
「当たり前だろ!マリの顔に泥は塗らん!へっ!」
なんだろ、真剣に言ってるんだろうけど、少し怪しく思えてきた
「えー、なんか楽しそう!私もまぜて!」
いつもの背後霊で現れるリナさん
「あ!リナちゃんもお昼一緒に食べよ!ゴーも誘っちゃって」
「けーおつです!パイセン!じゃ!後ほどでーす」
リナさん、一緒にお昼はいいが、余計なこと言うなよ
「じゃ、失礼します、向こうで大人しく練習させてもらいますね」
「うん、あとでね、カズはちょっと待て、話ある」
私と竜斗は野球部の方に戻る
これを見て、バレー部と野球部が練習を再開
オノマリさんは、ガブさんに何か言ってる
「なんか、みんなに見られて恥ずかしかったよ」
竜斗の横を付いていきながら話す
「まぁな、でもこれでみんな変な目で見なくなるからオッケーだよ」
「バレー部の人達、私のこと通訳って知ってるのかなぁ、なんだこの部外者?とか思ってたりして」
「え?」立ち止まる竜斗
「ん?」
「杏子のことは、もうけっこう学校内に知れ渡ってるよ」
「え?えー!なんで?」
「かわいいから」
「え、嘘!エヘヘへ」
「嘘」
「はぁ?」
「頭おかしい女子中学生が、野球部でバッティングピッチャーやってる、監督には喧嘩売ってる、って噂になってる」
「えー!やばいじゃん私、もうすぐこの高校入るんだよ?入る前から、やばいじゃーん!」
「ハハハ、いいんだよ杏子はそれで、それでいいんだよ」
何かに納得しながら言ってくれる竜斗
「う、うん、わかった、でも竜斗、デタラメ報道はちゃんと注意してまわってね」
「え?デタラメ報道?」
「そ、私は頭おかしくない!これデタラメ報道」
「あー、真実じゃん、頭ちょっと飛んでないと監督には喧嘩売れないよ」
「は?、私、頭おかしくない!監督に喧嘩売ってない!ちょっと睨んだだけ!」
「わかった、わかった、じゃあデタラメだけは注意する、真実はそっとしとく」
「うん!かわいいとかはそっとしといて」
「すぐキレるは?」
「はあ?」
「もうキレてんじゃん」
「竜斗が怒らせることばっかり言うからじゃん!」
竜斗は私にキレてほしいのか?と、たまに思う
パコンパコン
「イッタ」「イテ」
リナさんが後ろからメガホンで私達を叩いてきた
「おい、いつまでイチャコラしてんだよ!練習始めるぞ練習」
「サーセン」
「ハルちゃん、すぐ蹴る、すぐ下着姿になる、を追加で報道しとけ」
「もう!リナさん!」
野球部体育館練習開始
全体で、コーンを使った反復横跳び
二人セットの手押し車
リナさんと私も楽しそうなので参加
えっとね、リナさん、ガッツリ運動音痴
料理上手だし、テキパキしてるし、コミュ力高いけど
運動だめ
「ちょ、ちょっとキョウちゃん押しすぎ!顔面からいっちゃう!」
前に全然進まない手押し車
反復横跳び…反復横跳びになってない
「もう、いいや、飽きた、終了」
B型か?
全体練習が終わると、各々の練習に切り替わる
名取監督は午後のグラウンド練習から参加、今頃用務員室で村田さんと茶をしばいてる
キャプテンのノブさんも午後から、今頃病院で腰に電気ビリビリしてる
副キャプテンの大さんは、体育館の別室にあるトレーニングルームで筋トレを始めた
これは、みんなだらけそう
と、思ったら、みんなしっかりやってる
壁にマットを立てて、穴の空いたプラスチックボールでトスバッティングを何箇所かでやってる
竜斗がトスを上げて工藤さんがパコンパコン打ってる
うん、二人いい感じ、良かった
今度は竜斗が打つ番になって、工藤さんがトスをあげる
ズゴォン!ズゴォン!
