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モンスター協奏曲  作者: 東京小町
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28/45

恋の叫び


 世間はクリスマスで盛り上がってる。


 私は実質、日本のクリスマスは初めて


 アメリカと基本やってる事は変わりはない、飾り付けなどは似てる。


 だが!日本は恋人達のためのクリスマス感が半端ない


 アメリカのクリスマスは、二十五日が祝日になり家族みんなで祝うのが普通


 日本はまず、イブ命!カップル命!一人だと負け組!しかも二十五日になると、クリスマスはもう終わった感出るって聞いた。


 なんなら、イブイブのが強いって


 イブイブって…ただの普通の日じゃねーかっ!


 街を歩くイチャイチャカップルを見て、イラっとして心の中でツッコむ


 そう、私にはイチャつく相手がいない


 順調に恋を続けてれば今頃、このイチャイチャの仲間に入れたかな



 恋をこじらせて、けっこう経った


 大人しくなった私は、日々淡々と過ごしてきた、なにごともなく、キュンもしない、爆笑もしない、ローキックも打たない、ただ事務的にマシーンのような生活



 トニーはクリスマス休暇でアメリカに帰国した


 帰ってくるのは、練習初めの年明け四日


 私もトニーがいなければやる事ないので、野球部を休んでいる


 竜斗は、年明けまでノースロー調整になったので、()()()の共同作業の必要はない、私の出番は無し、用無し


 トニーのクリスマス休暇は、けっこう前から決まってた。

 当初は私だけでも練習に参加する気満々だったんだけど…


 結局、休みを選んだ、今は休めてホッとしている。


 あのまま、竜斗とラブラブだったらこのクリスマスも楽しかったんだろうな


 トニーがいないから、練習中竜斗につきまとうことが出来て楽しかったんだろうな


 って、自分でブチ壊してるのになに言ってんだか


 今の私のこの状況、ずっとこのままなのかな


 こんなに引きづるとは自分でも思わなかった


 顔は老けてるけど、中身は恋愛ウブな中三女子

 受けたショックがデカすぎた



 私の頭がおかしくなって、ちょっとしてからリナさんから心配の電話が入った


「キョウちゃん、最近元気ないみたいだけどだいじょうブイ?」


「実は、お父さんから叱られてしまいまして、この前の春樹さんのデビュー戦ではしゃいでるの見られて、そこ指摘されちゃったんです、真面目にやれって」


「はぁ?初めての試合なんて、誰でもはしゃぐだろ、自分の娘ただ働きさせておいて、よー言ったわ!腹立つ」


「はは、まぁ父親の言ってることもわかります、真面目にやらないと甲子園なんか行けないぞって…」


「うーん…」


「なので、ちょっと真面目にやろうと思ってるだけですから、みんなにも私の状況言っといてもらえますか?」


「わかったよ」


 って、やりとりがあった


 まぁ、はい、嘘です


 父はそんな事は一言も言ってない


「ボランティアなんだから、好きにやれ」って言われてる


 お父さんごめんなさい、悪者にしちゃいました


 これしか思いつかなかったの


 でも、私の想いは半分合ってる


 やはり、グラウンド内でイチャイチャしてはだめだ


 真剣に甲子園を目指してる学校は、今もボロボロになるまで練習をしてるはず、そんな一生懸命の学校にイチャ高が勝てるわけない!


 野球の神様にも、そっぽ向かれてしまう


 だから、これでいいの


 リナさんが、みんなにはともかく、竜斗にも説明してくれたはず


 なので、私の変化の本当の理由には誰も気づかないと思う


 リナさんは鋭いからそのうち気づくのかな


 なんてごまかそう


 竜斗はアホだからたぶん気付かない


 いや、さすがに気づくかな

 気づいたら、だんだんと私のこと冷めてくだろうな


 それで本当にいいのかな




 クリスマスも終わり、世間は一気に年末モード、そしてお正月の準備!


 日本てこの時期、色々忙しい


 私は暇だけど



 二学期も終わり、冬休みに入った


 部屋でお勉強のついでにポケモンゲーム


 いや、ポケモンゲームのついでにお勉強


 入試はないが、追いつくためのお勉強


 せっかくの冬休みを一人寂しく部屋に引きこもり


 中学校には友達一人もいないからしょうがない


 って言っても、みんな入試が近いからどのみち相手にはしてくれない


 部屋でベッドにねっ転がりポケモンゲームに励む!


