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モンスター協奏曲  作者: 東京小町
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14/65

ギャル

 

 リナさんとランチ!

 女子二人だけ


 校舎とグラウンドの間が中庭みたいになってて、そこにあずまや?が等間隔で3つ建ってる。


 ベンチとテーブルの上に三角スイみたいな屋根がついてるやーつ


 その一つが空いていたので、そこでお弁当を食べることにした。


 お互いお弁当を広げる、リナさんのお弁当がしっかりしてる!


 美味しそう!色とりどり!


 これは、美味しいかメッチャ美味しいの二択で間違いない!


 リナさんはぶっ飛んでるけど、お母さんはまともなんだ!と、感心した。


 料理の達人のうちの母のお弁当に負けてない!


「何よ?もう、ホレあげる」と、味付けされてる鶏肉をア〜ンしてくれた


 美味しい!ゲキウマ!まいう〜


 私のほっぺが落っこちそうな表情を見て


「美味しいでしょ?私もこれ好きなんだぁ、隠し味を効かせてるんだよぉ」

 リナさんが作ったかのようにドヤってる。


「あ、そうそうリナさん、昨日の大馬鹿野郎!って伝令なんだったんですか?私、なんかやらかしました?」

「ん?あーあれね、もう解決したから忘れていーよ、ついでにシメといたから!もう安心して突っ走りな」


 ん?閉めといた?意味が分からんけど、いいならいっか


 せっかくだし、ここは女子トークさせてもらお


 気になってることがある


「春樹さんて、高校に入ってから彼女いないって言ってましたよね?」

「うん、そうだよ、うちが入学してからは間違いないし、その前もいないって旦那(ゴー君)が言ってた」


「それって、告白したり、告白されたりもないんですかね?」


 そう、彼女はいなくても色めいた話はあったんではないだろうか


「ないね」


 返し早いな


「んとねー、まずハルちゃんからの告白はないから、理由は単純、ただ単に好きな子が出来てないから」


「ハルちゃんのことを好きってのも聞いたことないね、隠れファンはいるかもだけど…あ!隠れることができないファンはここにいるけどね」


 はい、私のことですね


「あのぉ、とゆうことはモテないってことですかね?」


「うーん、ハルちゃん優しいし、当たりがいいから女の子と仲良く喋ってるのよく見かけるけど、あれは友達感覚って感じだからなぁ」


「ノブさん(佐藤キャプテン)なんかは普通に人気あるし、旦那も虫多いし、(ダイ)ちゃん(大沢)も人気あるし、そう思うとモテないって部類かも」


「あのぉ、これって、春樹さんにキュンキュンしてる私って、趣味が変…とゆうか、感覚がズレてるんですかね?」


 ここは、思い切って潔く攻めてみる


「いや、そんなことないよ、私も初めて見た時はイケメンって思ったもん、あ、大丈夫だよ、私は旦那を追いかけてこの高校に入ってるから、ハルちゃんにはイケメンって思っただけで、進化は絶対ないから」


 ん?追いかけて?なんかサラッと凄いこと言ったぞ、リナさんは桜水ラインではない…追いかけた理由が気になる、けどあとにしよう


「それに、駅前とか歩いてるとね、ハルちゃんとすれ違った女子達が振り返ってくるよ、目をハートにさせて」

「しかも!おばちゃんから、小学生まで老若男女問わずって感じ!」


 おい、男はまずいだろ、もう少し四字熟語勉強してください


 てか、男も振り向いてもいいような、春樹さんの甘いマスク!


