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我が為ノ夢物語  作者: 好き書き帳
NO. your fate / NO. my fate
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96/100

『マッシュポテト?』

 茹でて皮を剥いた芋を「潰してください」と手渡されたので、ぐしゃりと素手で圧搾したら。にこやかに笑ったベルニカが、ダーイングにかがむよう手を動かし、次の瞬間。

 握り込まれた拳が頭頂部に激突した。

 ──・・・痛い。ものすごく痛い歯を食いしばって耐えていると、新しい芋が差し出された。

「お料理道具を使いませ?」

「はい」


 ベルニカが口元に笑みを浮かべると、年相応のしわが寄る。

 彼女はレイゼンの奥方で、ダーイングの育ての母だ。


 夫はもちろん、ダーイングも頭が上がらない元侯爵夫人。

 ルディラスの名に恥じぬ、拳は健在。

 そのことには、元気そうで何よりだ。とダーイングは頭部のズキズキとした痛み加減から判断した。


 ◆◆


「ベルニカ、今度はどうだ?」

「はい。よくできてございます」


 今度の芋は、芽をとってから、茹でて、皮を剥き、器具を使って丁寧に潰した。


『マッシュポテト』というらしい。

 初めてまともにできた料理に、あとはバターとミルクを加えたら完成。

 ──先は長い。まだ、感覚がつかめない。


 ダーイングは、こっそりと小さなため息をついた。

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