 グーダラ万歳!


 ピカチュウさん、この前はけなしてごめんなさい、やはりあなた無しでは生きていけない


 って、つまんね、飽きた


 これなら、バッピやってボロボロの方がまだいい 


 ♬ ♬ ♬ ♬


 携帯が鳴る


 ん、コナンだ、リナさんだ、なんだろ


「もしもし」

「おっキョウちゃーん、どうせ暇して家いんでしょ?」


「え、はい、家にいますよ」


「じゃあ、お姉さんがお話聞いてあげるから今から行っていい?てか、運動公園まで来た、家どこよ」


「え?リナさん練習は?」

 そう、今日は普通に練習日だ


「うん、工藤さんがいるから大丈夫、キョウちゃん具合悪いから見てきていい?って聞いたら、行ってきな、あとは任せて、だって」


 そう、工藤さんは人が変わったように動いている。


 朝は一番乗り、練習後は一人で居残ってティーバッティングをやり、一人で片付けてる。


 最初からやれや、と思うが、まぁそこは暖かい目で見てる。


「わ、わかりました」



 家の場所を伝え待つことに


 リナさんは「話聞いてあげる」って言ってた


 もう、私の中でなにかあったのはお見通しだ


 もちろん私の方からとっくに相談したかった。


 リナさんはきっといい解決策を一緒に考えてくれる。


 でも、相談するとネタ元が清水先生だってことがバレる。


 リナさんは清水先生のことを知らないが、旦那のゴー君は知ってる、絶対バレるよね


 バレたら清水先生に殺される


 ってことで、今まで黙ってた


 でも、限界かな


 あ、黙っておくのが限界なんじゃなくて、私が限界、誰かに相談したい、その相手はリナさん以外考えられない。


 どうにか、清水先生のことを触れずに話をしてみよう




 ピンポーン


 キタ


 玄関を開けると、ジャージちょんまげ姿のリナさんが現れた!


「やっほーきちった」

「あ、ども、どぞ、あれ?リナさん歩き?」


「ううん、ゴー君のチャリパクってきた」

「なるほど、どぞ」


「お邪魔しまー…ん?なんだこれ」


「あ!そこだめっ!」


 うちの玄関には場違いのどデカい下駄箱が不自然に設置されている、その反対側の普通サイズのやつが家族用


 デカ下駄箱の観音開きの扉の両方の取手に手をかけるリナさん


「え?だめ?」

「そ、開けちゃ絶対だめ!」


「開けたら?」

「開けたら、不幸の手紙が届きます、マジでやばい手紙です」


「ふぅーん」ガチャ


「あーーだめ!」


「え、な、なにこれー!」

 手を、開けた取手に沿って大きく広げ、口があいたまんまで顔だけこっちを向くリナさん


 ま、そりゃそうなる


 ぎっしりと並ぶ靴や、まだ開けてもなさそうな靴箱、一番下は色とりどりのブーツ類、そして上の棚にはブランド物のバッグや、袋からまだ出させれてないバッグや小物類がズラッと並んでいる


 バレた


 普通、人んち勝手に開けるかね


 しかもダメだって言ってるのに


「こ、これみんなメーカー直?」

「そ、メーカー直」


「メーカー直の懸賞?」

「そ、みんなメーカー直の懸賞」


「へぇ、そうなんだぁ…ってなるかい!」

 リナさんのノリツッコミが決まる


「どーゆことこれ、キョウちゃん!やっぱり中三は嘘だったんだ、私のこと騙したんだ!ザギンの女だザギン!やっぱり無理があるよ、その顔で中三はない、もっと早く気づけばよかった シクシク」