「逆に、ノブさんとか旦那を振り返ってまで見てくることは無いよ、遠征にみんなで行くとよくわかる」

「だから、世間一般的にはアイドル級を見た!いやハルちゃんは人気俳優級って感じか、まぁそんな反応だよ」


 だったら、なんで学校でモテないんだ?謎


 でも、街角人気の話を聞くと、嬉しいけどなんか微妙


「私も、その老若男女のうちの一人みたいですよねぇ、ただ目がハートになってるだけかも、中身ないのかな」


 私も人気俳優を見て舞い上がってるだけなのかなと感じてしまった。


「いやいや、私達まだ子供だよ、最初なんてそんなもんじゃない?私だって、最初に高瀬剛と会った時もキャーからだもん」

「でも、今は違うよ、中身あるよ、誰よりも絶対愛してるしね」


「最初の気持ちから勝手に進化したらそれは愛、スンってなってったらそれはただの憧れ、ってうちは思うなぁ」


「大丈夫だよキョウちゃん、昨日あんだけのことをして、今日も嫌な先輩をぶん殴ろうとしてるんだから、立派に愛が芽を出してるよ」


 ぶん殴るではない、ひっぱたくだ、盛らないでくれ


 でもこの人、普段適当に見えるけど、芯がしっかりある人だよな


「そう言って頂けると安心します!ありがとうございます」

「ありがとうございます…て、好きになっちゃったのもう認めるのかい!昨日あんだけごまかしてたのに!ウケる!」


 ふん、もうごまかすつもりはない


「はい、私、好きになってます!」


「カッコよすぎるよキョウちゃん!そんなあなたには〜これだモミモミの刑!」


 横から脇腹をめっちゃ揉んできた

「キャハハハハ、ちょやめ、キャハハハハハ」

 あずまやから笑い声がこだまする


 リナさんがこの野球部にいてくれてよかった。



 お弁当も食べ終わり、更に女子トークで盛り上がってると


 なんか派手な三人組が来た、みんな制服を着てるがスカートを激短くしたりしてアレンジしてる。


 髪の毛ゆるふわ?クルンクルン、そのうちの一人はメイクバッチリ!


 JKだJK!


「お、リナじゃんおっつ〜」

「わお、シェンパイ!オツです」

「旦那、購買にいたぞ、別行動?」

「アイ、今日は女子会開催中です」


 三人が私をチラッと見て、見たことねーなみたいな顔をした。


「野球部は午後もあんだろ頑張ってな〜」

 三人組は、隣のあずまやに入って行った


 日曜日に、学校に来てるってことは、三人ともなんかの部活終わりなのかな、スポーツしてるようには見えんけども…


「あ、キョウちゃん!良いもの持ってきてんだ!取ってくるから待ってて」

 リナさんが校舎に向かった


 暇なので、バッグからファイルを取り出してデータを見ることにする。


 さっきの三人組は、テーブルに鏡を置いてメイク大会を開催


 この後、渋谷とかに繰り出すのかな


 すると、雑談が始まり、かすかに聞こえてくる


「そいえばさぁ、昨日ハルがホームラン打ったんだってさ」


 ん?私の耳が大きくなる


「え、マジで?ありえなくない?ノブの間違いじゃね?」

「そこ間違えねーだろ、マジよマジ、テニスコートまで飛んでったってよ」


「ウソっ!え!」


 三人とも立ち上がってグラウンドを見る


「あそこから、あそこまでってこと?」

「いやいやいや、ないでしょ、もうプロじゃん坂本かよ」


 そこでイケメンショート出すのね クスっ


「あのハルが?ぜったい間違いでしょー」

「ホントだって、テニス部の奴ら騒いでたもん、ボールが降ってきたって」

「ウケる!」


「ボール取りに来た一年が、ハルが打ったって教えてくれたんだって」


「マジかよ、あいつ絶対なんかのチート使ったべ」

「だよね、チート打法だろチート打法キャハハハ」


 うるせーよ、オメーらの化粧顔のがよっぽどチートだろうがっ!