マットに当たるボールの音が地響きのような音をあげる
えっと、バレー部に迷惑をかけるくらい凄い音
実際、この音で体育館内の全員の手が一瞬止まる
竜斗だけ、違うボール使ってね?レベル
最初にテニスコート弾を打ってから数ヶ月、更に進化し続けてるこの怪物は今後もまだまだ力を上げてくる
うちの彼氏はマジでプロ野球選手になるかもしれない
二時間後
さすがにみんな飽きてきた
グラウンドで走り回ってなんぼの野球部
体育館の練習の集中力は持って二時間ってことだ
ダムダムダムダム、シュッ、スポッ
トニーがリナさんとバスケを始めた
さすがアメリカ人、バスケも上手いね
じゃねーわ
指導者が最初に遊ぶなよ
ダン、ダダン、ダン、テケテケテケテケ、ヒュ〜〜テンテンテンテンテン
バスケも下手くそなリナさん
まあ、いいかバレー部の邪魔にならないし、私もバスケしようかな
ゴー君とコバさんは竹刀と剣道の面で、叩いてカブってジャンケンポンしてる
どっから持ってきた?
羽堂さんは、携帯をポチポチしながら、バランスボールで一応トレーニングしてる
女にメールは後にしろ
竜斗と工藤さんは、二人セットでゴムチューブを使ってトレーニングしてる
うん、真面目、ヨシヨシ
はっ!あいつはどこだ!要注意人物ガブさん
イタ
トレーニングに使ってた小さいゴムボールを両手で持ち、なにやら膝立ちして考え事してる感じ、オノマリさんを見てる?いや、違う、なんだろ、誰かを探してる?待ってる?感じもする、すっっっごい嫌な予感がする
トレーニング室から、小太りドリさんが戻ってきた
すると、待ちわびてたかのようにガブさんはスクッと立ち上がり、そのゴムボールをシャツの中に入れ、両方の胸の位置にセットする
あーあ、始まったわ
胸を突き出しながら、ドリさんにクネクネ歩きながら近づくガブさん
「ドリ、揉むか?」
「え、い、いいのか?」
「遠慮はいらん、揉んどけ」
「あ、ありがとう」プニプニ
「片方だけでいいのか?両方いっとけ」
「い、いいのか?」
「もちろんだ、かまわんよ」
「あ、ありがとう」プニプニプニプニ
中学生、いや小学生かっ
すると、横を通りかかったマッキーさんに
「おい、マッキー、お前も揉むか?」
「は?そんなハゲ頭の胸なんか揉みたくないすよ」
と、捨て台詞を吐き、逃げ出すマッキーさん
「なんだとー」
と、カブさんが叫んで、エリマキトカゲ走りで追いかける
その走り方ウケる
マッキーさんを追いかけてた、ガブさん
途中で急にターゲットをゴー君に切り替える
「おい、くんなよ!やめろハゲ!」
逃げるゴー君
とうとうバレー部との境界線を越えた
そんなのおかまいなしのエリマキトカゲのガブさん
バコォーン、シュルルルルル、バチン!
「ギャッ!」
鋭い勢いで飛んできたバレーボールがガブさんの背中に命中
胸の中のゴムボールが衝撃でポテポテと落ちた
「コラ三沢!さっき言ったよね!迷惑かけるなって!」
オノマリさんが呼び付けでキレる
当然です
「あ、ごめん」
と、言いつつも、落ちたゴムボールをなぜか胸にセットし直す
「このヤロ!」
バコォーン!シュルルルル
オノマリさんがまたアタックを打つ
バチーン!
ガブさんが…綺麗にレシーブを決めた!
しかも、上手い!
さすがうちの主軸バッター、やるね
「オーー」と、この流れをみてた人達の感心の声が聞こえる
って、これ感心していいのか?
この、声を聞いたガブさんが両手を広げてみんなにドヤ顔
「いえーすっ!」そして、腰の位置でガッツポーズ
ガラガラガラガラガラガラ
ん?