 本気なのか冗談なのかわからん


「そんなわけないでしょ!正真正銘中三です!」

「証拠は?」


「後で生徒手帳見せます」

「わかった」


「それは、その、お母さんのです」


「お母さんがこんな赤いロングブーツ吐くの?このブーツに合うのミニだよ、失礼かもしれんが無理じゃね?」


 まぁ、その通り、五十の母には無理だ


「と、とりあえず、その話は後!私の話を聞いてくれるんでしょ、早く扉閉めて上がってください」


「えーー」

「早く!」


「はーい、これキョウちゃんのじゃないの?」

「ち、違いますよ!私には早すぎます!」


「じゃあ誰の?」

「話すと長くなるから後で!しつこい!」


「わかった」カチャ

 扉を閉めるリナさん


 ガチャ!また開ける


「もう!」



「お友達が来たの〜?」

 部屋から母が出てきた


「あ、キョウちゃんママ!綺麗!綺麗すぎる!初めまして青山里奈です、高校一年生やってます、お邪魔しマンモス」


 外面(そとづら)良しのリナさん、なんだかんだで、母とは初絡みか


「あらぁ、嬉しいこと言ってくれるじゃない、リナさんだよね、杏子からいつも話を聞いてるわ、娘がお世話になってます」


「はい、お世話してます、キョウちゃんにいつも蹴られてます、足がいつも痛いです」


「ちょ!リナさん!あれはリナさんがいけないんでしょ!」


「シクシク」


「そうよね、この子すぐ怒るのよねぇ、ごめんなさいね」


「ちょっと!お母さんも乗らないでよ!」

「おーこわ」


「キョウちゃん、悩める少女モードなので、ちょっと話聞きにきました」


「そうなのよぉ、いきなりパタっと大人しくなっちゃってねぇ、是非聞いてあげてね」


「はい、りょです!」


 母は今まで、なにも言ってこなかった、そっとしといてくれたけど、さすがに母から見てもやばかったのかな



 私の部屋に入り、相談会開催


「キョウちゃん、部屋散らかってるね、お嫁に行けないよ」


「いつもは、綺麗なんです!今日はたまたま!」


「そうかなぁ、そうは見えないけどなぁ、どれどれ」


「ちょっと勝手に漁らないでください!」

「あ、なにこれぇ」


 大さんの彼女さんが描いてくれた漫画、母がダイソーで買ってきてくれたポスターフレームに入っている


「それ凄いですよねぇ、本当に漫画だったのはビックリしましたけど」


「あれ、この超〜喜んでるおじさん、ハルちゃんパパじゃね?来てたんだ?」


「え!この人、学校の先生じゃないんですか?」


「いや、間違いないよ、一昨日かなゴーくんとハルちゃんちにDVD借りに行ったら、たまたま帰って来てて挨拶したもん、この人だよ間違いない」


「エロいやつ借りに行ったんですか?」


「違うわ!なんでもエロに結びつけるなよ!ワイルドスピード!エロは私で足りてるわ!タブン」


 サラッと中三の前で言うなよ


 でも、おかしい、なんでお父さんが見に来てるんだ?


 さおりさんの話だと、お父さんは野球大反対なはずだし、あの日お父さんが来てるなんて言ってなかった


 竜斗も絶対気づいてない、気づいてたらバックネット裏の私にチュウの回数のサインなんか出さない、その時はお父さん、私の近くにいたんだから、漫画見ればわかる


 隠れて見に来てた?


 さおりさんから聞いたんだったら、試合に出るのわかってるんだから、隠れる必要はない


 どうであれ、こんだけ喜んでるってことは、野球のこと認めてくれてるんじゃないんだろうか…


 お父さん、反対した手前、恥ずかしいから隠れてる…が正解?


 だったら私の出番のような気がする  

  