 と、心の中で未来の先輩に毒を吐いていると


 校舎から噂の本人、春樹さんが登場した


 遠目で見てもカッコいい、アンダーシャツ姿だからなのか、余計にたくましく見える。


 でも、なんかこの状況嫌だから、あずまやの柱の影にそっと身を潜める。



「お!ハルだ!」三人も気づく


「お〜いハル〜」一人が手招きしたので、春樹さんが近寄ってくる


「昨日ホームラン打ったんだって?凄いじゃん!」

「あ、う、うん」


 なにビッチどもに照れてんだよ!クソがっ


 嫉妬という扉が初めて開いた私


「誰から打ったの?小林?普通の練習で?」

「いやその、ノブだよ一応試合形式で…」

「は?マジで?何が起きたのよ」

「えっと、うんと、昨日来た女の子にアドバイスを…」

「なによそれ、意味わかんねー」


「もしかして、レギュラーになっちゃうんじゃね?」


「今度試合に出るなら、うちら応援に行くわ!」

「いやいいよ、出るかわからないし、来ても他の人を応援してあげて」


 散々、照れてたのにそこはキッパリしてるの謎


「んだよー遠慮すんなって〜」

「ハルく〜んガンバッテ〜やってあげる」


 うるせーよ!鏡見て言えよコラ


 心の中の毒が吐き止まない


「いや、いいって、行くねじゃね」

 春樹さんが逃げるようにグラウンドに向かってった。



「ハルってさぁ、普通に良い男だよね」


「あいつ好きなやつとかいるのかなぁ、彼女いないの謎だよね」

「あーね、全然聞かないもんねあいつの恋バナ」


「まぁ、でもみんなあのこと知ってるからなぁ、行きづらいかぁ」


「てかさぁ、ハルの体見た?、また成長してね?どんどんムキムキになってくよね」


「うん、ワンチャン抱かれてもいいかも」

「うん、あの顔にあの体、ワンチャンオーケーだわ」


「抱かれちゃえ、抱かれちゃえ」

「キャハハハハハ」


 何言ってんだこいつら


 ワンチャンって何だ?ワンチャンって…犬?


 春樹さんはなぁ、そんな簡単に抱く男じゃねー!


 ガルルル


 ん?でも春樹さんも年頃の男性、チャンスがあったら好きでもない人でも抱いちゃうの?


 抱いちゃうの?すぐ抱いちゃうの?


 あんな顔が重たそうな人達でも抱いちゃうの?


 いや、そんなことはない!

 応援なんかくるな!ビッチどもめ!


 ガルルルルルル


「……ちゃん!キョウちゃん!」


 は!リナさんの呼びかけで我に返った


「どした、そんな鼻をおっ広げて、なんか獣みたいになってるし!」

「あ、いえ、何でもないです」


 ふぅ〜落ち着け私


「はい!これ、あげる!」


 リナさんが、ジャージ上下を出してきた、しかも2セット!


 広げてみる


 あ!桜水高校の指定ジャージだ!


「私服だと毎日大変でしょ、結構汚れるし」


「あとさ、平日も来るんだよね?」


「はい、練習がある時は来ます、学校終わってからですが」


「だったらねこれのがいいよ、平日は遅くまで生徒がかなり残ってるから、私服でウロウロしてたら目立つよ」


「これ着ちゃえば、キョウちゃんは老けてるからバレずに溶け込めるよ」


 ん?なんかサラッと失礼なこと言ったな


「それに私とオソロ」

 リナさんが、自分の着ているジャージの両肩をつまんでポーズを決める


「え、これ、もらって良いんですか?ありがとうございます!」


「ドモイタメシマシタ」


 助かる!マジで助かる!


 リナさん神!


 リナさんの言う通りだ!


 服選びめんどくさい


 土日は私服でも目立たない、でも平日はどうしようか悩んでた

 中学のジャージも考えたが、それはそれで目立つ


 トニーは、大人だから私服でも違和感はない、まぁ外人なので既に目立つから、そこ重要ではない


 ん、あれ?