バレーボールがいっぱい入ってるカゴを引いて、ガブさんに近づくオノマリさん
「あったまきた!」
バコォーン、バチン、バコォーン、ボフッ、バコォーン、バシッ
至近距離から、ガブさんに向かって打ちまくる!
「や、やめろ、悪かったー!ごめん、ごめんなさい」
えっと、気持ちはわかりますが、うちの主軸が…
「小野さん、そのくらいにしてあげなさい」
バレー部の顧問かな?優しそうなお姉さん?おばさん?が止めてくれた
「カズ、今度やったら別れるからっ!」
「はい、すいません」
そして、体育館の端っこを指さすオノマリさん
すごすごと、その端っこに向かうガブさん
そして体育座りで反省モード
「おい、胸の中のやつ出せ」
リナさんが近づき命令すると、スッと出して自分の横に綺麗に二つゴムボールを並べる、そしてそのボールに合掌する
「おい、まだふざけてんのか?」
と、言い、メガホンでポクポクと木魚のリズム感でガブさんの頭を叩くリナさん
それを見て、ドリさんがみかんを持ってやってきた
おそらく、昼のお弁当のお供
そのみかんをゴムボールの横において合掌
お供え物
マジでまたバレーボール飛んでくるぞ!
ラーンチターイム
六人で体育館の中で座り込んで輪を作りお弁当を食べる!
体育館は空調が効いてるので、野球部員はみんなここでお弁当食べてる
もちろん女子バレー部員もここでランチしてる
コバさんとマッキーさんが、女子バレー部の女の子二人と四人で仲良くお弁当食べてる
一年生同士なのかな
微笑ましい
あ、コバさんニコニコ笑ってる
あんな顔、私とリナさんの前では見せないのに
コバさんも男の子なんだね
って、年下の私が上から目線
「あれ?ハルちゃん、今日はビニ弁じゃない!え、なにその重箱ウケる」リナさん
そう、よく食べる竜斗に合うお弁当箱は家にはないので、おせちが入ってた重箱に詰めた
「エヘン!今日は私が作ったんだ!」
お弁当作ったのくらいバレてもいいだろ、リナさんだってゴー君の作ってるんだから
「え?キョウちゃんが?どれどれ」
重箱を開ける竜斗の横から覗くリナさん
「うっそ、これキョウちゃんが作ったの?絶対嘘だ、ママが作ったんだ、絶対ママだ、嘘はいかんよ嘘は」
「本当だもん!ねっ、竜斗、私作ってるの見てたもんね?」
「え!あーうん、そそだね」竜斗
んだよ、歯切れ悪いな
「え?見てた?いつどこでよ?」リナさん
あ、やば
「あは、もしかして朝を一緒に迎えた感じ?ヒューヒュー」オノマリさん
「いや、その、そうだ!朝迎えに来てもらって、まだ時間あったから、家で待っててもらったんです!ね?」
「えっと、そ、そうかな?あ、でも杏子は料理は出来るよ、うん」
ん?なんかイラっ
「料理はってなによ料理、は、って!」
「え、何?部屋の事言ってんの?竜斗が起こしにくるってわかってたら、ちゃんと綺麗にしたもん!いや、違う、いつもは綺麗だもん!今朝はたまたまなの!前の日ソファーで一緒に寝ちゃったから、片してなかっただけじゃん!」
ふん、チキショウ、絶対部屋綺麗にしてやる
「…………」全員
ん?
あれ?