 ちゃうわ、まずは私が解決しないと、それどころじゃない


「で、ほれ、何があったか言ってみそ」

「あ、はい」


 清水先生から聞いたこと、私が今どう思ってるのかなど、全て打ち明けた




「なるほどぉ」

 考えこむリナさん


「リナさんはもちろん知ってたんですよね?」


「うん、知ってたけど、私が知らない情報もあるわ、事件に詳しい人に聞いたんだね、ハルちゃんとオノマリさんとの事は知ってたよ」


「ですよね…」


「とうとう知っちゃったか、黙っててごめんね、私から話す事ではないと思ったからさ」


「はい、それは理解できるので大丈夫です」


「でさ、単純なこと聞いてくね」

「はい」


「キョウちゃんはさ、聞いて萎えちゃったの?違うよね」


「はい、そんなことないです、好きだから辛いんです」


「うんうん、わかった、ハルちゃんがキョウちゃんの事だけを見てるのは、わかってるよね」


 私はコクッとうなずいた


「で、問題はオノマリさんてことね」


 コクコクとうなずいた


「うーん、まずさぁ、キョウちゃんとハルちゃんは両想いなんよ」


 コクッとうなずいた


「で、なに悩む?オノマリさんに悪いってか?」


「それもあります、だってオノマリさん別れてもずっと好きだったんですよ、なのに何も知らない私が奪ってくみたいで…」


「奪うって…ハルちゃんがどっちつかずの行動取ってるならわかるけど、ハルちゃんはキョウちゃんのことだけが好きなんだよ、それで奪うは違くね?オノマリさんはただの元カノ、関係なくない?」


「関係なくはないかと…私達の付き合いをどんな想いでオノマリさんは見るのかと思うと私は複雑です」


「てかさキョウちゃん、オノマリさんがハルちゃんのことを好き前提過ぎない?」


「え?」


「この前、キョウちゃんが、はづきちゃんとかと修羅場になったー、オノマリさんはハルちゃんのこと絶対好きだ!って言ってたけど、本当にそうかな?冷静に考えると違う気がする」


「なんでですか?」


「うーん、だって事件起きて別れたのってけっこう前じゃん、今だに好きって…じゃあなんで元サヤせまらない?それこそ高校入ったタイミングで元サヤせまればよくない?さすがに引っ張り過ぎだろ」


「そ、それは…」


 確かにそうか、高校入ってもうすぐ二年近くだ


「でも、オノマリさんはわざわざ推薦蹴って同じ学校に来てるんですよ、好きに決まってるじゃないですか」


「うーん、そうかなぁ、桜水のバレーも強いよ?」


「え?そうなの?」


「近くの都立選んだだけじゃね?それこそハルちゃんのことはキッパリ切ってるから、同じ高校に来たんじゃないかな」


 そっか、そうゆう考え方もあるのか


「それと、春樹さんが学校でモテないのって、事件のこと学校全体レベルで知ってるからですか?私みたいに遠慮してる感じですよね?」


「うーん、ズバリそうだと思う、有名な話だからね」


「はぁ、やっぱりそうですよね、バカだな私、何も知らないではしゃいじゃって」


「は?キョウちゃん、それはハルちゃんに失礼だよ、ってことはキョウちゃんは知ってたら好きにならなかったんだ」


 それは違う、それも考えた、違う


「結局、キョウちゃんもみんなと一緒か」


「ち、違うもん!私、私は春樹さん…竜斗のことが好きでたまらない!私は恥ずかしながら、ここまで人を好きになったことがありません、こんな想い初めてです、これが恋だと初めて知りました、事件のこと知ってたとしても絶対に好きになってます、逆に事件を知ってから好きになりたかったです、その方が冷静になれたと思うんです」


「そっか、キョウちゃん、ハルちゃんのこと大好きなんだね」


 コクッとうなずく、気づくと涙が出てる


「そうなんです!大好きなんです!大好き!春樹さんのことが大好き!竜斗が大好き!大好き過ぎるから…ここまで悩んでるんです」


「ねぇリナさん、私どうすればいいの?このやるせない気持ちはどう整理すればいいの?大好きだけど、このわけわからない気持ちをどうにかしないと、前みたいに竜斗に飛び込めない!」


 号泣してしまった


「うんわかったヨシヨシ」


「ようはアレだな、この話まとめると、キョウちゃんは、ハルちゃんに対してまだ未練があるかもしれない元カノが同じ高校にいる事が許せないんだな?」


 え?なんでそうなる?ん?そうかも、単純な話そうだ、もしオノマリさんが同じ高校にいなかったら全然平気だ、清水先生にぶっこまれた時、同じ高校にいるからショックだったんだ、しかもその時、嫉妬心かもって自分でも思ってた、そこから勝手にこじらせたんだ


「あ、ズボってるねキョウちゃん」


「う、今気づきました、そうかもしれません、私の知らないところにいるなら眼中なしです、恥ずかしい、ただのやきもちか、でも実際は同じ高校にいるんだから、どのみち解決にならなさそう」


