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モンスター協奏曲  作者: 東京小町
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再会

 

 転校して、二週間程度が経った。

 

 学校生活はある程度慣れて来ている。

 

 友達とまでは、まだ言えないが

 休憩時間や、放課後等におしゃべりしてくれる女子達が出来た。

 

 男子もチラホラ話かけてくれる

 私が、分からなくてオロオロしてるとみんな助けてくれる。

 

 クラスメートみんな良い人!

 

 噂が広まって来てるのか、違うクラスからのギャラリーも出て来た

 チャラそうな男子達が手を振ってくるので、愛想満載の満面の笑顔と、ちょっと照れた感じの手の振りで返す。

 

 笑顔は得意!

 

 ただ、爆笑するとゴリラみたいになると良く言われて引かれてたので気をつけねば。

 

 この前、クラスメートの女子と談笑中、危うくゴリラになるとこだった

 私は、「ゲラ」らしいので危ない危ない

 

 美人の転校生は、陰湿なイジメに会うと聞いていたが…

 今のところ、全然無い。

 

 美人ではないのか?

 

 とゆうか、どうやら私の予習はなんだか間違った方向に行ってるのと古いみたいだ

 クラスメートが、爆笑しながら教えてくれた

 ムムム!ほっぺ膨らんだが

 なんか、笑い取れたしいっか。

 

 それよりも…

 

 授業やべー

 もう、ゲンナリ

 全然ついて行けない

 

 チンプンカンプン

 

 私、一学年間違えてない?

 

 歳は、四月二十一日で十五才なので間違いはないはず

 ただ帰国する際、色々問題があるのはわかってた。

 

 日米の教育カリキュラムの違いだ。

 

 本来、日本人学校だったら何も問題なかった

 日本と同じカリキュラムで進むので転校もそんなにギャップは無い

 

 でも私が通ってたのは、現地の普通の学校

 

 だとすると、話が変わってくる

 

 まず、州単位でカリキュラムが違うため何歳でどこまで進むとかが全然違うらしい

 学習する教科等も違ってくるが、そこは学校とは別の機関で補ったつもりだが、それも追いついているか分からない。

 

 そんなこんなで、両親と日本の受け入れ先の学校、教育機関と協議することにななり

 まずは、審査と学力テストみたいなのを三教科受けた。

 

 そしたら、パスしたので当初はすぐ編入して高校一年からと言われたが…

 

 あれ?そうすると一年上になるぞい

 なんか、揉めだした

 もう日本の機関も良くわかってないのだ

 この問題は昔からあるらしい。

 

 日米学力摩擦!

 

 全て学力兼ね備えてたら、一年上でもいいのか?

 

 いや、何かこの娘は学力に偏りがあるぽいぞ

 

 要は、日本より先に行ってるのもあれば遅れを取ってるのもある…と、ゆうこと

 

 結果、やはり中学校三年に編入して、もう一度入試を受けてください!となった。

 

 すると、今度は両親がブチギレた。

 

 熊父が、「編入試験パスしてるんだろうが!」

 母は、コロコロ……いや笑ってない

「それだと、入試まで期間が全然ないじゃない」

「日本にも慣れてないのに、それだとあまりにもかわいそうじゃありません?」

 

 すると、機関側が

「なので、一学年落として中二から編入することも出来ます」

 

 両親が食い下がる


「編入試験通ってるのにですか?」

「通ってないならわかりますけど、じゃあ編入試験制度の意味は!」

 

 そりゃそう、なんでまた一個後退するのよ

 絶対嫌だ、学業一年余計にやるなんてまっぴらだ。

 

 両親もそんな私の想いは汲み取ってる。

 

 父は、自分の仕事のせいで娘に迷惑かけたくはないだろう、だから粘る!

 母の言う通り、中三だと帰国からの入試まで余裕がない

 子女枠で少し優しい入試もあるらしいが、それだと入試時期が一般より早いので更に時間が足りない。

 

 中学校も内定している高校も公立

 

 関わってる人間がみんな公務員だから、話が固い!

 って、両親騒いでる

 

 そこで、両親が切り出した


「だったら中三に編入させます」

「だけど、編入試験が通ってるのは活かしてください」

 

 中三に編入するけど、入試はせず

 来春からパスしてる高校に通うって事だ!

 私も、この案が一番良いと思った

 一学年上は自信ない、一般入試自信ない、一学年下は絶対に嫌


「これがダメなら、書類全部返してください!」

「中高一貫の私立高校と相談します!」

「なんなら都の機関に乗り込みます!文句言いに行きます!」

 

 コロコロ母がキレキレ母に変身

 

 私立も選択肢にあった

 でも、遠いのが嫌なので近くの公立を希望した


 色々協議した結果…

 受け入れ高校側が、心良い返事をくれた。


 

 これで一件落着からのーー


 

 この授業について行けてない状態

 

 ある意味教育機関の言ってることあってるわ

 

 んで、英語よ英語

 まるでノーマークだった英語

 試験は良いけど、授業となると…

 なんだろう、違和感だらけで全然入ってこない

 まず、ツッコミどころ満載

 そんな英語使わん!