「きょ、キョウちゃん、ハルちゃん、あんたら本当に同棲してるのか?」リナさん
「え!あ…」
「ソファーでアハーンしたの?エロすぎ!」オノマリさん」
「ハル、お前家出したのか?今日で何泊めだよ」ゴー君
「おい、下着姿でソファーでチューしたのか?それチューで終わらないだろ、キョウちゃんママいるのにひでーなお前ら」リナさん
「ソ、ソファー?下着姿?チュー?」ガブさん
「えっと、前の日ソファーで、今日はあの小汚い部屋、最低二泊してんぞこいつら」リナさん
「ち、違う!え、え、みんな謎解きのプロ?」
「謎解き必要ねーだろ、このポンコツ!」リナさん
「杏子〜こんなことあんまり言いたくないけど、今日ぜーんぶ自分で暴露してるよ、もう俺責任取れません」竜斗
カァーーーー、顔真っ赤
「ちょっと!みんな誤解!えっと、下着姿は見せたけど、えっと、違う!ソファーでは抱き合ってたけど、服は着てた!」
「………」
「もういいよ、しゃべるな、ボロが止まらないじゃん」竜斗
「おいおいーネタをどんどんぶっ込んでくるじゃん、マジウケる変態中学生」リナさん
「家はまずいな、さくらホテル行け、あそこガード甘いぞ」ゴー君
「そ、そうなの?」私
「おい、なに興味もってんだよ!」リナさん
「も、もってない!」
「アハーンしまくり!キョウちゃんオマセさん」
アハーンアハーンうるさいぞオノマリ!
あーもう、なんでこうなっちゃうんだろ私
こんなキャラだったけ?
竜斗とのことになるとすぐポンコツになってしまう
それだけ、好きだってことか
ん?
ふと見ると重箱がほぼ空になってる
嘘でしょ
「ねぇ竜斗、ご飯食べるの早すぎ!ちゃんと噛んでるの?」
「え?ごめん、めっちゃ美味いからついついガッツいちゃったわ」
「え、そう?ありがとう、エヘヘへ」
幸せ、幸せだぁ、幸せだからもうなんでもいいや、みんな笑いたかったら笑いなさい
「杏子ちゃんて、そんな笑い方もするんだ面白いね」ガブさん
「そうだよぉ、こいつキショいっしょ、この笑い方する時は、エロい妄想してる時だよ」リナさん
「マジで?杏子ちゃんエロばっかりじゃん」ガブさん
「今はエロい妄想してない!」
「今は?」私以外全員がハモる
「ニホンゴムズカシイネ、ワタシーハンブンアメリカジンネ」
「あ、逃げやがった」
「なんだよそのカタコト!」
「キョウちゃん、マジウケる!」
騒がしいランチタイムも終了
あ、私一人が騒がしかったかもしれない
「オノマリさん、お邪魔しました!」
「うん、邪魔されました、またね」
「あ、はい、ども」ペコリ
午後の練習に備えて、体育館を出る
すると、可愛いユニを着て、ラケットを持った女子集団とすれ違う
おそらく、私達と交代で午後体育館を使うバトミントン部だ
となると…あ、イタ
背の高い女子、バトミントン女…じゃなくて、はづきさん!
向こうもこっちに気づく
「あ、ハル、お疲れー」
「おう、はづきはこれからか」
「そうだよ、ん?」
私に気づくはづきさん
「星川さんだっけ?こんにちは」
優しい笑顔で挨拶してくる
「どもです」ペコリ
この前の一件があるので気まづい
「昨日、あなた達を駅で見たよ、手を繋いでりしてたけど、もう付き合ってるの?」
え!ま、マジか
「うわ、見られたかぁ、うんそうだよ、よろしくな」
竜斗、はづきさんにはスラスラ言えるんだな、なんかそれはそれでちょっとムカつく
「良かったじゃん、お幸せにね、二人お似合いだよ」
「おう、サンキューな、はづきも早く男作れよ、なんだかんだ相手いねーよなお前」
「うるさいなぁ、影でいるのよ影で!彼女出来た途端上から目線やめてよね」
「ははは、そうだな、まぁ、じゃあその影の人によろしくぅ、じゃあな部活頑張って」
「はいよ、ハルも頑張って、星川さんも頑張ってね、じゃ」
「あざす!」
なんだろ、この前より勢いが全然ないはづきさん
それに…
私達と別れ際に、一瞬少し寂しい顔をしたのを私は見逃さなかった
あの、寂しい顔は何を意味するのだろうか…
ま、そうゆうの気にするのやめた
さ、午後はグラウンド練習!
やっとシャバに出られる!