「恥ずかしくないよ、好きだからこその気持ちだよ、大人の女性ならともかく、うちら若いんだからやきもちくらいやくっしょ」


 確かに、リナさんのやきもちはパナイ


「解決にならないか…うーん、しゃあない!お姉さんが一肌脱ぐか!」


「え?リナさん、デカパイ見せてくれるんですか?」


「ちゃうわ!って本気で言ってるね、あのねキョウちゃん前から思ってたんだけど、難しい日本語知ってるくせに意外と簡単な日本語知らないよね、誰に教わるとそうなるん?」


「え、はい、サーセン、だって脱ぐって言うから」


「しゃあないな、ホレ」

 リナさんがブラジャーごとめくってデカパイ見せてきた


「わー!ってあれ乳首黒っ!」


「は?く、黒くねーし、じゃあそっちも見せろ!ちっぱい星人見せろ!」


「やめてー」

 キャハハハハ



「あと、リナさんもう一つ聞きたいんですが」

「なんだよ」


「竜斗…春樹さんて私の変化に気づいてますよね?」


「当たり前でしょ!え?キョウちゃん気づいてないと思ったの?アホやん」


「ですよねぇ、だとしたら私に愛想つかして気持ち離れてっちゃいますよね」


「いや、ないね、ない、ハルちゃんはキョウちゃんに振られない限り、好きだよ」


「なんでわかるんですか?」


「キョウちゃんと一緒で真面目で一途、それにゾッコンだからそう簡単に諦めないね、振られるまで好きだよ、キョウちゃんだって逆の立場だったら一緒でしょ」


 確かに、私だって振られるまで好きだ、自信ある


「ただし!」


「え」


「ハルちゃんにも我慢の限界はあるよ、その時はハルちゃん、告白してくるよ、その時どうするかはキョウちゃん次第、その時の対応間違えるとハルちゃん失うよ」


「はい、わかりました」


 竜斗から告白なんて、本当にあるのかなぁ


 あまり、想像出来ない


 その後、色々話をした、久しぶりに爆笑した



 スッキリした、まだ解決には至ってないけど、かなり楽になった、リナさんとはいつまで友達関係を続けられるかな、一生友達でいたい、私のこと心配してわざわざ家に来てくれて、真剣に相談に乗ってくれる


 そして、リナさんは空気を読んだかのように私が誰から聞いたのかを探ってこない、本当感謝でいっぱい


 今後このような友達は何人出来るのかな、いや、リナさんしかいないかもしれない


「じゃあ、そろそろ行くぜぃ」

「あ、じゃあ生徒手帳」


「もういいよ、こんな小娘がザギンなわけない、中三確定だわ、なんなら中二だね」


「ひどっ」


「じゃね、またね」

「はい、今日はありがとうございました、また」



「えっともっかいみる」ガチャ

「もう!」


 リナさんがゴー君チャリで帰っていった



「あら、お友達帰ったの?」

 母が部屋から出てきた


「うん」


「いいお友達出来たわね」

「うん、少し楽になった」


「あら、楽になった程度なの?」

「え?」


「こっちの部屋まで、春樹君大好き大好きって聞こえてきたから、てっきり復活したのかと思ったわ」


「え!うそ!」


「たぶん、お隣りさんまで聞こえたわね、春樹君をご近所に宣伝しないでくれるかしら」


「うー」メッチャ恥ずかしい


「杏子はそれでいいのよ、あなたはそうじゃなきゃダメ、恋に落ち込んでるのは柄じゃないわよ、なにがあったか知らないけど、猪らしく早く春樹君に突進しちゃいなさい」


 猪やだ、チワワがいい


「ねぇねぇお母さん、お母さんは今の私みたいに人を大好きになったことある?」


「え!な、なによいきなり、そりゃあるわよ」


「その相手ってお父さん?」


「さぁね、どうかしらね、ご想像にお任せします」


「ふぅーん、違うんだ」


「えっ?」

 あ、今ピクってなった!ズボった!


 そっかぁ、どんなに大好きでも結婚出来るとは限らないんだよなぁ、それはそれでなんか寂しいね。

 

 私は竜斗と結婚したいな

 

 はぁ、何言ってんだろ


 って、私の気持ちは決まってるのに…


 わかってるのに



 やきもちが邪魔をする。


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