 とか、それニュアンス変わってくるぞ

 他にも色々……

 

 あと、一番問題なのは英語の問題を日本語で出されると余計に頭がおかしくなる。

 

 同時通訳は全然出来るが、それとは全然違う

 

 なんて言えばいいかわからないが、質問の日本語と答えの英語が噛み合ってない気がするから混乱する。

 

 あと、文法文法うるせー

 

 数学は図形だらけだしよぉ

 さすがモノ作り日本、図形好きなんだな

 

 何故、試験をパス出来たんだ?

 

 いやなんかわかる

 

 三教科のうち、英語はまぁ試験だとなんか問題なくいける。

 

 数学はなんか私の方が先に行ってる感があるし、図形問題少なかった。

 

 国語は、試験用にフォーカスして補習してたので楽ちんだった。

 

 なので、余裕かましてたー

 

 中間テストが終わったタイミングで転校してきたので、次は期末テスト

 

 まだ時間あるので勉強まじでしよう

 

 ん?なんだ学力テストなんてのもあるみたい

 

 めんどくさっ!

 

 正直、テストの結果は関係ない私

 でも、結果悪いとやはり落ちるし

 美人で頭良くないは…やばいっしょ!

 あと、普通に恥ずかしい


 

 

 さて、切り替え……て、と

 

 今日は土曜日で学校はお休み

 学業のことは一旦忘れよう

 

 今日は重要ミッションがある。




「杏子〜来たみたいよー」

 

 母が私の部屋に向かって叫ぶ

 

 私は返事もせず、無言で部屋を飛び出し

 狭い家の中を玄関に向かってダッシュ!

 

 玄関先から英語での話し声が聞こえてくる

 

 ドアを先に開けて出迎えると、白人男性が入ってきた。


 「トニーーーー!」

  

 叫びながら白人に年甲斐もなく私は抱きついた!

 

 トニーこと、アンソニークライン

 

 アンソニーのスペルを短縮してトニー

 通称、あだ名ね

 

 父のアメリカの時の仕事仲間であり

 私のアメリカの兄的存在だ。

 

 実の兄もいますけども、別格です!

 

 トニーは四十才くらいのオッサンなので、兄と言うのは少々無理があるかな

 でも、白人でシュッとしてて目が綺麗

 立派なイケオジってやつ


 二年?いや三年ぶり?の再会なのでテンションが上がってしまった。


「トニー久しぶり元気してた?」

「久しぶり!うん、かわりないよ」

「しかしキョーコ、また綺麗になったな、そろそろお嫁さんに来るかい?」

「ちょっと〜日本に帰ってきたばかりなのに、またアメリカに来いって〜?」

「う〜ん、すぐに支度するから時間ちょうだい」

 

 なんて、英語でのアメリカンジョークの掛け合いになり


「おいおいうちの娘はまだ十五だぞ!そうだな、あと一年待ってくれ!ガハハハ」

 と、父も下品な笑い声付きの英語で乗っかる


「私、大人になったらトニーのお嫁さんになる〜」ってお決まりのクダリの流れだ。

 

 子供の頃が懐かしい

 

 母は、英語が苦手なので聞き取れないからコロコロ笑って付き合うだけ

 あとで何を話してたか説明してる

 アメリカの時は、私と実兄が母の通訳係をしてた。



 父の仕事は、プロ野球チームのコンディショニングコーチ


 ピンとこない人が多いと思うが

 選手の体調のケアや、トレーニングプランの作成や怪我した選手のリハビリケア等をする。

 

 表には出てこない、テレビにも映らない

 

 だが、球団には必要不可欠な立派な裏方の仕事だ!

 

 当初は横浜のチームにいたが、そこの有名選手がメジャーに移籍

 引っ張られるように父もアメリカへ

 その選手は三年契約満了で帰国したが、父はメジャーのチームに引き留められ更に十年

 最高峰、メジャーのチームに十年以上いたんだから凄い!

 

 熊だけど、尊敬してる。

 

 トニーも同じコーチだったが、父の仕事ぶりに惚れ弟子入り

 弟子入り時代、よくうちに来ていて遊んでくれたのでプロポーズしたのだ!

 

 ただ、トニーは父よりも更に凄い

 若手選手の育成が得意で、見る目がある、見抜く力がある。

 

 神の目、ゴッドアイだ!

 と、密かに私は思ってる。

 

 父は、トニーはコンディショニングプランはまだまだだが、あいつの育成プランは素晴らしい

 と、変なマウントを取りつつもリスペクトをしている。

 

 今シーズンでメジャーを退団予定だった父に、東京の球団からオファーをもらい帰国になった。

 

 私の渡米と帰国の流れはそうゆう理由である。

 

 トニーの現在は、カリフォルニアで数年前にとあるメジャーチームの資本で立ち上げた育成施設のコーチをしている。

 

 以前から日本の「野球」に興味があった中、父の日本復帰を聞きつけて、また弟子入り復帰を熱望

 施設側に頼んだら、一年ならいいよと、期限付きだが承諾したので来日してきた。

 

 来年の九月まで父の弟子になり、日本のプロ野球チームに帯同する。

 

 トニーの報酬はなぜか、資本先のメジャーのチームが持つ。

 

 さすがメジャー!器が違う。

 

 また二人で仕事できてよかったね

 と、当初はそうゆう話でまとまってたのが…

 

 その後、父に思わぬオファーが舞い込んできたせいで状況は一変した。


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