「ってか、このジャージどうしたんですか?」


「あ、うん、卒業したばっかのケイちゃんから拝借してきた」

「えっとね、ケイちゃんって、旦那のお姉ちゃんだよ、義理の姉?」


「拝借って、盗んだんですか?」

「なんでよ、さすが帰国子女!ちゃんとチョーライしてきたから安心したまえ」


 ゴー君のお姉さんもこの高校だったんだ


「なんか、お礼しないと…」


「いいのいいの、先輩の贈り物はスッと貰っておくのが日本のしきたりだよ」

「喜んでたよって言えば、ケイちゃんも喜ぶから」


「ケイちゃん、スポーツやってなかったから綺麗でしょ、着てあげてね」


 確かにめっちゃ綺麗


「ありがとうございます!もちろん着ます!」


 ジャージを抱きしめて、深々お辞儀をする


「くるしゅうない、おんもをあげーい」

「あ、そだ、もう一つ良いものあるよ」

「なんですか?」

「ハルちゃんの髪の毛があるころの写真」


 なぬ?


 一瞬、語弊を招くワードだが、すぐ理解した


 今は坊主より少し伸びたほぼ坊主


 確か、大会前に坊主にするって誰か言ってたから、その前の時のやつかな


「見たい?」


「見たいです」生唾ゴックン


「じゃあホレ」携帯に入ってる写真を見せてくる


 はうっ!


 クラっときた、今回ばっかりは本当にクラっときた


 分け目は若干左寄りで少し天パなのか、自然にカールを巻きながら前に降りてきている


 無造作ヘア?ってやつだ


 少しツーブロックも入ってる、襟足も程良い長さ


 高校の夏服姿で、少し横に向いていて、何かを見て微笑んでる姿だ


「これ旦那も写ってるじゃん、これをこうやればホラ」


 春樹さんをアップにして、横にズラすとゴー君が消え春樹さんだけの拡大写真になった!


「ホスイ?」


 生唾ゴックン


「モチのロンです」


「なんだよそれ、てかキョウちゃん目がパキってるし!」


「キョウちゃん携帯持ってる?」

「はい、持ってます!」


「じゃ、連絡先交換しよ、写真送ってあげる」

「はい喜んで!」

「居酒屋かよ!ウケる、どんだけ必死なのよ」


 でもなんか疑問が残る


「髪の毛長すぎじゃありません?」

「大会前は坊主にするんですよね?間隔的にここまで伸びます?実際、横に写ってるゴー君は、ほぼ坊主じゃないですか」


「あー、うちはベンチ入りだけ坊主だからね、ハルちゃんはこの前の秋の大会が初めてのベンチ入りだから」


「中学の野球部は坊主じゃなくて良かったみたいだから、今回が初坊主だって」

「この写真は断髪式するちょっと前のやつだよ」


 そっか、三年生が引退するまではベンチ入りすらできなかったんだ


 もう少し、早く帰国していれば拝めたのかも


 待ち受けにしちゃうか、ムフフフフ


「キョウちゃん!またどっかに行ってる!戻ってこい!」


 やばいやばい、鼻血出るかと思った


「おーい、そろそろ戻るぞー!」

 ゴー君が出てきた


「オッケ〜、キョウちゃんも行くよ」


 あずまやを後にしてグラウンドに向かう


「リナ〜、シャケに骨が残ってたぞ、美味しかったけど」

「あ、ごめ〜ん、全部抜いたつもりだったんだけどなぁ」


 と、本当の夫婦みたいな会話してる



 ん?え?リナさんが作ってるの?ゴー君の分も?え?マジで?


 すごっ!リナさん何者?


 黙ってれば良い嫁だ


 私もいつか、春樹さんにお弁当作れる日が来るのかなぁ


「ハル〜はいお弁当、お魚の骨抜いたけど気をつけて食べてね ウフ」


 とか、言っちゃたりしてぇ?キャッ


 やば、マジで鼻血でるわ



 さ、午後も頑張るか!




 ん?プチスタンドに女子がチラホラ



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